新旧ドバイの街の表情を楽しむ船旅 ドバイ一周水上観光 【ドバイ/UAE】(2019年)

ドバイ滞在中にとれた1日半のオフ、金曜は夕暮れのアブラ乗船、オールドスーク散歩を楽しみましたが、アブラの船旅があまりに楽しすぎたので、まる1日時間が取れる翌土曜日も船旅を楽しむことに決定。港のターミナルの航路図を見ると、残念ながらクリークを一周する航路はありませんが、何本かの航路を乗り継げばクリークの4分の3くらいは辿れそうです。さらに外海を走るフェリーを組み合わせれば、水の上からドバイのさまざまな表情を眺められるのではないかと思います。 f:id:nikonikotrain:20201230234215j:plain 港の案内所に行くと折り畳み式の紙の案内図がもらえ、それには運航間隔などの情報も載っていたので、ホテルでじっくり眺めてプランを練ることにしました。スマホでweb を見ながらだと、あっちのページを開いたり、こっちのページに戻ったりと操作が面倒ですが、全体像を眺めつつ裏返してそれぞれの航路の情報をすぐにみられる紙の案内図は重宝します。特に便数が少ない航路があればそれを中心に全体の予定を作らねばなりませんが、1日3往復しかないAl Ghubaiba から Dubai Marina のフェリー路線と、同じく1日3往復のAlwajeha Al MaeyahからAl Jaddafの路線の時刻から、必然的にプランが決定しました。

アブラを乗り継ぎドバイクリークを辿る

明けて翌日、旧市街のAl Seefという船着き場からドバイ一周水上観光をスタート。ここからCR6、CR3、CR2、CR4と乗り継いでドバイクリークをジグザクに海のほうへ向かい、Al Ghubaiba を13:00 に出る Dubai Marina 行きのフェリーに乗るというのが今日のプランです。f:id:nikonikotrain:20210104233228j:plain

Al Seef からAl Ghubaiba までのアブラの細かな出航時間は案内図には記載されていませんが、どの航路もおおよそ15分~30分おきに運航されているようなので、11:00 にAl Seef を出れば大丈夫だろうという目論見でホテルを出発。ホテルからAl Seef までは歩いて30分ほど、ちょうど11時頃に到着すると幸いなことにすぐに出航する便があったので急いでチケットを購入し乗船しました。

Alseef => Baniyas / CR6

CR6系統 に使われているのは昨日乗ったアブラとは違って近代的な、20人乗りのボートでした。 Baniyasまでの運賃はAED2。

Al Seef の桟橋に停泊するCR6系統のアブラ。f:id:nikonikotrain:20201230234217j:plain

 Al Seef 桟橋から右を見ると近代的でスタイリッシュな建物が並んでいます。f:id:nikonikotrain:20201230234218j:plain

振り返って左を見ればトラディショナルな感じの建物。f:id:nikonikotrain:20190921110416j:plain

どうやらこのAl Seef は、クリークに沿って過去と未来の街並みが並ぶ、絶好のお散歩スポットのよう。もう少し早くホテルを出て、ここでの散歩時間を取るべきだったと後悔しました。乗るアブラを1便遅らせることも頭をよぎりましたが、もう出航時間が目前に迫っていますし、この先の乗り継ぎや乗船時間が予想外にかかってAl Ghubaiba 13:00発の船に乗れなくなってしまっては今日のプランも破綻してしまうので、少しでも早く先に進んでおきたいところ、ここは涙を飲んで先を目指すことにします。 f:id:nikonikotrain:20190921110355j:plain

ロレックスのツインタワーが印象的な対岸の風景。空にはドバイ国際空港を飛び立った飛行機が。空港はクリークから近く、クリークにいると離着陸する飛行機を目にする機会が多いです。

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CR6系統の目的地Baniyasの船着き場は、Al Seef からまっすぐ対岸に渡ったところにあり、あっという間に到着しました。乗ってきたボートが折り返しAl Seef に向けて戻っていきますが、お客さんは誰もいません。Al Seef の街並みの向こうに、額縁を模した展望台ドバイフレームと、その右にうっすら、世界一の高層ビル、ブルジュハリファが見えます。f:id:nikonikotrain:20190921111457j:plain

Baniyas ==> Dubai Old Souq / CR3

Baniyas で20分ほど待ち、第2ランナー CR3系統のアブラに乗船。
さきほどと同じタイプの20人乗りアブラで、運賃はAED2.f:id:nikonikotrain:20201230234222j:plain

左側には先ほども見えたAl Seefの古い街並み、右側はRolexのツインタワーを始めとするビル群。

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やはり左側の古い街並みに心惹かれます。次にドバイに来るときは、ぜひここをゆっくり歩いてみたい。f:id:nikonikotrain:20201230234220j:plainf:id:nikonikotrain:20190921113418j:plain

すれ違ったこの船は漁船でしょうか。f:id:nikonikotrain:20190921113545j:plainビルが立ち並んでいた右岸も背の低い建物になり、水面を滑るトラディショナルなアブラの姿も目にするようになりました。
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Baniyasから10分ほどで目的地のDubai Old Souq に到着。昨日の夜も来たところですが、昼間の景色はイメージがぜんぜん違いました。f:id:nikonikotrain:20190921113908j:plain

Dubai Old Souq==> Al Sabkha ==> Dubai Old Souq / CR2

Dubai Old Souq から乗ったCR2系統は木造の古いタイプのアブラで、運賃はAED1。
CR1とCR2 の2系統が古いアブラが使われている系統で、運賃もAED1と安く設定されているようです。
水面を縦横無尽に走る木造アブラはドバイの庶民的な日常風景。

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外向きの座席なので自分の足のつま先のすぐ向こうに水面があり、スピードが上がってくると初めは少し怖くも感じますがすぐ慣れます。木造アブラは近代的アブラより解放感と爽快感が段違いで、本当に乗っていて楽しい乗り物だと思います。f:id:nikonikotrain:20190921114938j:plain

到着したAl Sabkha からはCR4系統のアブラに乗れば、次に乗るドバイフェリーが出発するAl Ghubaihbaに行くことができます。案内所でCR4の乗り場はどこか尋ねると、CR4は運航していない、とのこと。今日だけ運休なのか、それとも廃止されたのかと聞いてみると、一瞬間があって、廃止された、との回答でしたが、回答までの一瞬の間が情報の信憑性に少々の疑問を感じさせたものの、とにかく今乗れないということには変わりがないので、いま乗ってきたCR2のアブラでDubai Old Souq に戻ることにしました。

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ドバイ国際空港を離陸した飛行機が飛んで行きます。さすが世界を代表するハブ空港、結構な頻度で飛行機を見かけますが、肉眼でも尾翼のマークが判別できるほど近いところを飛んでいるので、飛行機からも旧市街とクリークの景色がよく見えることでしょう。

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Dubai Old Souq に着いたのは12時を少し過ぎた頃。ここからAl Ghubaiba までは歩いて10分とかからない距離なので、13時発のフェリーには余裕で間に合いそうです。
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リゾートホテルに高層ビル ドバイらしい海の景色を見るならドバイフェリー

Al Ghubaiba Ferry Station ===> Dubai Marina Mall Ferry Station  (FR1)

Al GhubaibaからはドバイフェリーでDubai Marina Mallへ。このルートは所要1時間40分、AED50(シルバークラス)or AED70(ゴールドクラス)で11:00、13:00、18:30の1日3便の運航ですので、今から乗る11:00発が本日の初便ということになります。

Al Gubaiba から海寄りの岸辺は、きれいに整備された散歩道が続いていました。

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チケット売場でマリーナまでのシルバークラスのチケットを買いゲートで待っていると、出発時刻が近くなり改札が始まり乗船開始です。このフェリーターミナルからはマリーナ行きのほかにドバイの隣の首長国であるシャルジャにある水族館行きのフェリーも出ていて、こちらはマリーナ行きよりも頻度が高く、金曜以外は朝晩が30分間隔、日中9:00-16:00 が90分間隔の運航とのこと。9:00-16:00 は7時間で、90分で割れないところが気になりますが、ともあれ、シャルジャまでは35分ほどの船旅だそうです。

ドバイフェリーはエアコン、トイレ付きの旅客専用船で、後部にはオープンデッキがあり風を浴びることもできるようになっていました。f:id:nikonikotrain:20190921125417j:plain

霞の向こうにブルジュハリファ

Al Ghubaiba を出航すると岸辺の茶色い古そうな建物群を見ながら海を目指してクリークを進んで行きます。このあたりはアル・シンダガというドバイの歴史地区の1つで、地図を見ると歴史博物館や香水博物館、ラクダ博物館など、小さな博物館や美術館などが並ぶスポットのようです。建物は古そうなデザインですが汚れもなくきれいな状態に見えるのでもしかすると古いデザインで新しく建てられたものかもしれませんが、時代を感じさせる魅力的な街並みに、ゆっくり散歩してみたいという気持ちになります。

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アル・シンダガの街並みが終わるとクレーンが立ち並び開発が進められているエリアを抜けて外海に出ます。しばらく走ると、霞の向こうに高層ビル群と周囲のビルの倍以上の高さにそびえるブルジュハリファが見えてきました。ブルジュハリファは高さ828m、言わずと知れた世界一の高層ビルですが、遠目に見てもその抜きんでた桁違いの高さには驚かされます。

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Al Ghubaiba からおよそ50分ほどでこの系統のフェリーの唯一の寄港地、Dubai Canal の船着き場に到着します。ここは人工の運河であるDubai Canalが海に出るポイントで、Canalを通ってくるWater Bus DC1系統との乗り換えができます。ちょうど 13:55 に到着するDC1系統がありましたが、あいにく今日はこちらに乗り換えてくるお客さんはいないようでした。

Dubai Canal から再び海に出てDubai Marina を目指します。ここまでは比較的見どころの少ない船窓風景でしたが、地図を見るとここから先はドバイらしいの海辺の眺めが広がりそうで楽しみです。

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個性的な建築の有名リゾートホテルを海上から

しばらくするとまず見えてきたのが、アラブの伝統的な船である「ダウ船」の帆を模した形のホテル、ブルジュ・アル・アラブ。船の帆がモチーフなだけあって、海から眺めた景色にとても映えます。船が進むにつれて見える角度が変わり、同じビルでありながらいろいろな表情が見られます。

