そこに線路があるかぎり

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【山梨県】紅葉の登山道と山頂からの雄大な富士山 アクセス良し眺望良しの高川山に登る〔高川山/標高976m〕(2019年)

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今年の秋は杓子山に出かけましたが、昨年もその近くで紅葉と富士山を楽しむ山歩きをしていました。今回は昨年の高川山登山についてご紹介したいと思います。

 

秋も深まり、紅葉前線も次第に里へと下りてきた11月末、手軽に列車でアクセスできる山を歩いて紅葉を楽しみたいけど、高尾山のような超有名な山は大混雑が予想されるので敬遠したい、というわがままを聞いてくれる山はないかとリサーチし見つけた高川山大月駅までは新宿から特急で1時間、その隣の初狩駅から登って1時間半ほどで頂上に到達できるというアクセスの良さ、そして山頂からは雄大な富士山が眺められるという景色の良さから、この高川山に登ってみることにしました。

コースを考えていて気になったのが、頂上への最短距離となる初狩駅からの登山だと、山の北側斜面からのアプローチになるということです。日も低くなったこの季節、まだ体も温まりきらない朝から日当たりのない山道を延々歩くのは、気分的にも少し抵抗があります。そこで、当初は下山ルートとして考えていた大月駅からの尾根をたどり、高川山山頂を目指すことにしました。

新宿8:14発 JR中央本線 特急かいじ55号で出発。アクセスが良いので少しゆっくり目のスタートです。大月には9:19着。駅を出て駅正面の道を100mほど進むと国道20号線に出ますが、その角にデイリーヤマザキがあり、ここが登山口までの最後のコンビニとなるので、飲み物やお菓子などを追加補給しました。そこから国道20号線甲府方面に大月の街の中を10分ほど歩き、桂川を橋で渡ったところで川に沿って左折、すぐに目に入る大月中央病院を過ぎたあたりで小さな案内看板に従い細い道を右折して住宅街に入り少し歩くと、民家の庭先のようなところから登山道が始まっていました。大月駅からここまで1.5㎞、20分ほど。

まず最初に目指すのがむすび山と呼ばれるピークですが、登山口からはものの10分ほどで到達できました。むすび山に登る途中、木々の間から見えた北側の山々の山肌は少し枯色が多いかなという感じで、高いところには雪らしき白いものも見えます。もう冬はすぐそこまで近づいています。f:id:nikonikotrain:20201124005348j:plain

むすび山はベンチがおいてあり、手軽に訪れることができる、市民憩いの展望台といった感じの場所でした。木々の間からは大月市街や富士山を見ることができます。

ここからは尾根筋をたどって歩きます。色づいた葉が秋の陽に照らされ輝いていて、とても気持ちのいいハイキングです。時折木々の隙間から富士山も見えました。

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木によってはまだ緑の葉が多いものもありますが、それがまた変化のあるグラデーションを作り出していて良いものです。

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陽の光に輝く葉と枝葉がつくる陰が見事な紅葉の世界、上を見ても下を見ても万華鏡のような美しさ。このコースを選んでよかった!

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目には鮮やかな風景が広がっていますが耳は静寂というわけではなく、意外にも車や列車の走る音が聞こえてきます。それもそのはず、右の斜面下には中央高速と国道20号線JR中央本線が、左の斜面下には国道139号線と富士急行線が走っていて、特に道路はどれも交通量が多いです。ちょうど木々の向こうを中央本線の特急が通過して行くのが見えました。f:id:nikonikotrain:20201124005529j:plain道は小さなアップダウンを繰り返し、林は相変わらずいろどり豊かで、歩いていて楽しいコースが続きます。

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むすび山の登山口から1時間ほど歩くと、見晴らしのいい場所に出ました。眼下に右から左に弧を描くのは中央高速の河口湖線で、さきほど右斜面下を走っていた中央高速の本線から分岐し河口湖を目指す支線です。このハイキングコースの下をトンネルで抜けて来ました。高速道路をまたぐアーチ橋はリニア実験線で、橋の右側のたもとあたりにはリニア見学センターがあります。f:id:nikonikotrain:20201124005604j:plain

大月方面の眺め。すぐ目の前のピークは菊花山でしょうか。この山の左側の稜線の向こう側あたりに大月駅があるはずです。f:id:nikonikotrain:20201124005614j:plain先ほどの見晴らしポイントから少し歩くと、山の向こうに顔を出す富士山が見えました。今回のコースではところどころで富士山がチラリと見えますが、全体像を拝むのは高川山山頂までおあずけです。がんばって山頂までたどり着こうというモチベーションを高める効果のある、いい演出だと思います。

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これから進む方向の稜線がけっこうな登り斜面になっているのが見えます。見なかったことにして目の前の楓の色づきに「きれいだなー」とつぶやいてみます。

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見なかったことにしても、歩いていればやがて道は急な登り坂になり、斜面に這わされたトラロープを伝って登ったところで小休止。少し標高が上がったからか楓が真っ赤に色づいていて、そこにスポットライトのように陽光があたり、目をみはる美しさ。

