そこに線路があるかぎり

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【東京都】山歩きの疲れは日本酒のきき酒と駅前温泉で癒す ホリデー快速おくたま号で行く冬の高水三山ハイキング(2022年)

立川と奥多摩を結ぶJR青梅線の沿線、青梅・奥多摩エリアにはたくさんのハイキングコースがあります。中でも、高水三山(たかみずさんざん)の縦走は、このエリアの中でも都心に近いほうに位置し、駅からスタートして駅にゴールできるというアクセスの良さを誇るだけでなく、3つの山の縦走ができ歩きごたえがあり、コース中に展望の良いスポットがあることもあって、人気のあるコースの1つです。
2022年12月、この高水三山のハイキングコースを歩いてみました。

高水三山とは

高水三山とは、南にある多摩川と、北にある名栗川に挟まれた部分にある山並みで、東から高水山(たかみずやま)、岩茸石山(いわたけいしやま)、惣岳山(そうがくさん)の3つの山を言います。標高は高水山が759m、岩茸石山が793m、惣岳山が756mと、いずれも1,000mに満たない低山ですが、定番ルートである青梅線軍畑(いくさばた)駅と御嶽(みたけ)駅を結ぶルートでは、歩く距離およそ9㎞、標準タイムは4時間ほどで、日帰りハイキングとして手ごろかつ満足できるボリューム感のコースになっています。

高水三山ハイキングコース | おうめ観光ガイド (omekanko.gr.jp)

アクセスは土休日運転のホリデー快速おくたま号が便利

土曜・休日だけ運転される ホリデー快速おくたま号・ホリデー快速あきがわ

土曜・休日には新宿から青梅線奥多摩まで直通するホリデー快速おくたま号が運転されており、青梅線沿線のハイキングに出かけるには、この列車の利用が便利です。
ホリデー快速おくたま号の兄弟列車として、秋川渓谷方面に走る五日市線の武蔵五日市行きホリデー快速あきがわ号もあります。

ホリデー快速おくたま号の運転区間は、下りが新宿から奥多摩まで、上りは奥多摩から新宿を通って東京まで、ホリデー快速あきがわ号の運転区間は、下りが新宿から武蔵五日市まで、上りは武蔵五日市から東京までです。

途中駅での分割に注意

ホリデー快速おくたま号とホリデー快速あきがわ号は、下りの新宿~拝島、上りの拝島~東京では連結して運転されます。特に下り列車では、間違った車両に乗ってしまい、切り離しのときまでに気づかないと、全然違う行先に連れていかれてしまうので要注意です。下り列車では新宿出発時の10両編成のうち前4両、10号車から7号車がホリデー快速あきがわ号武蔵五日市行き、後ろ6両、6号車から1号車がホリデー快速おくたま奥多摩行きです。駅の表示や放送、車内のモニターや車内放送に注意し、乗り間違いのないように気をつけましょう。

ホリデー快速おくたま号、ホリデー快速あきがわ号 運転時刻

ホリデー快速おくたま号・あきがわ号は、土曜・休日に1号から6号まで、1日3往復が運転されます。行楽客向けに設定されている列車なので、朝に下りが3本、夕方に上りが3本というダイヤです。各列車の停車駅と時刻は下記のとおり。

2022年12月現在の運転時刻

<下り  ホリデー快速おくたま号 ホリデー快速あきがわ号>

<上り ホリデー快速おくたま号 ホリデー快速あきがわ号>

使われる車両はふつうの中央線快速とおなじ 指定席も無し

ホリデー快速という名称や、X号という号数がついていることから、なんとなく行楽向けのクロスシート車両が使われているようなイメージがありますが、ホリデー快速おくたま号・あきがわ号の車両は中央線快速と同じ、オレンジ色の帯が入ったロングシートの通勤型車両E233系です。ホームで待っていたら目の前に来た列車はいつもの中央線快速の車両、「あれ?これはホリデー快速ではなく、中央線快速か」と勘違いして乗るのをやめた、といったことのないようにしてください。
通勤型車両なので指定席などもなく、すべての座席が自由席です。