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ブルジュ・アル・アラブを過ぎると、海岸線から海に突き出た人工島、パームジュメイラに沿って沖合に針路をとるので、左舷に見えていたブルジュ・アル・アラブが後方に過ぎ去ります。

そして見えてきた、きっと豪華なホテルになるのであろう建設中の建物。f:id:nikonikotrain:20190921142734j:plainそれを過ぎると、古代文明アトランティスをテーマにしたホテル、アトランティス・ザ・パーム。

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そしてホテルとかレジデンスとか(と思われる)、パームジュメイラのオーシャンビューの一等地に経つ建物の数々。f:id:nikonikotrain:20190921143418j:plainf:id:nikonikotrain:20190921143533j:plainf:id:nikonikotrain:20190921143632j:plain

ドバイマリーナは摩天楼に抱かれて

パームジュメイラに沿ってぐるりと回ると、前方に高層ビル群が見えてきました。

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徐々にそのビル群が近づいてくると、その手前に何やら大きな輪っかが。これはまだゴンドラもついていない建設中の観覧車で、世界一の高さになるそう。f:id:nikonikotrain:20190921144548j:plain船はスピードを落として圧倒的な存在感の摩天楼に近づいていきます。マリーナというのでヨットハーバーのようなところを想像していましたが、どうやらこの高層ビルが建ち並ぶエリアがドバイマリーナのようです。f:id:nikonikotrain:20190921144638j:plain

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ビルの谷間の運河をスピードを落としてしずしずと進み、船は終点のDubai Maina Station に到着しました。この船は折り返し15時発のAl Ghubaiba行きになりますが到着したのは14時50分ごろ。乗客を入れ替え、あわただしく折り返して行きました。

それにしても、あたりはものすごい高層ビル群で、まさにビルの谷間という言葉がぴったりの場所です。

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フェリーを降りて運河を見ていると、・・・!? 運河の上を人が飛んで行きました。f:id:nikonikotrain:20190921150729j:plain

よく見れば運河の上にワイヤーが渡されており、ビルの中腹からジップラインで滑走できるようになっているようです。高層ビルに囲まれた運河の上を滑り下りるとは面白そう!時間があればやってみたかった・・・。

少し歩くと、クルーザーの停泊する、マリーナという名前からイメージするマリーナらしいところが。f:id:nikonikotrain:20190921151412j:plain

中継ぎのドバイメトロ

 DMCC ===> Business Bay  (ドバイメトロ レッドライン)
マリーナからは歩いてメトロのDMCC駅へ。ドバイメトロは三菱商事大林組など日本企業が中心となったジョイントベンチャーにより建設された鉄道です。駅はどこも金色のスタイリッシュな屋根で覆われていてホームも冷房完備、快適に利用できます。
近代的なビルをバックに走る5両編成のメトロはドバイの発展を象徴する風景のひとつだと思います。この車両は日本の近畿車輛で製造されたもので、日本人としては異国で活躍する同郷の同士にエールを送りたくなります。
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マリーナからDMCCまでは徒歩10分少々で着きましたが、午後の暑い日差しの中を歩いたことに加え、フェリーでは景色の移り変わりが楽しくて後半はほぼデッキで立ちっぱなしだったことが影響してか、駅に着いたときには疲労を感じるようになっていました。やってきた電車に乗り込み、冷房の効いた快適な車内で窓の外の景色を眺めているとこのまま降りたくなくなってきましたが、目的のBusiness Bay に着くと何とか重い腰を上げることができました。 
Business Bay の駅から目指すのは Sheikh Zayed Road という船着き場。メトロに沿って広い道路を歩きます。少し進むと道路沿いのビルの上に頭を覗かせるブルジュハリファが見えました。

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疲労を感じる体にムチを入れて、16時を過ぎてなお暑い道路を歩くことおよそ15分、たどり着いた船着き場はギラギラと西日が照りつける工事現場の片隅のようなところでした。ちょうど手持ちの水がなくなり、船着き場の売店ででも買えるだろうと思っていましたが売店などはなく、ただチケット売り場とベンチがあるだけのところでガックリです。船の時間がわからなかったので聞いてみようとチケット売り場を覗くと、中では係のおじさんが椅子に座って昼寝の最中でした。

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人工の運河からクリークの自然を感じるエリアへ

Sheikh Zayed Road  => Alwajeha Al Maeyah / DC2

幸い10分ほどの待ち時間で1艘のボートがやってきて、これがここで折り返すDC2系統でした。ボートは朝乗った近代的アブラと同じタイプで、家族連れが1組乗っていましたが、彼らも観光なのか、下船せずそのまま折り返して乗っていくようです。
DC2系統は途中1か所の寄港がありますが、1区間 AED2, 2区間 AED4 の運賃。f:id:nikonikotrain:20190921163435j:plain

Sheikh Zayed Road を出航してドバイ運河を奥に進んで行きます。天然の入り江であるドバイクリークが海からJの字状に内陸部に入り込んでいた先の部分から、再び海までつなげてUの字状の水路にするために掘られたのがドバイ運河で、運河が海に出るところに先ほどフェリーで通ったDubai Canal の船着き場があります。
これから目指すのはクリークの奥にある Creek / Al Jaddaf で、いま乗っているDC2 系統の終点でDC1 系統に乗り継ぐ必要がありますが、このDC1系統はいま出発した Sheikh Zayed Road を通るばかりか、ここを16:33に出る Dubai Canal 行きに乗って Dubai Canal から折り返せば、その折り返し便こそこれから乗り継ぐ予定の便なので、運河を全区間乗ることができ、より長く水上観光が楽しめます。当初はそのスケジュールを考えていたのですが、 さきほどフェリーでDubai Canal に着いたときに見かけたDC1系統の船はデッキなしのオール屋内タイプの船で、船旅は風を感じたいと思う私としてはこの船を敬遠したのでした。f:id:nikonikotrain:20210104231527j:plain

高層ビルを見ながら運河を滑りだすと、さきほどまで感じていた疲れが吹き飛ぶ気持ちよさです。やはりオープンタイプの船を選んでよかった!

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ドバイメトロと高速道路の下をくぐると、奇抜なデザインのビルが建ち並んでいます。この運河を中心としたこのあたりはビジネスベイと呼ばれるエリアで、新たなビジネス街が建設されているそうです。 

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 やがて水面も広くなり、岸辺のビル群が遠ざかって解放感を感じます。ブルジュハリファも良く見えるようになってきました。

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およそ10分で寄港地のMarasiに到着。 ここで同乗の家族連れが降りて行き、乗客は私ひとりになりました。振り返ればビジネスベイの摩天楼のシルエット。

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ここでしばし時間調整があったので、若い船頭さんと少し話をしました。「このDC2の終点からDC1に乗り継ぐんだけど、DC1の船は屋内型だから面白くないので、途中までオープンタイプのボートのこのDC2に乗ることにしたんだ、やっぱり風を浴びて乗るのは気持ちいいね」と言ったところ、船頭さんは「お客さん、わかってますねー!」とばかりに嬉しそうに満面の笑みを浮かべて握手を求めてきて、この船に乗ってよかったな、とこちらも嬉しくなりました。

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やがて出発時間となり、ふたたび幅の狭まった水路を進んで行きます。岸辺にはナナメなビルが見えます。倒れやしないかと不思議に思いましたが、船が少し進んでビルの見える角度が変わると、逆光で見えづらいものの、後ろに垂直の構造物らしきものがあるのが見えました。

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寄港地のMarasiの船着き場からおよそ10分で、DC2の終点のAlwajeha Al Maeyah に到着しました。あたりに何もなかった始発のSheikh Zayed Roadとは違い、船着き場の目の前はオフィスビルで、その地上階にカフェもあり飲み物を買うことができました。

Alwajeha Al Maeyah  => Creek / Al Jaddaf  / DC1

待つこと10分ほど、最終ランナーのDC1系統の船がやってきました。DC1は1日各方向3便ずつの運航で、これから乗る17:27発の便はAl Jaddaf行きの2便目にあたりますが、明るいうちに景色を楽しもうと思ったらこの便までに乗らなければなりません。ボートはやはり、箱形の屋内タイプのもの。ずんぐりとした外見で、水面を進む姿もどことなく不器用な感じに見えます。
この船は始発のDubai Canalを16:50に出て、途中さきほど私がDC2系統のボートに乗ったSheikh Zayed Road に寄港しここAl Jaddaf が2か所目の寄港地ですが、乗船してみると乗客は誰もおらず、出航までしばしの時間をつぶす船頭さんが最前列の客席に座りくつろいでいました。この先Dubai Design District に寄港し終着のAl Jaddaf に至ります。運賃は1寄港あたりAED2、私が乗る区間は2寄港なのでAED4、始発から終点まで乗りとおすと終点含め4寄港でAED8 になります。

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船内はやはりデッキはなく、窓も開かない仕様でした。風を浴びられないとは、せっかくの船旅の楽しみが半減しますが、この先を行く定期航路はこのDC1しかないので仕方ありません。
途中寄港地のDubai Design District のあたりで水面が少し広くなり、振り返ればブルジュハリファそびえるダウンタウンの高層ビル群に沈む夕日。これは絶景です!

