そこに線路があるかぎり

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【ハンガリー】探検気分で温泉入浴 ミシュコルツの洞窟温泉と 世界遺産の田舎町トカイの貴腐ワイン(2014年)

ハンガリーの北東部、ミシュコルツという町には洞窟探検気分を味わえるユニークな温泉があります。長い時間をかけて水の力によってつくられたという天然の石灰岩の洞窟が温泉で満たされていて、入浴しながら洞窟の景観を楽しむことができるミシュコルツ・タポルツァ洞窟温泉を2014年に訪れたときの様子をご紹介します。

エゲルサロークからミシュコルツを目指す

ミシュコルツはハンガリーの首都ブダペストの北東150㎞ほどのところにあります。
ブダペストから日帰りで訪れることもできますが、私たちは近くの温泉リゾート、エゲルサロークに2泊宿泊した中日に、日帰りでミシュコルツに出かけました。エゲルサロークからミシュコルツへは1時間ほどのドライブです。

春のヨーロッパではいろいろなところで一面の菜の花畑の景色を見ることができます。
エゲルサロークからミシュコルツへの道中にも、きれいな菜の花畑がありました。

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ミシュコルツ・タポルツァ洞窟温泉を楽しむ

洞窟温泉は、ミシュコルツの町の南西部の山の中にあります。
駐車場に車を停め、木々の新緑が美しい公園の中を歩いて行くと入場ゲートがあり、そこで入場料を支払って中に入ると、山を背にした石造りの建物がありました。ここが洞窟温泉です。

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更衣室で水着に着替え温泉ゾーンに足を踏み入れると、まず大きな石灰岩の岩壁が目に飛び込んできました。岩壁の手前が温泉プールになっていて、いくつかのトンネルが岩の中に続いているほか、打たせ湯もありました。

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岩壁の部分は天井から太陽の光が入るようになっています。

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お湯の温度は30℃ほどと、かなりぬるめ。わずかに香る塩素臭とあいまって、暖かめの温水プールといった印象です。

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いざ洞窟の中へ!

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深さは大人の腰ほどの洞窟風呂は、カーブして先が見えなかったり、途中で分岐していたり、冒険心がくすぐられる楽しいもの。
洞窟風呂の水中の壁と足元は危険のないようにタイルなどでフラットに整えられていますが、壁と天井は天然の岩肌のままで、迫力があります。

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洞窟は思ったよりも長く、ワクワクしながらどんどん奥へ進むと、少し広くなった空間に打たせ湯があったり、地底湖を思わせるちょっとした広さのプールがあったり、景観的にも施設的にも、変化に富んだ洞窟入浴が楽しめます。

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洞窟奥のゾーンから、ふたたび洞窟風呂を通って岩壁ゾーンへ。
洞窟風呂は基本的に静水ですが、時折壁の噴射口から勢いよく水が噴き出し、流れるプールのようになります。流れに乗ってプカプカと洞窟の中を進むのも楽しいひととき。

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時間を忘れて洞窟風呂を楽しみ、すっかりふやけた体で駐車場を目指して公園を歩いていると、木にリスが。とんがった耳とフサフサしたしっぽがかわいいです。

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トカイへのドライブでは春のハンガリーを走る列車が

洞窟温泉を楽しんだ後は、50㎞ほど東にあるトカイという町を目指してのドライブ。
春のハンガリーの風景が美しいです。

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トカイへの道が鉄道の線路と交わるところでは、ちょうどタイミングよく列車がやって来ました。これはローカル普通列車でしょうか。

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今度はインターシティの長距離列車のような列車が。

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平原と山、そして菜の花畑。ヨーロッパらしい美しい風景の中を列車が走り去って行きます。

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複線の本線のような線路に沿っていた道路は、今度は単線のローカル線のような線路に沿って進みます。ここでもちょうど列車がやってきました。

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小高い丘の麓のぶどう畑の中を走る客車列車。

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それほど本数が多いわけではないと思いますが、良い景色のところでちょうど列車と遭遇できたのは運のいいことでした。今度は列車に乗ってハンガリーを旅してみたくなりました。

世界遺産の田舎町トカイは世界三大貴腐ワインの産地

ハンガリーの田舎町トカイ、という言い方は、タイにある常夏の島サムイ島を、タイの暑いサムイ島、などと言うのと同じく、一度は口にしてみたい日本語のひとつだと思います。
ここトカイは貴腐ワインの産地として有名な町で、ここで造られるトカイワインは、フランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼと並び、世界三大貴腐ワインに数えられています。そしてこのトカイのワイン産地の歴史的、文化的景観は2002年に世界遺産に登録されました。

小さな町ですが、街角のワイナリーで名産の貴腐ワインを楽しむことができます。

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こじんまりとした素敵な空間で楽しめる世界に誇る貴腐ワイン、の匂いを嗅ぐだけで我慢しなければならないのが、ドライバーのつらいところ。ここはお土産のボトルを購入し、あとでゆっくり楽しむことにしましょう。

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トカイの町を少し散歩してみます。

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かわいらしい色と形の家が建ち並ぶ一角。

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へべれけな人の銅像があるのは、いかにもワイン産地らしいもの。

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少し覗かせていただいた教会は創立100周年を迎えたのでしょうか。

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夕暮れの川をフェリーで渡り エゲルサロークへ

トカイでワイン(の香り)とまち歩きを楽しんだ後は、宿泊地のエゲルサロークに戻ります。トカイの町から田舎道を南へ走り、ティサ川という川を渡るところに着くと、川の対岸からワイヤーが渡されていて、そのワイヤーにつながれた小さなフェリーが運航中でした。

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車ごとフェリーに乗り込みます。

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この小屋が操縦室兼料金所のよう。係の人に現金で運賃を支払います。

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出発した岸がどんどん遠ざかって行きます。

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川幅はざっと150mといった程度なので、乗船時間は数分程度の短いものですが、おだやかな川面と夕暮れの空をのんびりと眺めながらの船旅は楽しいものです。

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洞窟温泉と世界に誇る貴腐ワインを楽しみ、行き交う列車を眺めたり、素朴なフェリーにも乗船できた小旅行は、ハンガリーの田舎を満喫する楽しい1日となりました。

 

2014年4月

 

宿泊地エゲルサロークについてはこちら。

sokonisenro.net