トイレはおくたま号の4号車に

窓に背を向けて座るロングシートの通勤型車両なので行楽に行くワクワク感はイマイチですが、車内にトイレがついている場合があるのは有難いところ。現在中央線快速のE233系にはトイレの取り付け工事が進められており、その工事が済んだ車両であれば、4号車に車椅子対応の大型トイレがあります。工事済の車両が必ずホリデー快速に割り当てられるようになっているのかどうかはわかりませんので、トイレなしの編成にあたってしまう可能性もありますが、いざというときは途中駅で降りてトイレに、という前に、4号車を覗いてみましょう。

2023年3月18日からは運転形態が変更 直通サービスがなくなってしまう

JRでは2023年3月18日にダイヤ改正がありますが、このダイヤ改正ホリデー快速おくたま号、あきがわ号に大きな変化があります。
まず、ホリデー快速あきがわ号は廃止されます。
そして残ったホリデー快速おくたま号も新宿方面から青梅までの運転となり、青梅から先の停車駅、御嶽と奥多摩に行くには、青梅~奥多摩間だけで運転される臨時のホリデー快速おくたま号に乗り換える必要があります。なお、この青梅~奥多摩の臨時便は、シーズンによっては運転されないこともあるそうです。
つまり、御嶽、奥多摩の両駅と都心との直通サービスがなくなってしまうわけですが、特に行楽を楽しんだあとの帰り道では、ホリデー快速に乗ってしまえばそのまま都心まで乗り換えなしで行けるという安心感があったものが、乗り換えの手間がかかるうえ、乗り換えたあとの列車に座れるだろうかという心配も加わることにもなり、心理的にも影響が大きいサービスダウンと言えそうです。

これは、2023年3月18日から青梅線の青梅~奥多摩間でワンマン運転が開始されるため、この区間を走る電車をワンマン運転対応用車両で運転したいということと、近い将来、中央線快速にはグリーン車が2両連結されるため、いままで6両編成で運転していた列車が8両編成となり、御嶽と奥多摩のホームの長さが足りないということによるものと思われます。
それではワンマン対応編成をホリデー快速に使えば都心までの直通サービスが維持できるのではないかと思いますが、そうすると都心まで行く長い時間、そのワンマン対応の編成が本来の青梅~奥多摩で使えなくなり、ひいてはワンマン対応編成の数が多く用意しなければならずお金がかかります。また、ホリデー快速のためだけにワンマン区間に車掌さんを増やすというのも効率が悪くなります。さらに、御嶽と奥多摩のホームを土休日だけにしか運転されないわずか3往復の列車のためだけに、お金をかけて2両分延ばすのも非効率という判断になったのかと思われますが、行楽客にとっては、せっかくの便利な列車が使いづらくなってしまうのが非常に残念です。

ホリデー快速おくたま号と普通列車と乗り継いで軍畑

さて、高水三山のハイキングは、軍畑(いくさばた)駅からスタートする行程にしました。スタート地点の軍畑は各駅停車しか停まりませんが、まずはホリデー快速で青梅に向かうことにします。

おくたま号に空席がなくても あきがわ号で座れるかも

乗車したのは新宿を7:44に出るホリデー快速おくたま3号奥多摩行き。発車直前に乗車するとすでに座席はほぼすべて埋まっていました。奥多摩行きのホリデー快速おくたま号は途中の拝島まで武蔵五日市行きのホリデー快速あきがわ号と併結して走りますので、あきがわ号側の車両に移ってみると、まだ空いている席がありました。どちらかというとおくたま号よりあきがわ号のほうが空いているようなので、おくたま号で座れなかった場合は、あきがわ号で席を探してみるのもいいかもしれません。ただし、くれぐれも分割する拝島までに本来の奥多摩号に乗り換えるのを忘れないように注意しなければなりません。

拝島でおくたま号とあきがわ号を切り離し

拝島でおくたま号とあきがわ号が切り離されます。前4両があきがわ号、後6両がおくたま号です。ドア上のモニターで自分の乗車している車両と行先を改めて確認しておきましょう。