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なぜこの美しい夕日を水滴で汚れた窓越しに眺めなければならないのか、つくづく密閉型のこの船の仕様が改めてうらめしく思えますが、船の乗り継ぎ旅の最後にふさわしい素晴らしい景色が見られました。

少し進むと水面がぐっと広がり、この辺りが運河と天然のドバイクリークの接続点なのかなと思われます。右舷の窓の外は、いままでのビル群が嘘のような、水際に低木が茂る自然の水辺の風景になりました。クリークの奥には自然観察区があり、冬には渡り鳥であるフラミンゴの姿も見ることができるそうです。

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自然を感じることのできるクリーク最奥部ですが、遠くに高層ビル群が見えます。クリーク沿いにドバイクリークハーバーという地区の開発が進められているそうなので、このビル群がそうなのかもしれません。ここ、ドバイクリークハーバーには世界一の高さの高層ビルが建設される予定と聞き、あれ、世界一の高層ビルは先ほど見えたブルジュハリファでは、と思いましたが、高さ828mのブルジュハリファに対し、現在サウジアラビアのジッダに高さ1008mのブルジュジッダというビルが建設中だそうで、これが完成するとブルジュハリファを抜き世界一の高層ビルになります。世界一の座を奪われるドバイが巻き返しを図るべくさらに高いビルを、と計画しているのがこのクリークハーバーの超高層ビルなわけで、再びどこかに抜かれることを警戒してか、建設予定の超高層ビルの高さは秘密だそうです。 こういう話は景気に左右される計画変更されることが多いので、果たして実現されるのかどうかはわかりませんが、とにかくドバイの世界一の称号にかける意気込みが伝わってくる話ではあります。

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船はクリークハーバーの高層ビル群のほかはのどかな自然の水辺風景がひろがるクリークを進み、Alwajeha Al Maeyahからおよそ40分ほどの乗船で終着の Al Jaddaf に到着。ここからは対岸の Festival City まで BM2 という系統のアブラが出ているので、時間が合えば往復乗船してみようかと思っていましたが、こちらの船が接岸しようとしているところを逃げるように近代型アブラが出航していくのが見え、次の便までの待ち時間もありそうだし、ちょうど日も暮れかかっているしということで、ここでドバイ一周水上観光を終了することにしました。

ドバイの街の起源となったクリークの古い街並みや古いアブラから、現代のドバイを象徴するきらびやかな高層ビル、そして自然を感じるクリークの風景、ドバイのあらゆる表情が楽しめた船の乗り継ぎ旅はかなり充実したドバイ観光となりました。またドバイを訪れることがあれば、今度は船から見えた街をゆっくり歩いてみたいものです。

夜のブルジュハリファで噴水ショーを見ながらのハンバーガーディナー

Al Jaddaf の船着き場はドバイメトロ グリーンラインの終点、Creek駅まで歩いて5分ほどのところ。最後はメトロに乗ってブルジュハリファに行こうと思います。グリーンラインからレッドラインに乗り換えドバイモール駅で下車。動く歩道のある長い連絡通路を歩きドバイモールに入って地上階に下りて外に出ると、ブルジュハリファの威容が目の前に。写真を撮ろうとスマホカメラを構えるとなかなかビルのてっぺんまで写真に入らず、その高さがいかにすごいかを実感します。

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ブルジュハリファが見える人工池の前はレストランが並んでいるので、ここで夕食を食べようと思います。今日は暑い中たくさん歩いたのでビールでも飲みたいところですがここはドバイ、ホテルでしかビールは飲めません。どうせビールがないならばと、アメリカで何度か食べておいしかったハンバーガーのファイブガイズがあったので、夕食はここに決定。テラス席に座り、夜のドバイの風を感じながらおいしいハンバーガーと大量のポテトを食べ、アメリカ式の飲み放題ドリンクバーでコーラを何度もリフィルして、今日消費した以上のカロリーを摂取します。ちょうど池では噴水ショーが始まり、音楽に合わせ高く噴射される噴水を楽しみながらのディナーとなりました。

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<おまけ> 

夕食を終えてホテルに帰るときにメトロの駅で見かけたフレッシュオレンジジュースの自動販売機。お金を入れて購入すると、生オレンジがコロコロと降りてきて刃に押し付けられて二つに切られ、それを絞るという動作が4-5回繰り返されて、最後はビニールの蓋が熱でしっかり密着され提供されます。蓋の縁だけは少し熱を感じますが、ジュース自体は冷え冷えの搾りたてで、蓋にストローを差して飲むと、最高でした。 

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2019年9月

 

※記事中の情報は訪れた当時のものです。

伊豆の観光輸送を支えて30年 引退を迎えた花形列車 スーパービュー踊り子号の旅【静岡県】(2019年)

登場以来30年に渡って東京から伊豆へのアクセスの花形車両として活躍してきたスーパービュー踊り子号が2020年3月をもって引退するというニュースを聞き、2019年12月に出かけた1泊2日の伊豆旅行。昨日は185系特急踊り子号、普通列車リゾート21の黒船電車とキンメ電車、651系快速伊豆クレイル号と、多彩な伊豆の列車たちを楽しみました。今日はいよいよスーパービュー踊り子号での列車旅を満喫したいと思います。 

スーパービュー踊り子号は1990年に運転を開始した東京と伊豆を結ぶ特急列車で、「乗ったらそこは伊豆」をコンセプトに開発された251系がこの列車の専用車両として活躍しており、スーパービューの名のとおり運転席の後ろの展望席や大きな側面窓から眺望が楽しめることが自慢です。10両編成のうち下田側の1号車と2号車、東京側先頭の10号車の計3両が2階建て構造で、下田側2両の2階はグリーン席(かつてはそのうち1両が喫煙車両)、1号車の1階がサロン室と売店、2号車の1階がグリーン個室になっています。3号車から10号車は普通車ですが、9号車と、10号車2階はグループ利用を想定したボックス席(のちに他の普通車と同じ2人掛け回転クロスシートに改装)、10号車の1階には子供が遊べるスペースが備えられており、幅広い客層のニーズに応え、乗ること自体を楽しんでもらおうという意欲的に開発された車両と言えましょう。
せっかくなので今日はそのスーパービュー踊り子号のさまざまな設備をできる限り楽しんでみたいと思います。

あいにくの雨模様だった昨日とはうって変わって青空が広がり、温暖な伊豆のあたたかな冬の、気持ちのいい朝を迎えました。伊豆高原は、伊豆急行の本社や車庫のある拠点駅。駅前広場には足湯があり、駅を出た瞬間から温泉気分を高めてくれます。足湯の前からは一段低くなったところにある伊豆高原駅のホームとその向こうに広がる車両基地、そしてさらにその先には冬のやわらかな陽の光に輝く林と海も見通すことができます。基地には紺色のロイヤルエクスプレスが止まっていました。この車両はもともとリゾート21の最終編成として製造された車両が改装されたもので、横浜と伊豆急下田を結び、車内では豪華な食事を楽しむことができます。

【公式】THE ROYAL EXPRESS (the-royalexpress.jp)

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伊豆高原伊豆急行線の開業時に観光開発のイメージアップを狙ってつけられた駅名ですが、今ではこの周辺地域の呼び名として広くその名が知られるようになりました。海に近く、海抜高度も駅舎部分でおよそ70mほどしかない低い場所にもかかわらず「高原」とは、よくよく考えてみれば変な気もしますが、広々として見通しが良く、爽快な空気が漂うこのあたりには確かに高原の空気感があります。水色のアクセントカラーがさわやかな8000系普通列車も、この高原らしい風景によく似合います。

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 駅前の足湯に入り、駅に出入りする列車や車庫に停まる列車をしばらく眺めていると、乗車する列車の時間が近づいたので、改札口を入り3番線ホームに向かいました。
 

 

カラフルなクッションの子供室は揺れる車内でも安心な遊び場

 伊豆高原  10:42 ---> 伊東 11:03 伊豆急行線 特急スーパービュー踊り子2号

 本日最初に乗るのは上り東京行きスーパービュー踊り子2号。この列車は始発の伊豆急下田を10:04 に出て終着の東京には12:41に着くというダイヤで、宿泊施設をチェックアウトしてすぐ東京に帰りたいという人にはちょうど良い時間帯に運転されていますが、我々は東京に帰るわけではなく、わずか19分の乗車で次の停車駅伊東で下車する予定です。なぜこのように短い区間で利用することにしたかというと、伊豆急行線内の特急料金がJR線内に比べてリーズナブルに設定されており気軽に利用できること、東京方面からだと熱海や伊東など途中駅までの利用の需要もあるため伊東より先の伊豆急行線内に入ったほうが乗客が少なく、車内設備を落ち着いて利用できる可能性があること、そして伊豆急行線内の景色がいいことから、せっかくなので短距離でもスーパービュー踊り子号の車内設備を楽しもうと計画したわけです。伊豆高原から伊東までのスーパービュー踊り子特急券は520円、JR線内でほぼ同じくらいの所要時間の熱海から伊東だと特急券は1290円なので、伊豆急線内だとだいぶリーズナブルに利用できます。

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伊豆高原から乗り込んだのは先頭の10号車。客室に入ると上る階段と下る階段がありますが、この下り階段の先が子供室になっています。階段部分は狭いスペースながら大きな窓とあいまって広々とした空間に感じますが、下りたところで振り返ってみると、せまっこさを感じる階段にちょっとした隠れ家的な気分になります。

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 子供室はカラフルですが少しくたびれた感のあるクッションで囲まれていて、時代を感じるモニターが乗っている台も角が養生されているので、揺れる列車内でも安心して遊べそうです。このカラフルな空間の持つわくわく感と、普段は静かにしなさいと言われている列車内で思いっきり飛び跳ねて遊んでいいぞ、と言われていることに子供も大喜びです。それほど広くないスペースなので他の利用客がいたら遊べないかと思っていたのですが、この時間の列車ならば小さい子供連れの利用も少ないのではという狙いも当たり、幸いこのとき他の利用客はいませんでした。何か遊具があるわけでもありませんが、靴を脱いで飛び跳ねたり、クッションの上に立って窓際の赤いバーにつかまりながら景色を眺めたり、普通の列車内ではできない貴重な経験に、子供も大いに楽しんでいました。今回は20分ほどの短時間の利用でしたが、特に1時間を超える乗車などで子供が退屈してぐずりだしたとき、こういう設備があるのは非常に助かると思います。なお、この子供室の隣にはアコーディオンカーテンで仕切られた授乳室もありました。

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なお、この子供室のある10号車の先頭部分は、雛壇状の普通車前面展望席になっています。f:id:nikonikotrain:20191208105503j:plain