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その先も林の中をゴロゴロと岩が転がる急斜面を登り、ふと見えた下界の景色にけっこう高くまで登ってきたなあと感じつつ、さらに林の中を霜柱の残る急坂を登って行くと、13:20、とうとう頂上に到着!ゆっくり歩いて、大月駅からおよそ4時間の道のりでした。

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山頂からの富士山の眺めは雄大です!f:id:nikonikotrain:20201124005215j:plainf:id:nikonikotrain:20201124005219j:plain

東の方角には紅葉の山々が連なっているのが見えます。写真右側、向こうの山からこちらの山に田園を跨いでいる高架橋はリニア実験線です。f:id:nikonikotrain:20201124005229j:plain

山頂では昼食を食べコーヒーを飲み、1時間少々の休憩をとりました。富士山を照らす太陽の光の逆光具合も少し強くなってきたような感じがします。この日は幸いこの時間でも富士山は雲に隠れることなく姿を見せてくれていましたが、富士山は朝方は見えていたけどお昼には雲の中、ということも多いので、その意味では大月から長い時間歩いて山頂を目指すよりも、初狩駅からスタートして短時間で一気に登ってしまったほうが、富士山が雲に隠れてしまうリスクを回避できる可能性は高いのかもしれません。f:id:nikonikotrain:20201124005254j:plain

山頂の居心地が良すぎてつい長居をしてしまいましたが、富士急行線禾生かせい)駅を目指して下山します。林の中を下山していると秋の短い日はすっかり山に隠れ、寒々とした日陰を歩くこととなりました。やがて里に下りてくると、夕日に照らされ陰影のついた山肌が、秋の夕暮れらしさを感じさせてくれる風景が広がっていました。f:id:nikonikotrain:20201124005259j:plain

夕日を受けシルエットとなった富士山。やはり山頂から見るのとは視点が違い、今はもう里から見上げるという感じの見え方です。
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西日に輝く紅葉の山肌。f:id:nikonikotrain:20201124005325j:plain

山頂から2時間弱で禾生駅に到着。ここからは富士急行線の河口湖行き列車に乗って2駅先の都留市駅に向かい、駅前の「寄り道の湯」という温泉施設で汗を流します。

都留市に停車する河口湖行き。もと山手線の車両で、山手線を引退した後は京葉線で活躍し、ここが第3の職場です。ホームの柵の外の黄色いトゲトゲに「ここを歩くな」の強いメッセージ性を感じます。f:id:nikonikotrain:20201124005336j:plain

 下り河口湖行きと上りJR直通特急富士回遊号の行き違い。特急は都留市を通過してしまいますが、見たところ行楽帰りの乗客で満員でした。f:id:nikonikotrain:20201124005342j:plain

温泉ですっきりした後は、電車で大月に出て駅近くの居酒屋でビールとつまみ、シメにほうとう。登山で消費したカロリーを補給(?)し、大月20:38発 特急かいじ24号で帰途につきました。

 

新宿から特急で1時間の大月駅からスタートできるアクセスの良さ、彩豊かな紅葉の林の中のハイキングから、ロープを伝って急坂を登る登山らしさもありつつ到達した山頂からの富士山の絶景、そして下山後の駅近温泉。高川山は、訪れやすくも、山歩きの楽しさを存分に感じられる、素敵な山でした。 

 

2019年11月30日

 

<徒歩>

大月駅 ---> 高川山山頂 約4時間

高川山山頂 ---> 禾生駅  約2時間

 計 約6時間 (コース上での小休憩含む。山頂での大休憩は含まず)

 

<温泉> 

【公式】山梨泊まれる温泉より道の湯 (yorimichinoyu.jp)

 

<交通機関利用>

新宿 8:14 ---> 大月 9:19 JR中央本線特急かいじ55号 

乗車券1,342円 特急券920円(チケットレス割引) 

禾生 ---> 都留市  富士急行線普通 5分 乗車券224円

都留市 ---> 大月 富士急行線普通 20分 乗車券468円

大月 20:38 ---> 新宿 21:39 JR中央本線特急かいじ24号 

乗車券1,342円 特急券920円(チケットレス割引) 

 計 5,216円

* 土曜・休日の利用なら、大月までのJR線乗車券は、利用開始駅によっては休日お出かけパス(2,720円)利用がお得。(利用開始駅が休日お出かけパスの乗り放題エリア内で、利用開始駅から大月駅の片道運賃が1,360円以上の場合)休日お出かけパス利用でも、特急に乗るときは特急券を別途購入要。

おトクなきっぷ:JR東日本 (jreast.co.jp)

 

<注意>

・最新の公共交通機関の時刻、運賃は、最新の時刻表等でご確認ください。

・山歩きのルート、コースは最新の情報をもとに充分ご検討の上、各自に合ったプランを立ててください。

・山歩きをされる際には必ず充分な装備と最新の地図を持参してください。