そこに線路があるかぎり

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【栃木県】 あしかがフラワーパークを見学して昼食は佐野ラーメン 食後に分福茶釜の茂林寺を散歩 東武のお得なきっぷで行く日帰り旅 (2025年)

藤の花の名所として有名なあしかがフラワーパーク。一度行ってみたいと思っていたものの、藤の花の時期はちょうどゴールデンウィークと重なるため、きっとひどく混雑しているに違いないと思い、二の足を踏んでいました。2025年4月、毎年のようにあしかがフラワーパークのことが気になっていたところ、東武のお得なきっぷの案内を発見。よくよく見るとこの切符、破格の価格設定で、これは使わない手はないと思い、東武電車に乗ってあしかがフラワーパークを訪れてみました。

東武の「春の花めぐりきっぷ」

東武鉄道が発売する「春の花めぐりきっぷ」は、往復の東武鉄道の運賃と、あしかがフラワーパークの入園券がセットになり、さらに館林、佐野、足利市という3つの主要駅を含むフリー区間では乗り降りが自由と言うお得なきっぷです。

期間限定発売で

春の花めぐりきっぷの発売は期間限定で、あいにく2025年は5月31日で発売が終了してしまっていますが、ここ数年はほぼ同じ内容で毎年発売されているようですので、来年以降の発売も期待されます。

春の花めぐりきっぷ(2025年)

発売期間: 2025年4月12日(土)~5月31日(土)の毎日
有効期間: 発売当日限り有効
価格  : 4/12 ~ 5/18  
         浅草・亀戸・押上から  3,190円
      北千住・柏から     3,060円
      久喜から        2,450円
                      5/19 ~ 5/31
                      浅草・亀戸・押上から  2,590円
      北千住・柏から     2,460円
      久喜から        1,850円 
      (発駅は、上記以外にも浅草~久喜、船橋~大宮、押上、亀戸~小村井、
      大師前、和戸~南栗橋の各駅の設定あり)
きっぷ内容: 発駅~茂林寺前の往復、茂林寺前足利市と、館林から佐野の間は
       フリー区間で乗り降り自由、あしかがフラワーパークの入園券

この切符のポイントは、あしかがフラワーパークの入園券が含まれているという点。あしかがフラワーパークの入園料は、花の咲き具合によって変動しますが、藤の花が見ごろとなる頃は1年でいちばん入園料が高く、2025年のGWでは2,300円でした。「春の花めぐりきっぷ」を使った場合、ピーク期の浅草からの価格は3,190円ですので、フラワーパーク入園料相当の2,300円を引くと、わずか890円で浅草から足利市や佐野まで往復できるということになります。浅草から佐野や足利市までの普通運賃は片道995円(IC運賃)ですので、往復1990円のところを890円で往復できるということになります。
久喜からだと、足利市、佐野の往復が通常のIC運賃で片道534円で往復1068円のところ、春の花めぐりきっぷが2,450円、フラワーパーク入園料2300円を引くと、往復がたった150円ということになり、とんでもなく安い設定になっています。

その一方で、春の花めぐりきっぷには、フラワーパーク最寄りのJR両毛線あしかがフラワーパーク駅までのJR運賃は含まれていないので、足利~あしかがフラワーパーク片道199円または佐野~あしかがフラワーパーク片道189円は別途支払いが必要な点は要注意。ただ、この別途支払いのJR運賃を考慮しても、春の花めぐりきっぷは断然お安いきっぷであることは変わりありません。

なお、春の花めぐりきっぷの購入は、現金のみとなりますのでご注意ください。

浅草から特急りょうもう号で足利市

浅草駅で春の花めぐりきっぷを購入し、足利へ。
足利へ行く特急列車は、りょうもう号です。
週末朝の浅草駅の特急発車案内標。日光、鬼怒川、会津方面への特急スペーシアX、リバティ会津、けごんがほぼ満席なのに対し、りょうもう号は発車間際でもまだ席に余裕があります。りょうもう号の沿線は観光地と言うよりも商業、工業の街という印象です。