迫力ある前面展望のグリーン席とくつろぎのサロン室

伊東 11:18 ---> 伊豆急下田 12:12 伊豆急行線 特急スーパービュー踊り子3号

伊東でスーパービュー踊り子2号を降りたら、15分後に発車するスーパービュー踊り子3号に乗って今来た道を引き返し、終着の伊豆急下田に向かいます。今度乗るのはグリーン車の先頭車最前列、前面展望が楽しめる席です。
スーパービュー踊り子に乗るからにはやはりこの席に乗っておきたいと思いましたが、やはり人気がありますし、下り列車でしか先頭にならないので、特に土日1泊2日旅行の往路となる土曜の午前中の便でこの席を予約するのは困難でした。そこで日曜の列車の伊豆急線内だけの利用ならば予約もいくらか取りやすいのではないかと、ネット予約のえきねっとのサイトで見てみると、日曜の3号、伊東から伊豆急下田の最前列に空席が!ところが、えきねっとでは空席の確認はできるものの、伊豆急線内だけの利用にっついてはネット予約はおろか、JRの駅のみどりの窓口での発売も不可で(JRだけの区間、またはJRと伊豆急にまたがった区間ならばネットでもみどりの窓口でも購入可)、購入できるのは伊東~伊豆急下田伊豆急線内で窓口がある駅だけです(伊東はJRが管理している駅ですが、伊東は伊豆急の始発駅なので伊豆急の端末があるようです)。
そこで昨日、先に買われてしまいはしないだろうかとドキドキしながら踊り子号を伊東で降り、指定券を購入したのでした。日曜といえど人気の最前列のシートがずっと空いていたとは考えにくいので、先客は熱海か伊東で降りられたのだと思います。

カーブを曲がってスーパービュー踊り子3号が伊東駅のホームに入って来ました。

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最前列の席に座り、発車するとさっそくアテンダントの方が飲み物のオーダーを取りに来てくださいました。グリーン車にはウェルカムドリンクがついています。
楽しみな前面展望はというと、これが残念なことに、ちょうど座席に座った目線の高さのあたりに窓の横梁があり、すこし前かがみになって視点を下げないと線路の先を見通すことができないつくりになっています。しかしながら、運転席との仕切りのガラスは下のほうが曇りガラスになっているのであまり視点をさげることもできず、少々もどかしいものがあります。このグリーン車最前列席には20年ほど前にも一度乗ったことがありますが、そのときも横梁が邪魔だなあ、という感想を持ったのを覚えています。とはいえ、多少姿勢の工夫はいるものの、やはり前方の景色が見えるのは楽しいことです。

さきほど出発した伊豆高原に戻って来ました。 

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 運転席後ろの展望席の区画には2人席+1人席の座席が2列、計6席があり、伊東を発車した時点では我々のほかには2列目の2人席にご夫婦らしき方々がお座りでしたが、その方々も伊豆高原で降りられ、ここからは展望席は我々だけになりました。

伊豆高原を出たところでは保存されている旧型の車両が見えました。
トンネルや鉄橋を越え、下田を目指して南下して行きます。

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伊豆熱川では185系踊り子号と行き違い。昨日バナナワニ園に向かう途中に見かけた交換風景です。

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 グリーン車の座席は、肉厚でゆったりとしていて快適な座り心地。

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海岸線を走る区間、昨日も雨空の下で見た景色ですがよく晴れた海の景色は昨日と印象が全然違います。
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 晴れた海の景色を楽しみ、線路が海岸を離れたところで、サロン室に行ってみることにしました。先ほど乗った子供室と同様、先頭車両の1階部分に作られていて、小さな売店があり、お菓子などを買うこともできます。

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やわらかな照明が照らす空間はとても落ち着いた雰囲気です。f:id:nikonikotrain:20201210020916j:plain

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伊東から54分、185系踊り子号に迎えられて終点の伊豆急下田に到着。快適な時間を過ごせたグリーン車の旅も終了です。伊東から伊豆急下田までのスーパービュー踊り子のグリーン券は1190円、JRだと1810円の距離なので、お得にグリーン車を楽しめました。

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木造の湯屋の風情が最高な金谷旅館千人風呂で日帰り入浴

伊豆急下田 12:22 ---> 蓮台寺 12:25 伊豆急行線 普通

伊豆急下田からは普通列車に乗って1駅戻り、蓮台寺で下車。この旅初めての普通列車の8000系に乗って、また乗車車両のバリエーションが1種類加わりました。f:id:nikonikotrain:20191208122843j:plain

蓮台寺は下田から2kmほどにある山に抱かれた温泉地です。下田の温泉はこの蓮台寺からの引湯によって栄えたという歴史があるとおり、湯量豊富な温泉が湧いています。
今回は蓮台寺駅から徒歩5分ほどの便利な場所にあり、千人風呂という大きな木造の浴場が有名な金谷旅館さんで日帰り入浴をさせて頂くことにしました。

佇まいが素敵な玄関を入ると古く美しい木造の旅館の光景が広がっていました。

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玄関に置かれている水槽に妙に大きな金魚が・・・コイ!?
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お風呂はうわさに違わず素晴らしく、大正4年に建てられたという総檜づくりの木造の湯屋に、長さ20m、幅5mという大きな湯舟がしつらえられており、木のぬくもりを感じながら自家源泉掛け流しという温泉に浸かるのは至福のひとときです。小さいながらも露天風呂もあり、内湯と露天を行ったり来たりしているとあっという間に時間が経ってしまいます。日曜の昼間ということもあってかそこそこ入浴客も多かったですが、いつかぜひ宿泊してゆっくりこの風呂を思う存分楽しみたいと思いました。

【公式サイト】金谷旅館 -自家源泉掛け流し 千人風呂- (kanayaryokan.jp)

ロープウェイで寝姿山に登る

蓮台寺 13:54 ---> 伊豆急下田 13:57 伊豆急行線 普通

素敵な温泉を楽しんだ後は再び下田に戻ります。やってきたのはリゾート21キンメ電車。昨日も乗った電車ではありますが、やはり1駅ですぐ降りるのがもったいなく思える素敵な列車だと思いました。f:id:nikonikotrain:20201210021305j:plain

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下田ではロープウェイに乗って寝姿山に登ります。ロープウェイの乗り場は伊豆急下田駅から歩いて3分ほど。切符を買って待っていると、深い藍色に塗られたゴンドラが降りてきました。このデザインは今朝伊豆高原で見かけたロイヤルエクスプレスに合わせたもので、どちらも有名な鉄道デザイナー、水戸岡鋭二氏によるデザインです。
ロープウェイの乗車時間は短く、およそ3分ほどで山上の寝姿山駅に到着。ここには水戸岡氏デザインのレストランがあり、ロイヤルエクスプレスで下田に着いた乗客が引き続きその世界観で観光ができるようになっています。

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寝姿山の上は遊歩道があり散策ができました。展望台からの伊豆諸島が望めは絶景!f:id:nikonikotrain:20191208143718j:plain伊豆急下田駅を見下ろせる場所もあり、駅で休むスーパービュー踊り子号が見えました。f:id:nikonikotrain:20191208151105j:plain

下田ロープウェイ 寝姿山 ロープウェイ (ropeway.co.jp)

普通車でもスーパービュー 大きな窓に映る夕暮れの海

伊豆急下田 16:07 ---> 新宿 18:57 伊豆急行線、JR伊東線東海道線 特急スーパービュー踊り子10号

再びロープウェイに乗って下田に戻り、最後はスーパービュー踊り子号で東京に帰ります。できれば個室に乗って見たかったのですが3室しかない個室は人気が高く、この日も満室だったので、スタンダードな普通車を予約してあります。

発車時刻が近づいて改札が始まりホームに入ると隣のホームにはロイヤルエクスプレスが停車していました。f:id:nikonikotrain:20201210021714j:plain

 2日間にわたって行ったり来たりして楽しんだ伊豆急行線の景色は何度見ても美しく、特に海沿いの区間では夕暮れの空に浮かぶ伊豆諸島の島影が印象的な眺望が楽しめました。それにしても普通車でもこの大きさの窓、スーパービューの名に恥じぬ車両です。f:id:nikonikotrain:20191208163103j:plain 伊東を出るころには外は暗くなりましたが、少々肌寒くも感じるのは大きな窓から外の冷気が伝わってしまうからでしょうか。やがて暖房が強くなりポカポカしてきましたが、車内の温度調整にはスーパービューゆえの難しさもあるのかもしれません。

いつの間にか眠ってしまい、気がつくともうすぐ横浜に着こうかという頃でした。子供も目覚め、もう一度子供室に行きたいというので連れて行くと、子供室はすでに何組かの家族で賑わっていました。やはり有名観光地へのアクセスを担う列車においてこの設備は子連れにとって大変有難いものです。
18:57に新宿着、伊豆急下田から2時間50分の旅が終わりました。列車は池袋行きなので、少々の停車ののち最後の1駅に歩みを進めるのをホームで見送りました。登場から30年が経ち、いまもなお魅力と楽しさを感じる列車の引退はとても残念ですが、楽しい列車旅の思い出は多くの乗客の胸の中にいつまでも残っていることでしょう。

 

2019年12月

引退迫る特急車両でアクセス 多彩な列車で楽しむ伊豆急行線の旅 【静岡県】(2019年)

風光明媚な景色と温泉、そしてうまいもの。旅の醍醐味の代表格が3拍子揃っていて、東京から列車で2~3時間と旅らしさを感じるにも程よい距離の伊豆は、言わずと知れた人気の観光地です。

伊豆半島には、熱海から半島東部の海岸線をたどり、伊東を経て下田へ至るJR伊東線伊豆急行線と、三島から半島中央部をたどり伊豆市修善寺に至る伊豆箱根鉄道駿豆(すんず)線の2本の鉄道ルートがあります。この2本のルートのうち歴史が古いのは半島中央部ルートで、1898年(明治31年)に開業した豆相鉄道をルーツとした当時の駿豆鉄道が、1924年大正13年)に修善寺までの路線を開業させています。一方の東海岸ルートはというと、1935年(昭和10年)の部分開業から1938年(昭和13年)に伊東までの全線が開業した国鉄伊東線に始まり、伊東から先、下田までの伊豆急行線が開業したのは1961年(昭和36年)のことでした。 

中央部ルートより30年以上も遅れて開通した東海岸ルートの鉄道ですが、海岸線を走る絶景の車窓が楽しめる区間や、網代、伊東、熱川、稲取などの有名温泉地、大室山や城ケ崎海岸といった自然美、河津桜や下田の水仙などの花、数々の観光施設など、魅力あふれる観光スポットを沿線に多く抱えて伊豆観光のメインルートとなり、観光客を意識した車両の導入も積極的に行われています。