拝島駅の出発表示。こんな表示が見られるのも、2023年3月12日まで。

拝島駅の切り離し位置には案内表示があります。

切り離し作業が終わると、まず前4両のあきがわ号が武蔵五日市に向けて出発。拝島駅を出ると左に分岐していく五日市線に入ります。

拝島からおくたま号に乗車

拝島であきがわ号からおくたま号に移ると、やはり空いている席はなかったため、最後尾の車両に立って行くことにしました。拝島から青梅はわずか17分の乗車です。

立川で中央線快速から青梅線に入り、青梅、奥多摩方面を目指すホリデー快速おくたま号。同じルートを青梅まで走る、毎日運転されている青梅特快と比べ、青梅線内でも通過駅がたくさんあるので速そうに見えますが、青梅線内は前を走る電車を追い抜くことができる駅がないため、実際のところは前の各駅停車に追いつかないようにゆっくり走ります。

東青梅を通過すると、青梅はもうすぐ。東青梅までは複線でしたが、ここからは単線になります。(写真は後方展望)

青梅で各駅停車に乗り換え

青梅に到着。青梅はホリデー快速など一部の直通列車を除き、ほぼすべての列車で立川方面と奥多摩方面で乗り換えが必要となります。運転上の区切りとなる拠点駅ですが、ホーム1面の両側に線路が1本ずつある、1面2線の設備しかありませんでした。現在2番線の横に新しいホームを建設中。この新ホームは2023年3月のダイヤ改正から使われるようです。

ホリデー快速おくたま3号が奥多摩に向けて出発して行きしばらくすると、同じ2番線ホームに奥多摩発青梅行きの各駅停車が到着しました。これが折り返し8:56発の各駅停車奥多摩行きになります。

青梅駅はホーム上にトイレあり 乗り換え待ち時間での利用もおすすめ

青梅駅ホームの奥多摩寄りにはトイレがあります。ホーム上に設置されたトイレなので小さなものですが、きちんと男女別になっています。ホリデー快速を降りて各駅停車に乗り換える乗客でトイレ待ちの列ができてはいましたが、目的地の駅でのトイレ混雑の心配もありますし、列車の待ち時間を使って青梅駅でトイレを済ませておくのも良いかと思います。ホーム上にあるので、出発時刻までに順番が回ってこなそうならば列を離脱してすぐに電車に乗ることもでき、便利です。

青梅から各駅停車奥多摩行きに乗って軍畑

青梅でホリデー快速おくたま3号から乗り継げる奥多摩行き各駅停車は8:56発。この電車の発車1分前、8:55に立川発青梅行きが1番線に到着し、その列車からの乗り換え客も受け、奥多摩行き各駅停車が出発します。8:55青梅着の各駅停車は立川発8:25、ホリデー快速おくたま3号の立川着は8:12なので、ホリデー快速で座れなかった場合は、立川以降の途中駅でこの後続の各駅停車青梅行きに乗り換えて座るというのも手です。立川では乗り換えにホームを移動しなければなりませんが、西立川、拝島、福生の各停車駅ならば降りた同じホームで乗り換えることができます。

青梅から軍畑までは14分の乗車。青梅からは車窓に緑がぐっと増えました。軍畑駅の手前で渡る鉄橋からは、まだ紅葉が残る山の景色がよく見えます。

電車を降りるときはボタンを押してドアを開ける

青梅線のドアはボタン式です。電車が駅に到着して、ボタンのまわりのランプがついたらボタンを押してドアを開けましょう。ボタンに気づかず、停車したのにドアが開かずおかしいな、と思っているうちに発車してしまった、という事態になると、笑い話のネタとしてはおいしいですが、電車の本数の少ないこの辺りでは、戻るのにも時間がかかってしまい、せっかくのハイキングの行程が大幅に狂ってしまうかもしれないので注意が必要です。
「しめる」ボタンは車内側にしかついていません。降りる人が降り際に「しめる」を押してから素早く降りると、車内にいる人たちも山の寒風に長い時間さらされることなく快適な車内環境が保たれるため、「さすが」「よくわかっていらっしゃるお方だ」などと、尊敬のまなざしを浴びられるかもしれません。ただ、「しめる」を押したがゆえに、自分が降りるときにドアに挟まれるということになると、同情と哀れみの視線を浴びることになってしまうので、運動神経に自信のない人は無理をしなくていいと思います。

