そこに線路があるかぎり

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超高速な羽ばたきが生む音と風 ハチドリの楽園で小さな鳥に癒される【セント・ジョセフ/トリニダード・トバゴ】(2018年)

ハチドリはトリニダード・トバゴのひとつの象徴ともいえる存在感の鳥で、国章や紙幣、国営航空会社であるカリビアン航空の機体などにもデザインされています。かわいらしい小さな鳥で、高速で羽をはばたかせ、ホバリングしながら花の蜜を吸う姿は、他の鳥とは一線を画す独特のものです。そんなハチドリを手軽に観察することができる Yerettêという施設を訪れました。

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ハチドリの仲間は世界でいちばん小さな鳥

ハチドリの仲間は350種以上いるそうですが、その中で最も小さいマメハチドリは、体重1.6~2g、体長4~6㎝ほどという小ささで、世界最小の鳥なのだそうです。ハチドリという名前は、羽音が蜂に似ていることからつけられたそうですが、その蜂の中でも日本最大のオオスズメバチの女王蜂は体長40-55㎜とのことなので、まさにマメハチドリはオオスズメバチと同じくらいの大きさということになります。マメハチドリはキューバに生息するそうですが、ぜひ見てみたいものです。

超高速の羽ばたきは1秒間に50回以上

ハチドリは英語でハミングバード( Hummingbird ) と言います。日本語でも英語でも、名前の由来となっているのは、その羽音。飛んでいるときのブーンという羽の音は、おおよそ鳥の飛翔の音とは思えず、確かに蜂の羽音や、ハミング(と言っても、高音で軽やかな曲を奏でるのではなく、低音で草刈り機のような音を出す感じですが)のよう。
この羽音がなぜ鳴るのかといえばハチドリが超高速で羽ばたいているからで、その羽ばたきの回数は1秒間に50回以上とのこと。この羽ばたきでホバリングし、空中で静止した状態で長いくちばしを花につっこみ、花の蜜を吸うのがハチドリの食事ですが、やはりそれだけの運動をするための心肺機能や代謝機能は大変優れていて、心拍数は1分間に約1260回、摂取した糖分を100%エネルギーに変える代謝機能が備わっているそうです。

ハチドリの楽園で思う存分ハチドリを見る

トリニダード島北部の山の中にあるYerettêは、庭で餌付けしてハチドリを集め、観光客を招き入れている個人の邸宅でした。ポートオブスペインの町から東へ伸びる幹線道路を走り北に折れると、緑の山に挟まれた渓流沿いの道になりました。途中で左に折れて斜面を上がる細い道を進んで行くと、その道の突き当りの家がYerettêでした。ポートオブスペインからも30分ほどで来ることができる近さです。

ここは完全予約制なので、事前に予約を済ませてあります。ウェブサイトに書かれていたアドレスにメールを送ると、予約OKの旨と道順が書かれた返信がありました。
予約時間は11:30だったのですが1時間くらい早く着いてしまい、予約時間まで近くの山でも散歩してみようかとも思いましたが念のため家の中に声をかけてみると、どうぞ中で待っていて、と、快く入れて頂きました。
玄関を入ると軒下に椅子が並べられ、軒先やきれいに整備された庭には蜜がたっぷり入った給餌器が吊るされていて、そこでは小さな体にカラフルな模様、ホバリングしながら蜜を舐め、ものすごいスピードで縦横無尽に飛びまわるたくさんのハチドリたちが出迎えてくれました。

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ハチドリたちの飛び回る姿に、ズームができて高速でシャッターが切れるカメラでしっかり写真を撮りたくなりますが、あいにく手元にはスマホのカメラしかないのが残念なところ。。。それでも頑張って撮影に挑みます。

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近づくとあっという間に飛び去ってしまいますが、そのままじっと待っていると、やがて警戒心が解けたのか、また戻ってくるようになりました。ブンブン鳴る羽音を耳元で聞き、超高速のはばたきが送る風を顔に浴びるのは、なかなかできない体験です。

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必ずしもホバリングしながら蜜を吸うというわけではなく、着地して落ち着いて飲んでいる鳥もいます。

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やがて空模様が怪しくなり、さっきまでの青空が嘘のように強い雨が降りだしました。

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雨はすぐに弱くなりました。雨の間はどこに隠れていたのか、姿の見えなかったハチドリたちも再び元気に活動を開始します。

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思う存分ハチドリたちの観察を楽しんだところで予約時間となり、私たちの他に2組の観光客がやってきました。参加者がそろったところで軒下のテラスの椅子で、オーナーの講義が始まります。日本人も時々来るようで、私が日本人とわかると「日本ではハミングバードのことをビーバードと言うんだろう?」と言われました。Bee Bird、すなわちハチドリです。
トリニダードトバゴの歴史や文化、ハチドリについてなど、オーナーのお話は興味深く為になりますが、すでに充分ハチドリを楽しませていただいた私たちはともかく、時間通りにやってきた人たちはハチドリ観察の前にこの講義が始まっており、すぐ頭の上でチュンチュンブンブン飛んでいるハチドリを早く見たそうで、オーナーの話にはどこか気も漫ろな様子でした。
オーナーのお話はたっぷり1時間続き、そこで軽いランチと自由観察タイムになりました。早く見たくてウズウズしていた2組のお客さんも、やっと鳥を見られて嬉しそうです。
軽いランチはスープとサラダとパン。美しい庭と山並みを見ながらのテラスでのランチは、味も雰囲気も最高でした。

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ランチが終わると参加者一同は家の中に招かれ、DVDを見ながらオーナーのハチドリ講義が1時間。話好きで博識なハチドリおじさんのトークはとどまるところを知らず、気づけばもう15時、終了の時刻です。ここでお金を払い、解散となりました。料金はTTD150 or USD25で、現金での支払いです。すでに4時間半この家に居させていただいていますが、あっという間に時間が過ぎて行きました。(正規の見学時間は11:30から15:00の3時間半です)

山の中の自然に囲まれた家と、よく手入れされた庭と美しい景色、そしてフレンドリーで温かいオーナー夫妻。なんとも落ち着く、居心地の良い環境でハチドリたちを思う存分眺めるのは、最高の癒しのひとときでした。

 

トリニダード・トバゴの国営航空会社、カリビアン航空の尾翼にはハチドリが大きく描かれています。

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2018年9月