そんな観光客向けの人気列車の1つ、特急スーパービュー踊り子が2020年3月に引退することが発表されました。また、普通の踊り子号に使われている緑のストライプの185系車両も遠くない将来後継車両に置き換えられることがアナウンスされており、伊豆アクセスの特急列車は変革の時を迎えています。そこで、これらの特急列車に乗り、合わせて他の多彩で魅力的な伊豆の列車たちを楽しもうと、2019年12月、1泊2日の伊豆旅行に出かけました。

 グリーンのストライプが印象的な185系特急踊り子号

新宿 8:30 ---> 伊東 10:16  JR東海道本線伊東線 特急踊り子161号

 旅のはじまりは新宿 8:30発 特急踊り子161号 伊豆急下田行き。土曜・休日に運転されるこの時刻の列車は、基本的にはスーパービュー踊り子1号として運転されていますが、スーパービューに使われる251系車両が検査など使えないときは、同じ停車駅、同じ時刻で、一般の踊り子号用車両185系を使用した踊り子161号として運転されます。2019年12月は中旬までが185系、下旬が251系での運転予定になっていました。f:id:nikonikotrain:20191207082941j:plainf:id:nikonikotrain:20191207082524j:plain

1981年に登場したこの185系は、緑の斜めストライプの塗装が印象的で、画一的な塗装ばかりだった当時の国鉄車両の中でこの斬新な塗装は驚きをもって迎えられました。一方、車内の設備はというと、座席はリクライニングせず、座面の中心を軸に背もたれを反対側に倒して向きを変える転換クロスシートであり座り心地が悪いこと、保温性と遮音性に優れた固定窓ではなく窓が開く構造であることなどから、特急車両としては格の落ちるものと認識されていました。なぜ居住性を犠牲にしてこのような設備になったのかと言えば、この185系が特急列車としての設備を持ちながらも通勤列車としても使えるようにという相反する使命を盛り込んで開発されたためで、持てる資源を余すことなく活用しようという当時の国鉄の懐事情をうかがい知ることができます。なお、座席はその後換装され、現在はリクライニングでき、座席をまるごと回転させて向きを変える仕組みの回転クロスシートになっています。

車内は40年前の国鉄の雰囲気を残していて懐かしさを覚えます。現代においても居住性が特に悪いとも感じず、まだまだ活躍できそうに思いますが、目に見えないところでは老朽化が進んでいるのかもしれません。

新宿を出た列車は武蔵小杉、横浜と停車して乗客を拾い、我々の乗車している自由席の9号車は半分少々の入りとなりました。横浜を出ると次は熱海まで止まりません。

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小田原を通過し箱根の山から流れてくる早川を渡ると家並みも少なくなり、ミカン畑と相模湾の風景が広がります。今日はあいにくの雨模様ですが、それでもやはり海が見えると子供も喜ぶもので、新宿を出て1時間少々が経過してそろそろ飽きだした頃にこの海の景色は有難いです。
熱海で東海道線から伊東線に入ると単線区間になり、スピードもゆっくりになりました。引き続き海の見える車窓ですが子供の退屈は限界に達し、「もう降りたいー」とぐずり出した頃、下車駅の伊東に到着しました。子供の退屈タイマーとぴったり合った伊東下車の選択は、我ながら良いプランだったと思います。

↓ 伊豆急下田へ向けて伊東を発車する踊り子161号f:id:nikonikotrain:20201210013830j:plain

リゾート21黒船電車で湯けむりの駅へ

伊東  10:57 ---> 伊豆熱川 11:29  伊豆急行線 普通列車リゾート21

伊東は鉄道会社の境界駅です。路線図を見ると1本の路線に見える熱海と下田を結ぶ路線ですが、熱海から伊東までがJR伊東線、伊東から伊豆急下田までが伊豆急行線と別の会社の運営で、運賃や料金も伊東を境に別計算になります。ただ、多くの列車がJRと伊豆急を直通運転しているので、利便性は高いです。

伊豆急行線普通列車にはリゾート21という名物車両があります。運転席うしろには雛壇状に前向きに並んだ座席があり前面の展望が楽しめ、また先頭車のうしろ半分と中間車両には海側を向いたシートもあり、窓いっぱいに広がる海の眺めを楽しめるようになっています。このような観光客が楽しめる設備の車両ながら特別料金は不要、普通乗車券だけで乗ることができる普通列車として運転されています。

リゾート21は、真っ黒い「黒船電車」と赤い「キンメ電車」の2本があります。どちらがどの日にどの列車に充当するかが伊豆急行のウェブサイトで公開されており、この日は踊り子161号のおよそ40分後に走る普通列車が黒船電車で運転されることになっていたので、踊り子から乗り換えることにします。乗り換える普通列車は熱海始発、全車自由席なので始発の熱海で乗り換えたほうが良い座席を確保できる可能性が高まりますが、伊東乗り換えにしたのは翌日乗車するスーパービュー踊り子号のグリーン車指定席を買うため。踊り子号、スーパービュー踊り子号の指定席券はJRのみどりの窓口やネット予約で買うことができますが、JR区間を含まない、伊豆急行線内だけの利用の場合は伊豆急行線内でしか買えず、ネット予約もできません。明日の伊東から伊豆急下田までの伊豆急行線内利用の指定券を買いたかったので、伊東駅でまず明日の指定席を確保しつつ、リゾート21に乗りかえるというプランになりました。

無事希望の指定券が買えたので、駅構内のカフェでコーヒーブレイクをして乗車する普通列車がやってくるまでの時間を過ごします。頃合いを見てホームに出ると、ほどなくして真っ黒なリゾート21黒船電車がやってきました。黒い電車とは珍しいですが、まさに黒船襲来というような迫力。

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乗車すると運よく先頭部展望室の最前列の席が空いていたので、ここから前方の展望を楽しむことにします。運転士さんのすぐ後ろの特等席です。伊豆急行線は全線が単線なので、途中の駅で反対列車と待ち合わせをしますが、どんな列車と行違うのかを楽しむには、やはり最前部が一番。あと3か月ほどで引退予定のスーパービュー踊り子号や、もう1本のリゾート21、キンメ電車など、カラフルな列車たちと行き違いながら伊豆半島を南下して行きます。

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伊東から30分少々の伊豆熱川で下車。ここは海に向かって落ちる細い谷の上にある、トンネルに挟まれた高架駅です。なんといっても圧巻なのが、あちこちで噴き出す温泉の湯けむり。ホームに降りた瞬間から温泉気分満点です。

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電車に乗ってばかりでも飽きそうなので、これから熱川バナナワニ園を見学することにしています。駅を出て歩いていると、ちょうど駅で185系と251系が行き違いしているのが見えました。湯けむりを背に出発する251系スーパービュー踊り子号、芋虫のようなユニークなフォルムが横から見るとひときわ目立ちます。

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熱川バナナワニ園で南国気分のお散歩を

熱川バナナワニ園は駅から徒歩1分、こんなに駅近で便利な観光施設はなかなかありません。さらに、施設の性質上屋根がある部分も多く、今日のような雨模様の日でも見学しやすいのも有難いところ。

昔、バナナワニ園と聞いて、バナナワニというワニがいるのかと思いましたが、バナナ・ワニ園の意味です。なぜこの地で亜熱帯や熱帯地方の動植物を見せる観光施設ができたのかと言えば、豊富な温泉を利用して温水や温室をつくることができるからでしょう。

熱川バナナワニ園は1958年(昭和33年)開園、すでに60年以上の歴史のある施設で、そこかしこに昭和レトロな懐かしさを感じますが、入園券購入にクレジットカードが使えないところまでレトロなのは残念。

入口を入ると水槽とコンクリートの小さな池がいくつも並び、さまざまな種類のワニたちが思い思いに過ごしていました。寒い季節だからか、はたまた昼という時間帯のせいか、ほぼ動かないですが、いろいろな種類のワニたちを次々に眺めることができるのは楽しいです。

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ワニだけではなく、レッサーパンダやフラミンゴ、ゾウガメやマナティなどもいます。

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フラミンゴ足細いなー、と思いながら温室に入ると、フトモモ。f:id:nikonikotrain:20191207125106j:plain

バナナが緑色で鈴なりになっているところとか、カカオの実が幹からぶらさがっているところとか、普段黄色いバナナやチョコレートという最終形として目にする機会が多いものをオリジナルの姿で見ることができるのは面白いです。

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バナナワニ園は本園と分園に分かれていて、シャトルバスで3分ほどで移動することができます。本園を見て分園へ、また本園に戻って見ていない残りの部分を、と思っていたら次に乗る列車の時間が迫っていたので、残りを大急ぎで見学して駅に向かいました。こういうときにも、駅近のロケーションというのは助かります。最後は慌ただしくなってしまいましたが、南国の動植物をたくさん見ることができ、子供も大満足でした。我が家は1時間半少々の滞在でしたが、ゆっくり見るには2時間くらい時間をとったほうがよさそうです。

 熱川バナナワニ園 (bananawani.jp)

リゾート21キンメ電車 車窓に広がる大海原の絶景

伊豆熱川  13:26 ---> 伊豆急下田 13:57  伊豆急行線 普通列車リゾート21

 熱川バナナワニ園を楽しんだ後はふたたびリゾート21に乗って伊豆急行線の終点、伊豆急下田を目指します。先ほどと同じリゾート21ですが、今度乗るのはキンメ電車。基本的に黒船電車と同じ造りですが、製造時期が違うので細かな仕様が違っていたりもします。

海を見渡す片瀬白田では185系踊り子と交換。ここからは海岸線を走るので、海向きのシートに移動して窓いっぱいに広がる海の景色を楽しもうと思います。f:id:nikonikotrain:20191207133234j:plain

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あいにくの空模様が残念ですが、雄大な海の眺めは心躍るものです。