りょうもう5号は特急ホームから発車。ホームに入るときに特急券のチェックがあります。

浅草駅を発車するとすぐに急カーブを曲がります。振り返ると松屋デパートが入る浅草駅の全体を見ることができます。

カーブを曲がりきると隅田川を渡ります。

浅草の次はとうきょうスカイツリーに停車。スカイツリーは近すぎて良く見えません。

北千住を過ぎ荒川を渡ります。

久喜を出ると利根川の橋梁が。りょうもう号はいくつもの大きな川を渡りながら、群馬県を目指します。

浅草から1時間ほどで館林に到着。

館林を過ぎて、一面の緑が広がる小麦畑の中を走ります。このあたりは小麦の産地です。

館林からは単線になり、途中駅で対向の普通列車とすれ違い。東武を代表する一大勢力だった白地に青帯の古い車両も、だいぶ数を減らしてきています。

高架にあがり、右側に渡良瀬川が見えてくると足利市に到着。

東武足利市駅からJR足利駅へは徒歩15分ほど

足利市街には、渡良瀬川の南側にある東武足利市駅と、渡良瀬川の北側にあるJRの足利駅の2つの駅があります。あしかがフラワーパークは足利の市街地からは少し外れたところにあり、JR両毛線あしかがフラワーパーク駅が最寄りです。つまり、東武でやってきた我々は、JRに乗り換えるために足利駅まで歩かなければなりません。
東武足利市駅にはシャトルバスが運行休止と言う案内がありました。たしかにここからシャトルバスがあれば便利ですが、フラワーパーク付近は渋滞もあるでしょうから、やはり電車の方が良いのかもしれません。

足利市駅から足利駅へは渡良瀬川をわたって行きます。

足利市駅を出ると、ようこそ足利への看板が。その向こうはすぐに渡良瀬川の土手になっています。

足利市駅前には、以前小山駅のホームで営業していた立ち食いそば屋さんがあります。さっとそばをすすって行きたいところですが、あいにく営業時間前でした。

高架の足利市駅。館林行きの普通列車が到着しました。

渡良瀬川の橋が工事中のため、歩行者用の仮設の橋が架けられていました。

工事中の橋を見ながら、歩行者用の仮設橋を渡って行きます。

対岸に着きました。ベージュのビルがあるあたりが足利市駅です。

町中を歩いて足利駅に到着。東武駅から近い南口は、こじんまりとしていて裏口と言った風情。足利駅は北口がメインです。

足利からあしかがフラワーパークは1駅。このJR線は東武の春の花めぐりきっぷが使えないので、SUICAなどで普通にJRの運賃を払う必要があります。

小山行きの普通列車がやって来ました。

足利を出発ししばらく走ると、小麦畑の向こうにたくさんの車が駐車されているのが見えてきました。フラワーパークに行く人たちの駐車場です。

ビニールハウスではイチゴの栽培がおこなわれています。ここではイチゴの購入や、イチゴ狩りもできるので、フラワーパークの帰りに寄ってみようと思いますが、そのころにはおそらく売り切れていることでしょう。。。

あしかがフラワーパーク駅に到着。おおぜいのお客さんが降ります。

フラワーパークの目の前にある あしかがフラワーパーク駅

JR両毛線あしかがフラワーパーク駅は、その名の通り、フラワーパークの目の前にあります。かつては隣の富田駅がフラワーパークの最寄り駅でしたが、せっかく線路がフラワーパークの前を通っているので、この駅が造られました。開業は2018年4月1日です。駅を出たところにある階段には藤の花の写真が。

 

駅を出ると、すぐ正面がフラワーパークですが、入口はすぐにはなく、左に進んだ正面ゲートか、右に進んだ西ゲートのどちらかから入園します。

初めての訪問ですし、ここはやはり正面ゲートから入るべきかと、左に進みます。ちょうど小山方面からやって来た両毛線の電車があしかがフラワーパーク駅に到着しました。

線路沿いを5分ほど歩いて、あしかがフラワーパークの正門に到着。せっかく駅を作るならフラワーパークの門の目の前につくれば良さそうなものですが、あしかがフラワーパーク駅からフラワーパークの門までは、正門にしろ西門にしろ、少し歩く仕様になっています。おそらく、駅とパークの門を直結してしまうと、混雑時に狭い空間に人があふれてしまうので、駅と門を少し離して、人が貯まりすぎないようにしているのではないかと思います。

藤につつじ 色とりどりの花が楽しめるあしかがフラワーパーク

春の花めぐりきっぷにはあしかがフラワーパークの入園券がついているので、フラワーパークでは入場券購入の列に並ぶことなく、スムーズに入園することができました。

園内に入ると、いろとりどりの花が迎えてくれます。

あしかがフラワーパークは、特に藤の花で有名ですが、もっとも有名な大藤の他にも、うす紅の棚、白藤のトンネル、八重藤など、さまざまな藤の花が訪れる人の目を楽しませてくれます。
ここは、うす紅の棚。淡いピンク色の藤の花が美しいです。