スタート地点の軍畑駅無人駅 駅前には公衆トイレと商店が

青梅から5駅、14分で電車は軍畑に到着。ホーム片面に線路1本だけの駅です。
乗ってきた電車が奥多摩に向けて発車していきました。

軍畑無人駅です。出場時には「出場」のICカードリーダーにタッチするのを忘れずに。この電車からは多くのハイキング客がおりましたが、カードリーダーは1台しかないため、タッチのための列ができていました。

駅舎の横には公衆トイレがありますが、順番待ちの長い列が。やはり、青梅駅の乗り換え時など、事前に用を済ませておけるならば、そのほうが良さそうです。

駅前には商店が1軒あり、パンやおにぎり、飲み物のペットボトルなどを売っていました。

駅前の地図で本日のルートを確認。赤丸をつけたところが本日めぐるポイントです。軍畑駅から高水山、岩茸石山、惣岳山を通って御嶽駅まで歩く予定。

最初の2㎞ほどは舗装道路を歩く

軍畑駅を出たら駅に沿って左へ進み、踏切を渡ります。ちょうど上りの電車がやって来ました。

踏切から青梅方面を見れば、さきほど電車に乗って渡った鉄橋が見えます。

踏切を渡ったら下り坂をおりて、鉄橋の下から続く片側1車線の道路に入ります。電車の音が聞こえたので振り返ってみると、下り列車が鉄橋を渡って行くのが見えました。行楽客の多い休日の朝は、青梅線の電車の本数も比較的多いです。

軍畑駅から15分ほど歩いた平溝橋の手前で案内表示に従って左の道へ。

細い川に沿った道を歩きます。川の水は澄んでいて、魚が泳いでいるのが見えました。

平溝端からさらに15分ほどのところから、今度は右の道に入ります。

この右に分かれる坂道が高水山方面。

分岐のすぐ先には高源寺というお寺があり、その山門の横には、男女共用のトイレが1つありました。洋式の水洗式で、とても清潔に保たれており、気持ちよく使わせていただくことができます。手入れしてくださっている方に感謝です。

黄色い葉が残る銀杏の木が秋の名残を感じさせてくれます。

高源寺を過ぎて500mほど歩くと舗装道路が終わり、目の前に立ちはだかる迫力ある砂防ダムと、その横につづく階段が見えました。この階段を登って行きます。

階段を登りきると、いよいよ山道になりました。小さな流れを木橋で渡り、針葉樹林の中の登山道を登って行きます。

針葉樹の林が途切れ、ススキが生えているところもありました。林を伐採したところにススキが生えたのかと思いますが、景色に変化があって楽しいです。

ススキゾーンをぬけて再び針葉樹林の中へ。

休憩用のベンチがあり、その近くの木々の隙間からは、狭山湖方面と思しき景色を見ることができました。

針葉樹林の中を歩いて行きます。

青梅市の上成木から登ってくる道と合流。

紅葉が輝く山の中の古刹 高水山常福院

少し歩くと、赤く色づいたカエデが残っているところがありました。

「常福院をへて高水山」は右、「高水山 岩茸石山」はまっすぐと標識が出ていますが、せっかくなので常福院に寄ってみることに。地図を見るとどちらを通っても少し先で道は合流しており、要はお寺の境内を通るか外を通るかの違い程度のようです。

少し進むと今度は左へという標識。左に目をやると、カエデの木の下に山門へと続く階段がありました。冬の日に照らされたカエデの葉が本当に美しいです。

よくみれば外灯の柱には、切り抜き文字で「高水山」と書いてあります。

階段を登ると、山門越しに不動堂が見えてきました。

山の中に佇む常福院の不動堂。青梅市観光協会のウェブサイトによれば、昔の山火事で古文書が焼けてしまい詳しいことはわからないものの、成立は寛永年間(1624-1643)以前のようです。いまの不動堂自体がいつ建てられたのかは書かれていませんが、100年は経っていそうな風格です。