河津桜で有名な河津を過ぎ、伊豆急行線でいちばん長い谷津トンネル(2796m)をくぐった先にある稲梓は山の中の風情の小さな駅。ここでふたたび185系踊り子号と行き違います。展望室の大きな窓に映る緑ストライプは印象的。
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海向きシートの部分の車内はこのようなつくりになっています。海側は大きな連続窓、山側は座席に合わせた個別の窓、車両の左右で窓の形が違うのがリゾート21の特徴。外観の塗装も、かつては海側が赤、山側が青と、違った色でした。リゾート21の最初の車両が登場したのは1985年。とにかく当時の既成概念を打ち破ろうという気概を持って作られた意欲的な車両であることがわかります。

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 伊豆熱川からおよそ30分で終点の伊豆急下田に到着です。隣のホームと奥の留置線に251系が並んでいました。いまではもう見られなくなってしまった貴重なシーン。f:id:nikonikotrain:20201210014631j:plain

リゾート21|伊豆急-おすすめ電車旅<観光・海・リゾート・温泉> (izukyu.co.jp)

 伊豆急下田では、駅構内にある居酒屋で遅いランチ。キンメ電車を降りたら、やっぱりキンメでしょう。

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 食事を終えてホームを見ると、並んでいる列車の顔ぶれがすっかり変わっていました。1番線には185系踊り子号、2番線に8000系普通列車、そして3番線に651系伊豆クレイル。この時からわずか1か月半後の2020年1月30日、伊豆クレイルが2020年6月をもって引退することが発表されてびっくりです。

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角度を変えると留置線に止まっている251系や185系の姿もわずかに見えます。ここに並ぶ5本の列車のうち4本は2020年~2021年にかけて引退し、2021年4月以降も姿を見ることができるのは2番線の8000系だけになる見込みです。この8000系はもともと東急の車両でしたが伊豆急に譲渡されたもので、伊豆急のウェブサイトによれば新造は昭和45年(1970年)11月からとのこと、つまりここに見える5本の列車のうち、いちばん最後まで活躍する予定なのが一番古い車両とは、人生はわからないものです。f:id:nikonikotrain:20201212002502j:plain

駅を出て裏手に回ってみると留置線に停まる車両がよく見えました。一番右の伊豆クレイルの顔が見えないのが残念ですが、引退予定の車両たちが並んだ貴重なシーンです。

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ピンクゴールドの車体が優美な651系快速伊豆クレイル

伊豆急下田  15:20 ---> 伊豆高原 16:01  伊豆急行線 快速伊豆クレイル

本日の宿は伊豆高原にとってあります。 伊豆急下田から伊豆高原まで乗車する本日のラストランナーは、快速伊豆クレイル号小田原行き。

伊豆クレイルは2016年7月に登場した観光列車で、クレイルとは、イタリア語で大人を意味する cresciutoと、train、接尾辞 ile を組み合わせた造語 CRAILEに、クールのC、レール RAIL、エレガントのE という意味を持たせています。その名のとおりクールでエレガントな大人のリゾート列車というコンセプトで開発され、外観のピンクゴールドのアクセントカラーと、桜、海風、さざなみをイメージしたという唐草模様のような模様から、大人の女性をメインターゲットにしていることが感じられます。

4両編成で構成され、1号車は海向きシートとボックス席、2号車は売店とフリースペース、3号車はコンパートメント席、4号車が普通の特急列車のような回転式リクライニングシートと、すべての車両が違うつくりになっています。1号車と3号車は景色を見ながら食事を楽しむ 旅行商品として食事と乗車のセット販売だけですが、4号車はグリーン車指定券を取れば乗りたい区間だけ乗ることができます。  

 車両はもともと上野~いわき~仙台を結ぶ常磐線の特急スーパーひたちとして誕生した651系車両です。常磐線の特急が新型車両に置き換わったことで、余剰となった車両4両1本が改装され、伊豆クレイルとしてデビューしたわけですが、改装からまだ3年半ほどしか経っておらず、まさかもう引退とは、夢にも思いませんでした。

251系スーパービュー踊り子は1990年運転開始、651系スーパーひたちは1988年運転開始、世の中がバブルに沸き、列車名も「スーパー」がつくとおしゃれでかっこいいと思われていた時代に生まれた同世代の車両が並びます。

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 駅員さんがボードをもってお出迎えをしてくれていたり、子供が駅長さんの帽子をお借りして車両の前で記念写真を撮らせていただけたり、乗る前から楽しい気分になります。

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観光協会や駅員さんにお見送りされ、伊豆クレイル伊豆急下田を発車しました。今回は40分程度の短い乗車時間ですので、さっそく2号車の売店に向かい、営業開始と同時に買い物をします。子供はアイスクリーム、私は冷凍ミカンサワー、奥さんは赤ワイン。
売店の前はラウンジスペースで、旅館のロビーのような2人掛けの椅子が4脚置かれており、売店で買ったものを飲食できるようになっています。f:id:nikonikotrain:20191207152418j:plain

 海沿いの区間にさしかかると一時停車のサービスもあり、ゆっくり海を眺めることができます。せっかくの景色、重ね重ね、天候が残念・・・。

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このラウンジではミニコンサートが行われることになっており、海の見える区間を過ぎてしばらくすると女性シンガーの方がアコースティックギターを持って準備を始められました。普段は同じ静岡県内を中心に活躍されている方だそうです。ミニコンサートは伊豆高原を過ぎたら開始とのことでしたが、我々は伊豆高原で降りる予定なので残念です・・・、というお話をしていたら、少しスタートを早め、この時期らしくクリスマスソングを披露して下さいました。子供も手拍子をしながら喜んで聴いています。ちょうど1曲が終わったところで伊豆高原に到着、お心遣いに感謝しつつ、列車を降りました。短い区間ながら楽しいひとときを過ごせた伊豆クレイルの旅、今度は食事つきプランでゆっくり乗ってみたいな、と思いましたが、まさかの引退でそれが叶わなかったのはとても残念です。

 

2019年12月 乗車

子連れも安心の個室寝台 寝台特急「サンライズ出雲」の旅 【東京~出雲市】(2020年) 

 かつて日本の夜の移動を支え、大都市と地方都市を結び数多く走っていた寝台列車も1990年代ごろから相次いで廃止されてゆき、現在走る毎日運転の夜行列車はサンライズ瀬戸・出雲だけとなりました。
サンライズ瀬戸は東京~高松(香川県)、サンライズ出雲は東京~出雲市島根県)を結ぶ列車で、走行区間が重複する東京~岡山では瀬戸と出雲が連結されて1本の列車として走ります。サンライズに使用されるのは2階建て、個室寝台の設備を中心とした専用の285系という車両で、1998年に誕生しました。寝台列車といえば青い客車の「ブルートレイン」、というイメージを持つ世代にとっては、サンライズは「新しい寝台列車」という印象でしたが、気がつけばもう登場から20年以上も経っています。もうすぐ老朽化で廃止、という程の経年でもないですが、乗ろうと思っているうちに廃止が決まってしまった、という日が突然訪れるかも知れないことを覚悟しておいたほうが良いような車齢にさしかかってきているようにも思えます。

子供に寝台列車の旅を経験させたいと思い(半分は自分が乗りたいという気持ちがあり)、せっかくなので運転時間が長いサンライズ出雲に乗ってみようと、島根県への旅行の計画を立てました。

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個室寝台?ノビノビ座席?利用する設備を決める

サンライズに乗ろうと決めましたが、まず悩んだのがどの設備を利用するかです。
サンライズ瀬戸・出雲は各7両編成で、個室寝台の車両が6両、ノビノビ座席と呼ばれるカーペット敷きで横になれるスペースの指定席の車両が1両で構成されています(ノビノビ座席の車両にも2室だけ個室寝台もあり)。

サンライズの設備の種類と席数・部屋数

(瀬戸、出雲単独としての数。瀬戸と出雲が連結されている東京~岡山では下記の倍の数になります)

 ノビノビ座席(普通車指定席の開放型カーペット敷スペース)・・・28席

ソロ(B寝台 1人用個室)・・・20室

シングル(B寝台 1人用個室)・・・80室*

シングルツイン(B寝台 1人用個室。補助ベッド使用で2人利用も可)・・・8室*

サンライズツイン(B寝台 2人用個室)・・・4室* 

シングルデラックス(A寝台 1人用個室)・・・6室*   

*このうち、シングル20室、シングルツイン3室、サンライズツイン2室、シングルデラックス3室は喫煙可。

A寝台、B寝台というのは設備のクラスで、座席車に例えればA寝台がグリーン車、B寝台が普通車に相当します。 

 今回は大人2人、未就学児2人での利用ですが、初めての寝台列車に子供がはしゃぐであろうことも考えると、オープンスペースであるノビノビ座席ではなく個室寝台を確保したいところ。寝台の利用については大人1人につき子供(小学生や未就学児)1人の添い寝が認められていて、この場合未就学児の費用はかかりません。しかしながら、未就学児だけで寝台を使用する場合は、子供運賃と子供特急料金(それぞれ大人の半額)、そして寝台料金(大人と同額)が必要になります。電車に乗るときは未就学児は無料、と考えがちですが、未就学児だけで乗る場合や、未就学児が指定席や寝台を個別に利用する場合は、該当する指定席券や寝台券などと共に、乗車券や特急券も必要な点が要注意です。(乗車券、特急券、指定席券は子供料金。寝台券、グリーン券は子供料金の設定がないので、大人と同額)

コスト負担は大きくなりますが、利用時間が長いことを考えると、多少寝台のサイズが大きいA寝台で添い寝させるか、B寝台利用ならば子供1人分の寝台を確保し、子供ひとりを添い寝としたほうがよさそうです。子供だけで1人用個室を利用させるのも不安があるので、A寝台か2人用B寝台を狙いたいところ。ですがこれらの部屋はもともと数が少ないうえ、その半分はなんと今どき喫煙室という状況で、禁煙室希望だとさらに倍率が上がってしまいます。

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週末の下り列車のチケットは特に競争率が高そう

東京行きの上り列車だと東京着は朝7:08、朝起きてすぐ列車を降りなければならないので乗車するのはできれば下り列車、それも週末の旅行に合わせた金曜か土曜の夜の東京発としたいと思います。日程はサンライズの予約が取れる日に合わせて組もうと思い、みどりの窓口に行ってその時点で発売中の週末発の列車の空席状況を聞いてみると、ほぼ満席か、空いていてもシングルが何室か、という状況でした。