そして白藤のトンネルへ。頭上を埋め尽くす白藤がとてもきれいです。

あしかがフラワーパークの代名詞ともいえる大藤。

大藤は、樹齢160年という歴史ある藤が2本並んで植えられています。広がる大きな藤棚が何とも言えぬ空間を作り出しています。

フラワーパークはJR両毛線のすぐ近くにあるので、園内のところどころから電車がみえたりします。

ここはうす紅橋。池を渡る太鼓橋の頭上に、うす紅の藤棚がしつらえられています。

橋の上からは、藤棚の向こうを走る両毛線の電車がちらりと見えました。

むらさき藤のスクリーン。ここの藤はあまり咲いていませんでした。

特別塗装の211系が走って行きました。

あしかがフラワーパーク名物 藤ソフト。陽射しが強くなってきた季節には有難いです。

花の香りがするソフトクリームです。

園内の奥の方には、広い休憩スペースが。この近くにはキッチンカーも出ていました。

休憩スペースから、山側の道を通り、正面ゲート方面に戻ります。山側の道にはつつじが多く咲いていて、藤の花とのコラボが美しいです。

正面ゲートを入ったところにある土産物店でおみやげを見たら、再び園内を歩き、西ゲートから退場しました。

行きの電車から見えたいちごのビニールハウスへ立ち寄ってみます。ここはあしかがフラワーパークから歩いて10分くらい。周囲は臨時駐車場になっていて、たくさんの車がとまっていました。
もう13時過ぎという時間では、残念ながら、やはりいちご狩りもいちごの販売も終わっていました。

いちごハウスの近くからは、走りゆく両毛線が良く見えます。帯の色が黄色っぽい、特別塗装の211系でした。

フラワーパークの西ゲートから臨時駐車場に向かう道には、たくさんの出店がありました。

あしかがフラワーパーク駅からは、フラワーパークの正面ゲートよりも西ゲートのほうがやや近いようです。

小山行きの列車に乗り、佐野へ向かいます。あしかがフラワーパークから佐野までは2駅。

電車でも行きやすい 駅近の佐野ラーメン人気店 麺屋ようすけ

佐野で東武佐野線に乗り換えて2つめ、田島駅で降ります。単線の佐野線の列車が、ここで行き違い。佐野からの東武線は春の花めぐりきっぷのフリー区間内です。

田島駅を出て大通りを渡ると、佐野ラーメンの有名店のひとつ、麺屋ようすけがあります。

田島駅。駅舎のように見える右側の建物はトイレで、駅の入り口は左側の地下道です。

麺屋ようすけはさすがの人気店だけあって、長い行列が。ピークを過ぎて少しは空いているかと期待したのが間違いでした。整理券を取り、店先の長いベンチに座って待つことおよそ2時間。ようやくラーメンにありつけました。

チャーシュー麺はチャーシューがたっぷり。

おいしいラーメンを食べて満足したら、再び東武佐野線に乗ります。

渡良瀬川を渡り、群馬県に入ります。

沿線にある北館林荷扱所は、東武の廃車になった電車が解体される場所。旧特急色の復刻塗装のスペーシア東上線で活躍した9000系の試作車などが並んでいました。

分福茶釜茂林寺

館林で伊勢崎線に乗り換えて1駅目、茂林寺前で下車。この近くにある茂林寺(もりんじ)は、分福茶釜のお話が伝わるお寺です。駅前にもたぬきの像が。

茂林寺前駅から茂林寺へは歩いて10分ほど。

駅から茂林寺への道には、ところどころに分福茶釜のお話が書かれた看板があります。駅から看板を読み進めて行くと、お寺に着くころには分福茶釜のお話が最後まで読めるという仕掛けで、楽しみながら道中を歩くことができます。

茂林寺の入り口に着きました。

 

参道にはたくさんのたぬきが並んでいます。

本堂は古い茅葺屋根の趣ある建物。

お寺にお詣りしたあとは、お寺の裏手に広がる茂林寺沼へ。

一面に広がるヨシの原。広々として心地よい風景です。

沼を眺められるデッキもありました。

茂林寺前から普通列車に乗って、隣の館林に戻ります。

館林からは浅草行きの特急りょうもう号に乗車。やってきた車両はメジャーリーグ塗装でした。

関東平野の夕暮れ。はるかかなたに浅間山が見えました。

館林から1時間ほどで終点の浅草に到着。

あしかがフラワーパークで美しい花々を見て、佐野ラーメンと茂林寺まで楽しめた東武「春の花めぐりきっぷ」。2025年の発売はすでに終了していますが、盛りだくさんの春の一日を楽しめた、便利でお得なきっぷでした。

2025年4月