高水山常福院 | おうめ観光ガイド (omekanko.gr.jp)

不動堂に向かって右手に建つ寺務所も、歴史を感じる建物です。ここで御朱印も頂けるそう。

不動堂に向かって左側に建つ小屋も古い木造で、味わいがあります。

不動堂の裏手には公衆トイレがあります。

常福院のベンチで少し休憩させていただき、高水山の山頂に向かって出発です。常福院の裏手の山を登って行くと、木々の隙間から不動堂の青緑色の屋根が見えました。

すぐに東屋とベンチがあり、その近くには展望スポットが。おそらく南側、八王子方面の眺めかと思います。

御岳山方面と思われる山並みも見えました。

高水山山頂

東屋を過ぎるとすぐに、高水山の山頂がありました。軍畑駅からおよそ3.8㎞、休憩含め2時間ほどの道のりでした。

高水山の山頂は照葉樹が生えており、葉が落ちた時期であれば木々の間から飯能方面と思われる景色が見えました。いちおうベンチがありましたが、ゆっくり休憩をするなら常福院の上の東屋の付近のほうが、スペースも広く、展望もあるので良さそうです。

常福院で休憩したばかりなので、高水山山頂では少々写真を撮ってすぐ出発。尾根道を歩き次の岩茸石山を目指します。

岩茸石山山頂を避ける巻き道が分岐すると、岩茸石山への道は急な上り坂になります。

針葉樹の根をふみしめながら登って行きます。

針葉樹林を抜けると、青空の広がる気持ちのいい尾根に出ました。青空に向かって続く道が、いかにももうすぐ頂上と言った雰囲気。

右を見れば遠くに市街地が見えます。飯能や入間の方の街並みかと思います。

前方に休憩している人たちの姿がみえると、そこが岩茸石山の山頂です。高水山からは1㎞、25分ほどの道のりでした。

見晴らしの良い岩茸石山山頂で昼食タイム

岩茸石山の山頂は広々していて景色も良く、絶好のお昼ごはんポイントです。みなさん考えることは同じようで、たくさんのハイカーの人たちが、思い思いの場所でお弁当を広げていました。

こちらが先ほども見えた、飯能や入間方面と思われます。

手前に見えるピークが先ほど通ってきた高水山でしょうか。その右後ろのほう森の中に、白く丸く輝く物体が見えたので、おそらく西武ドームかと思います。

岩茸石山山頂はハイキングコースの分岐点になっていて、ここから棒ノ折山を通って名栗川方面に抜けることもできますが、地図を見るとかなり長い距離を歩くことになるようです。

山頂は見晴らしがいいということは、すなわち風も通ります。コンロでお湯を沸かし、お弁当を食べているうちに冷えてしまった体を温かいココアで暖め、次の山、惣岳山に向けて出発しました。
歩き出した方角には、幾重にも連なる奥多摩の山々が見えます。こういう山の尾根を縦走してみるのも楽しそう。

岩茸石山からの下りは、急な岩場でした。(写真は振り返って撮ったもの)足もとに気を付けて、一歩一歩慎重に下りて行きます。

岩場を抜けると高水山方面の巻き道と合流。道標に従い、右の惣岳山方面へ。

まっすぐ伸びる針葉樹林の中を歩きます。

ところどころに照葉樹もあり、紅葉がまだ残っているところも。

見晴らし抜群の伐採地を抜け惣岳山

ふと目の前が開け、木々がいっさいない、伐採地帯に入りました。おそらくシカやクマなどの野生動物除けかと思いますが、ハイキングコースの両側は金網が続いています。

しばし気持ちのよい景色を見ながら歩きます。

7-8分歩いたところで伐採地帯が終わり、惣岳山への急な登りが始まります。標識は巻き道があることを示していますが、この巻き道方向のコースは伐採地の金網によって閉ざされており、現在は使えないのではないかと思われます。