出発直前(払い戻し手数料が上がる出発前日の前日、つまり出発2日前)にキャンセルが出ることも多いという話もあるので、水曜、木曜にみどりの窓口で直後の金曜、土曜発の空席を聞いてみるも、空席状況にほとんど変化はなく、残念ながら空振りに終わりました。窓口の方によれば、やはり週末の下り便は非常に人気があるそうで、ましてや私の希望する数の少ない部屋は特に予約が難しいとのこと。これは発売日に買うしかない!と、次に発売される金曜発の便の発売日に窓口に並ぶことにしました。

発売日の朝10時にみどりの窓口に並んでみたものの・・・

JRの指定席券、寝台券は、乗車の1か月前の朝10時から発売されます。朝9時30分すぎにみどりの窓口に行くと長蛇の列でしたが、並んでいるうちに10時近くになるだろう、と思いながら並んでいると、思いのほか列は進まず、事もあろうにあと少しで順番が回ってくるというところで10時を迎えてしまいました。これは大失敗です。やっと順番になり窓口で空席を見てもらいましたが、A寝台シングルデラックスは喫煙なら1室空きあり、B寝台サンライズツインもシングルツインも満室、シングルならまだ空きあり、という状況でした。発売開始から5分も経たっていないのにこの売れ行きです。喫煙のシングルデラックスには迷いましたが、個室なので自室で喫煙しなければ禁煙室と変わらないのかもしれない反面、残り香があったり、隣室のドアの開閉や空調の関係で匂いがこちらの部屋にも入ってくるかもしれず、 やはり子連れであり、車内で過ごす時間が長いことを考え、あきらめることにしました。

明日も朝から窓口に並ぶか・・・と思いながら、念のためその夜に再び窓口に寄ってみると、なんと朝は満席だったシングルツイン、しかも禁煙室に空きが!シングルもまだ何室か空きがあったので、あわせて予約をお願いし、無事にシングルツイン1室とシングル1室が確保できました。発売直後は空いていなかったのに、どういう事情で夜になったら空きが出ていたのかはわかりませんが、これでもう窓口に並ばずに済むと思うと一安心です。

サンライズ出雲に乗る 

食料の用意とシャワーカードの購入

寝台券を購入してから1か月、今か今かと待ち焦がれた乗車の日がやってきました。
サンライズ瀬戸・出雲は東京駅の9番線ホームから22:00に発車します。車内販売が無いので翌朝の朝食の調達をどうするかが課題ですが、瀬戸と出雲を切り離す岡山駅のホーム売店で駅弁が買えるようです。ただ、岡山で起きられなかったり、販売量が少なくて売り切れてしまっていたりすることもあるかもしれないので、念のため東京駅で駅弁を買っておこうかと店を覗いてみると、弁当は何種類かありましたが賞味期限が明日の未明までになっていました。冬の車内は暖房で暑いことも多いですし、ここは駅弁はあきらめ、常温保存の効くパンなどを買うことにします。ついでにビールとおつまみも仕入れます。
列車は21:35頃にホームに入線してきました。しばらくするとドアが開き車内に入れるようになりますが、まずは自分の寝台の車両ではなく11号車に乗り込みます。サンライズには瀬戸号の3号車と出雲号の10号車にB寝台、ノビノビ座席の利用客用のシャワールームがついており330円のシャワーカードを購入すれば利用できますが、枚数に限りがあり、売り切れてしまえばシャワーの利用はできません。この日は子供たちと奥さんは家でお風呂を済ませてきましたが、私は朝から出かけていて家に帰る時間はなく、なんとしてもサンライズでシャワーに入りたかったのです。シャワーカードを販売している10号車のミニロビーに近い11号車のドアから乗りこむとカード販売機の前にはすでに列ができていましたが、無事シャワーカードを購入できました。
なお、A寝台シングルデラックス利用時は別途シャワーカードを購入しなくてもA寝台専用のシャワーが利用できます。

コンパクトながら快適な個室 設計には住宅メーカーが参画

食料、シャワーカードを手にすれば、あとは寝台列車の旅を楽しむだけです。今回利用するのはB個室寝台シングルツインとシングル。シングルツインとは妙な名前ですが、1人用個室なので1人利用の料金が設定されているけど、補助ベッドの利用料を払えば2人でも使えますよ、という部屋です。下の写真でいうと、車両のドアのすぐ横の窓の部分が上下2枚の窓でシングルツイン1部屋、その向こうの上下の間隔が広がった窓の部分が窓1つでシングル1部屋になっています。シングルツインの部分は平屋建てですが、部屋の前の廊下に上に行く階段と下に行く階段があって、その先は2階建てになっていて、それぞれの階にシングルの部屋のドアがならんでいるという構造です。f:id:nikonikotrain:20201128005718j:plain

シングルツインは部屋のドアを開けるとすぐ上下2段のベッドがあり、それぞれに大きな窓があります。ドアを入ってすぐ横に棚を兼ねた階段があり上段寝台へのアクセスとなります。棚の部分にはコンセントが1口ついています。
この上下2段のベッドという部屋のつくりが、せまっこい秘密基地が大好きな子供心をくすぐり、喜んで上へ下へと遊び始めますが、走行中は揺れるので転落事故のないよう気をつけなければ。

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シングルは今回は2階部分の部屋でしたが、湾曲した大きな窓が解放感を与えてくれ、狭さを感じさせません。鏡と小さなテーブルもついています。 

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 個室内はどちらもぬくもりを感じる落ち着いた雰囲気。木の風合いのある内装素材は木粉を多く混ぜこんだM-Woodという樹脂製だそうです。サンライズの設計、製造には住宅メーカーであるミサワホームが携わっており、この個室の居住性の高さはプロの仕事の賜物かと納得しました。

ひとしきり部屋でゆっくりした後はシャワーを浴びに10号車へ。幸いなことに使用中の方も待っている方もおらず、すぐに使用することができました。脱衣場もシャワー室もなかなか広く清潔で、床がびちゃびちゃ濡れているようなこともありませんでした。シャンプーやボディソープ、ドライヤーも備え付けられていますが、タオルは自分で持参する必要があります。
シャワーカードを読み取り機に入れると、6分間のお湯利用ができます。壁には残り時間のカウントダウンの表示がついていて、お湯を出すとカウントが進み、お湯を止めるとカウントも止まります。実際に使ってみると6分はなかなか充分な時間で、シャワーを浴び終えたとき、2分ほど余っていました。
シャワー室を利用したあとは「洗浄ボタン」を押すように案内されているので押してみると、シャワー室内に強い風が吹いているのが聞こえ、脱衣場にもその風が入ってきました。なるほど、これで室内を洗浄、乾燥させ、次の利用者も快適にシャワーが利用できるようになっているというわけです。

岡山駅で朝食の駅弁を購入し、列車の切り離し作業を見学

シャワーから戻り、部屋の明かりを落として、過ぎ行く夜の景色をぼんやりと眺めます。これこそ寝台列車の醍醐味、と、ついついいつまでも眺めてしまいますが、東京を出て3時間少々、浜松を出たところでさすがにもう眠ることにしました。

車内放送の声で目が覚めました。滋賀県内の濃霧の影響で遅れが発生しており、岡山で接続する予定の新幹線に接続できなくなってしまうので、新幹線に乗り継ぐ人は姫路で乗り換えてください、とのこと。さて今どこにいるのだろう、と窓の外をしばらく見ていると、ちょうど大阪に着くところでした。再びウトウトしたり、夜が明けて行く窓の外の景色を眺めたりしているうちに、定刻より30分ほど遅れて岡山に到着しました。

岡山では切り離しのため瀬戸号は4分、出雲号は7分の停車時間があります。この列車は遅れているので予定よりも短い停車時間になるかもしれませんが、出雲号は瀬戸号の後ろに連結されているため瀬戸号が発車しない限りは出雲号も発車できません。瀬戸号が発車したら車内に戻ればよく、時間の余裕があるはずなので、コートを羽織ってホームに降り、ホーム売店で朝食用の駅弁を購入してから列車の切り離し作業を見学しました。

f:id:nikonikotrain:20201128233337j:plain四国へ向かうサンライズ瀬戸号を切り離し、身軽になったサンライズ出雲号。f:id:nikonikotrain:20201128005757j:plain

カーブを繰り返し中国山地を越える

岡山の次の停車駅、倉敷を出ると、列車はこれまで走っていた山陽本線を離れ、伯備線という路線に入ります。伯備線伯耆国鳥取県)と備前国岡山県)を結ぶことから名づけられた、太平洋側と日本海側を結ぶ山越えの路線です。川に沿って走る山越えの路線とあってカーブも多く、いままでとは乗り心地も走る速度も変わってきました。
列車は川に沿って右に左にカーブを繰り返して徐々に高度を上げ、峠を越えるとまた川に沿ってクネクネ曲がりながら山を下りて行きます。途中の単線区間の駅では対向列車との待ち合わせをし、小さな駅周辺の古い家並みや川の流れを眺め、のんびりとした朝の時間が過ぎて行きます。カーブを曲がる列車の先頭部が見通せるところもあり、なかなかの急カーブであることを感じさせます。

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 やがて景色が開けてくると山陰を代表する名峰、大山(だいせん)が見え、鳥取県の米子に到着、中国山地を越えて日本海側にやってきました。車庫には黄色やオレンジに塗られた国鉄時代から活躍する車両たちが止まっているのが見えます。f:id:nikonikotrain:20201128005415j:plain

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窓いっぱいに広がる宍道湖を眺め、終着の出雲市

米子を出ると終点の出雲市までは残り1時間弱、ラストスパートに入ります。島根県の県庁所在地松江を出てしばらくすると、右窓いっぱいに宍道湖の穏やかな湖面が広がりました。あいにくの曇り空なのが残念ですが、サンライズ出雲の旅のラストを飾る美しい眺めです。f:id:nikonikotrain:20201128005425j:plain

定刻よりも1時間少々遅れ、11時05分ごろ、終着の出雲市に到着。通常よりも1時間も長く寝台列車の旅を楽しめたのはラッキーなことでした。

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 東京を出発して13時間という長い時間を過ごした列車、別れが名残惜しいです。

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子供にとっても寝台列車の旅は大変思い出深いものになったようでした。寝台の種類や利用する日によっては予約が難しかったりもしますが、毎日運転されいつでも乗れる寝台列車が走っているというのはとても貴重なこと。かけがえのない旅の思い出を作ってくれるサンライズ瀬戸・出雲が少しでも長く活躍してくれることを願ってやみません。

 

2020年2月 乗車

 

サンライズ瀬戸・出雲:JRおでかけネット (jr-odekake.net)

寝台券:JR東日本 (jreast.co.jp)

 

紅葉の登山道と山頂からの雄大な富士山 アクセス良し、眺望良しの高川山に登る【高川山(標高976m)/山梨県】(2019年)

今年の秋は杓子山に出かけましたが、昨年もその近くで紅葉と富士山を楽しむ山歩きをしていました。今回は昨年の高川山登山についてご紹介したいと思います。

 

秋も深まり、紅葉前線も次第に里へと下りてきた11月末、手軽に列車でアクセスできる山を歩いて紅葉を楽しみたいけど、高尾山のような超有名な山は大混雑が予想されるので敬遠したい、というわがままを聞いてくれる山はないかとリサーチし見つけた高川山大月駅までは新宿から特急で1時間、その隣の初狩駅から登って1時間半ほどで頂上に到達できるというアクセスの良さ、そして山頂からは雄大な富士山が眺められるという景色の良さから、この高川山に登ってみることにしました。

コースを考えていて気になったのが、頂上への最短距離となる初狩駅からの登山だと、山の北側斜面からのアプローチになるということです。日も低くなったこの季節、まだ体も温まりきらない朝から日当たりのない山道を延々歩くのは、気分的にも少し抵抗があります。そこで、当初は下山ルートとして考えていた大月駅からの尾根をたどり、高川山山頂を目指すことにしました。

新宿8:14発 JR中央本線 特急かいじ55号で出発。アクセスが良いので少しゆっくり目のスタートです。大月には9:19着。駅を出て駅正面の道を100mほど進むと国道20号線に出ますが、その角にデイリーヤマザキがあり、ここが登山口までの最後のコンビニとなるので、飲み物やお菓子などを追加補給しました。そこから国道20号線甲府方面に大月の街の中を10分ほど歩き、桂川を橋で渡ったところで川に沿って左折、すぐに目に入る大月中央病院を過ぎたあたりで小さな案内看板に従い細い道を右折して住宅街に入り少し歩くと、民家の庭先のようなところから登山道が始まっていました。大月駅からここまで1.5㎞、20分ほど。

まず最初に目指すのがむすび山と呼ばれるピークですが、登山口からはものの10分ほどで到達できました。むすび山に登る途中、木々の間から見えた北側の山々の山肌は少し枯色が多いかなという感じで、高いところには雪らしき白いものも見えます。もう冬はすぐそこまで近づいています。f:id:nikonikotrain:20201124005348j:plain

むすび山はベンチがおいてあり、手軽に訪れることができる、市民憩いの展望台といった感じの場所でした。木々の間からは大月市街や富士山を見ることができます。

ここからは尾根筋をたどって歩きます。色づいた葉が秋の陽に照らされ輝いていて、とても気持ちのいいハイキングです。時折木々の隙間から富士山も見えました。

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木によってはまだ緑の葉が多いものもありますが、それがまた変化のあるグラデーションを作り出していて良いものです。

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陽の光に輝く葉と枝葉がつくる陰が見事な紅葉の世界、上を見ても下を見ても万華鏡のような美しさ。このコースを選んでよかった!

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目には鮮やかな風景が広がっていますが耳は静寂というわけではなく、意外にも車や列車の走る音が聞こえてきます。それもそのはず、右の斜面下には中央高速と国道20号線JR中央本線が、左の斜面下には国道139号線と富士急行線が走っていて、特に道路はどれも交通量が多いです。ちょうど木々の向こうを中央本線の特急が通過して行くのが見えました。f:id:nikonikotrain:20201124005529j:plain道は小さなアップダウンを繰り返し、林は相変わらずいろどり豊かで、歩いていて楽しいコースが続きます。

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むすび山の登山口から1時間ほど歩くと、見晴らしのいい場所に出ました。眼下に右から左に弧を描くのは中央高速の河口湖線で、さきほど右斜面下を走っていた中央高速の本線から分岐し河口湖を目指す支線です。このハイキングコースの下をトンネルで抜けて来ました。高速道路をまたぐアーチ橋はリニア実験線で、橋の右側のたもとあたりにはリニア見学センターがあります。f:id:nikonikotrain:20201124005604j:plain

大月方面の眺め。すぐ目の前のピークは菊花山でしょうか。この山の左側の稜線の向こう側あたりに大月駅があるはずです。f:id:nikonikotrain:20201124005614j:plain先ほどの見晴らしポイントから少し歩くと、山の向こうに顔を出す富士山が見えました。今回のコースではところどころで富士山がチラリと見えますが、全体像を拝むのは高川山山頂までおあずけです。がんばって山頂までたどり着こうというモチベーションを高める効果のある、いい演出だと思います。

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これから進む方向の稜線がけっこうな登り斜面になっているのが見えます。見なかったことにして目の前の楓の色づきに「きれいだなー」とつぶやいてみます。

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見なかったことにしても、歩いていればやがて道は急な登り坂になり、斜面に這わされたトラロープを伝って登ったところで小休止。少し標高が上がったからか楓が真っ赤に色づいていて、そこにスポットライトのように陽光があたり、目をみはる美しさ。

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その先も林の中をゴロゴロと岩が転がる急斜面を登り、ふと見えた下界の景色にけっこう高くまで登ってきたなあと感じつつ、さらに林の中を霜柱の残る急坂を登って行くと、13:20、とうとう頂上に到着!ゆっくり歩いて、大月駅からおよそ4時間の道のりでした。

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山頂からの富士山の眺めは雄大です!f:id:nikonikotrain:20201124005215j:plainf:id:nikonikotrain:20201124005219j:plain

東の方角には紅葉の山々が連なっているのが見えます。写真右側、向こうの山からこちらの山に田園を跨いでいる高架橋はリニア実験線です。f:id:nikonikotrain:20201124005229j:plain

山頂では昼食を食べコーヒーを飲み、1時間少々の休憩をとりました。富士山を照らす太陽の光の逆光具合も少し強くなってきたような感じがします。この日は幸いこの時間でも富士山は雲に隠れることなく姿を見せてくれていましたが、富士山は朝方は見えていたけどお昼には雲の中、ということも多いので、その意味では大月から長い時間歩いて山頂を目指すよりも、初狩駅からスタートして短時間で一気に登ってしまったほうが、富士山が雲に隠れてしまうリスクを回避できる可能性は高いのかもしれません。f:id:nikonikotrain:20201124005254j:plain

山頂の居心地が良すぎてつい長居をしてしまいましたが、富士急行線禾生かせい)駅を目指して下山します。林の中を下山していると秋の短い日はすっかり山に隠れ、寒々とした日陰を歩くこととなりました。やがて里に下りてくると、夕日に照らされ陰影のついた山肌が、秋の夕暮れらしさを感じさせてくれる風景が広がっていました。f:id:nikonikotrain:20201124005259j:plain

夕日を受けシルエットとなった富士山。やはり山頂から見るのとは視点が違い、今はもう里から見上げるという感じの見え方です。
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西日に輝く紅葉の山肌。f:id:nikonikotrain:20201124005325j:plain

山頂から2時間弱で禾生駅に到着。ここからは富士急行線の河口湖行き列車に乗って2駅先の都留市駅に向かい、駅前の「寄り道の湯」という温泉施設で汗を流します。

都留市に停車する河口湖行き。もと山手線の車両で、山手線を引退した後は京葉線で活躍し、ここが第3の職場です。ホームの柵の外の黄色いトゲトゲに「ここを歩くな」の強いメッセージ性を感じます。f:id:nikonikotrain:20201124005336j:plain

 下り河口湖行きと上りJR直通特急富士回遊号の行き違い。特急は都留市を通過してしまいますが、見たところ行楽帰りの乗客で満員でした。f:id:nikonikotrain:20201124005342j:plain

温泉ですっきりした後は、電車で大月に出て駅近くの居酒屋でビールとつまみ、シメにほうとう。登山で消費したカロリーを補給(?)し、大月20:38発 特急かいじ24号で帰途につきました。

 

新宿から特急で1時間の大月駅からスタートできるアクセスの良さ、彩豊かな紅葉の林の中のハイキングから、ロープを伝って急坂を登る登山らしさもありつつ到達した山頂からの富士山の絶景、そして下山後の駅近温泉。高川山は、訪れやすくも、山歩きの楽しさを存分に感じられる、素敵な山でした。 

 

2019年11月30日

 

<徒歩>

大月駅 ---> 高川山山頂 約4時間

高川山山頂 ---> 禾生駅  約2時間

 計 約6時間 (コース上での小休憩含む。山頂での大休憩は含まず)

 

<温泉> 

【公式】山梨泊まれる温泉より道の湯 (yorimichinoyu.jp)

 

<交通機関利用>

新宿 8:14 ---> 大月 9:19 JR中央本線特急かいじ55号 

乗車券1,342円 特急券920円(チケットレス割引) 

禾生 ---> 都留市  富士急行線普通 5分 乗車券224円

都留市 ---> 大月 富士急行線普通 20分 乗車券468円

大月 20:38 ---> 新宿 21:39 JR中央本線特急かいじ24号 

乗車券1,342円 特急券920円(チケットレス割引) 

 計 5,216円

* 土曜・休日の利用なら、大月までのJR線乗車券は、利用開始駅によっては休日お出かけパス(2,720円)利用がお得。(利用開始駅が休日お出かけパスの乗り放題エリア内で、利用開始駅から大月駅の片道運賃が1,360円以上の場合)休日お出かけパス利用でも、特急に乗るときは特急券を別途購入要。

おトクなきっぷ:JR東日本 (jreast.co.jp)

 

<注意>

・最新の公共交通機関の時刻、運賃は、最新の時刻表等でご確認ください。

・山歩きのルート、コースは最新の情報をもとに充分ご検討の上、各自に合ったプランを立ててください。

・山歩きをされる際には必ず充分な装備と最新の地図を持参してください。