急な岩場を登って行きます。

最後に見晴らしの良いポイントを抜けると、惣岳山の山頂に到着。

惣岳山山頂には青渭神社 奥の院

岩茸石山から30分ほどで惣岳山山頂に到着。これで高水三山の三つのピークを制覇しました。残念ながら惣岳山山頂は林の中で、眺望はありません。

平らになった惣岳山山頂には、青渭神社(あおいじんじゃ)の奥の院が祀られています。

少々休憩して下山。今日のコースで最も多かった景色、針葉樹林の中を歩きます。

惣岳山から45分ほど歩いたところでコースの分岐点に。まっすぐ進み、御嶽駅方面へ。

・・・と思ったら、御嶽駅方面のコースには壁のように立ちはだかる上り坂が!

もう足も疲れ、少しでも早く里に下りたいと思っているところに、こんな壁を見せつけられては心も折れるというもの。予定を変更し、沢井駅方面に歩くことにしました。沢井は青梅線の御嶽のひとつ東京寄りの隣の駅です。もともと、御嶽に下りたとしても、時間の余裕があれば沢井に寄ることも考えていたので、沢井に直接下りても何の問題もありません。

沢井へのコースは、分岐点から10分も歩かないうちに里に下り、舗装道路となりました。

紅葉の残る里の風景を見ながら、細い流れに沿って続く道を進んでいきます。

と、左側に鳥居が見えました。ここが青渭神社の里宮です。お詣りしたいところでしたが、すでに足が上り階段を受け付けず・・・鳥居の前から一礼だけさせて頂きました。

ゆずの里 沢井に到着

沢井は「ゆずの里」として知られています。

家々の隙間に続く線路の向こうに、沢井駅が見えました。(オレンジ色の丸の中)

西を見れば、初冬の太陽が山の向こうに沈まんとするところでした。タイミングよく列車が来てくれればよかったのですが、青梅線のこのあたりは列車の本数が少ないです。

道端にゆずの無人販売がありました。

夕陽を浴びて黄金色に輝くゆず。

沢井駅に到着。

手前にホームに上がる短い階段があるにもかかわらず、いったん上に登って右側に降りる橋もあります。なんだか無駄なような感じがしますが、沢井は昔、行き違いができる駅で、ホームの手前にも線路がもう1本ありました。跨線橋はそのとき使われていた駅の出入り口で、手前の線路が廃止されたのちにホームに直接上がる階段がつくられ、今のような形になりました。跨線橋はいちおう線路の向こう側にも続いているので、駅から向こう側に出入りする人と、駅の手前と向こうを行き来する人に使われています。
跨線橋のたもとにはきれいな公衆トイレもありました。

ちょうど上りのホリデー快速がやってきました。ホリデー快速は沢井を通過します。隣の御嶽にはホリデー快速が停車するので、ハイキングのゴールを御嶽にすれば、東京まで直通の電車に乗車することができるのがメリットです。(ホリデー快速おくたま号は、下りは新宿始発ですが、上りは新宿を通って東京まで行きます。御嶽、奥多摩との直通運転は2023年3月までです)

澤乃井の酒蔵で日本酒のきき酒を

沢井駅前にはこんな看板が。駅から急な坂を下ったところに、日本酒の「澤乃井」をつくる酒蔵があり、豆腐会席や軽食を食べたり、おみやげを買ったり、きき酒をしたりすることができます。
現在の時刻は15時半をまわったところ。きき酒は16時半までだそうです。急ぎましょう。

駅からの急な下り坂を降りると青梅街道があり、青梅街道の両側に澤乃井の敷地があります。山側(沢井駅側)がお酒を造っているところで、川側に観光向け施設があります。

川側に広がる「澤乃井園」。

澤乃井園 « 澤乃井-小澤酒造株式会社(東京都青梅市) (sawanoi-sake.com)

軽食やおみやげの売店にはたくさんのお客さんがいました。ハイキング帰りと思われる人たちも多いです。

予約をすれば、酒蔵の見学もできます。

澤乃井園からは多摩川の流れを見下ろすことができます。この辺りは御岳渓谷と呼ばれ、多摩川でも景色の良いところの1つとして知られています。

澤乃井ガーデンギャラリーの2階がきき酒処。

澤乃井きき酒処 « 澤乃井-小澤酒造株式会社(東京都青梅市) (sawanoi-sake.com)

おちょこ1杯200円~500円です。おちょこは持ち帰れるので、かなりお得かと思います。1杯目で飲んだおちょこを持って行き、それに注いでもらえば2杯目からは100円引き。私はおちょこがもうひとつ欲しかったので、2杯目も200円で飲みました。

サワガニのマークが澤乃井のシンボル。

2杯ほどきき酒をしたら外に出て、売店の横で仕込み水を飲んで酔い覚まし。空のペットボトルを購入し水を汲んで帰ることもできます。

日本酒を楽しんだら 河辺駅の駅前温泉で汗を流す

短い時間でしたが澤乃井園を楽しみ、沢井駅に戻ってきました。すっかり薄暗くなったホームに、奥多摩行きの電車が到着。沢井駅は線路が1本しかないので、両方向の電車が同じホームに発着します。乗り間違えないよう要注意です。

奥多摩行きが走り去ってしばらくすると、青梅行きの電車がやって来ました。

青梅で立川行きに乗り換え、青梅から2つめの河辺(かべ)で下車。
河辺には駅前に日帰り温泉施設があるので、ここで汗を流してから帰ることにします。駅を出てそのまま続くペデストリアンデッキを渡った河辺タウンビルBの、5階と6階にある「河辺温泉梅の湯」は、駅から徒歩1分の近さ。奥多摩のハイキング帰りの入浴スポットとして最適です。

【河辺温泉梅の湯】公式|青梅、御岳山、奥多摩の日帰り温泉。お食事処、ご宴会。 (kabeonsen-umenoyu.com)

温泉で汗を流した後は、併設のレストランで夕食を楽しみ、帰路につきました。

駅からスタートできるアクセスの良さ、山頂からの展望、ハイキング後のきき酒に温泉と、高水三山は楽しみが沢山ある、良いハイキングでした。魅力あふれるスポットが沢山ある青梅、奥多摩エリア。まだまだいろいろな楽しみ方をしてみたくなります。

 

<ハイキング> 

スタート:軍畑駅 ゴール:沢井駅 総歩行距離約9.6㎞

軍畑駅 9:20 --->  常福院  11:20  (2時間)

常福院 11:25 ---> 高水山 11:45 (20分)

高水山 11:50 --->  岩茸石山 12:15(25分)

岩茸石山 13:30 ---> 惣岳山 14:00(30分)

惣岳山 14:20 ---> 沢井駅 15:35 (1時間15分) 

計 約4時間30分 (コース上での小休憩含む。昼食の大休憩は含まず)

 

<交通機関利用> (2022年12月現在)

新宿 7:44 ---> 青梅 8:44  ホリデー快速おくたま3号 奥多摩行き 
青梅 8:56 ---> 軍畑 9:10  青梅線各駅停車 奥多摩行き   
新宿~軍畑 大人IC運賃 片道935円

沢井 16:52 ---> 青梅 17:06 青梅線各駅停車 青梅行き 
青梅 17:07 ---> 河辺 17:12 青梅線 中央線快速直通 東京行き
沢井~河辺 大人IC運賃 片道168円

河辺 20:21 ---> 新宿 21:24  青梅線 中央線快速直通 東京行き
河辺~新宿 大人IC運賃 片道726円

 

計 1829円(大人1人)

 

<注意>

・最新の公共交通機関の時刻、運賃は、最新の時刻表等でご確認ください。

・山歩きのルート、コースは最新の情報をもとに充分ご検討の上、各自に合ったプランを立ててください。

・山歩きをされる際には必ず充分な装備と最新の地図を持参してください。

 


2022年12月