そこに線路があるかぎり

鉄道旅も、そのほかの旅も。子供と出かけた休日のこと、まち歩き、山歩き、グルメ、温泉、観光情報。国内・海外 紀行ブログ。

【インド】広いビーチと白亜の教会、庶民的な街並み 南インド チェンナイ駆け足観光(2016年)

スポンサーリンク

南インドの中心都市チェンナイで仕事の合間の休日。ホテルのレセプションにチェンナイの観光情報を聞きに行くと、時間単位で車を仕立てて観光スポットを回ることができるとのこと。チェンナイの観光情報は特に調べていなかったので、いろいろ回ってもらえるとは好都合です。3時間のコースをお願いし、チェンナイ市内観光に出発しました。 

 

ドライバーに、どこに行きたいか、と聞かれましたが、こちらも特に具体的な観光地を知っているわけでもなく、チェンナイで見ておくべき有名な観光地をまわって欲しい、と、おまかせコースを依頼すると、まず連れていかれたのは土産物店。仮にも世界に名の知れた有名ホテルのレセプションのアレンジだったので安心はしていたのですが、やはりここはインド、出発から10分と経たず、このドライバーと観光ツアーがいかなるものかを察することとなります。時間がもったいないので、「土産はいいから観光地に連れて行ってくれ」と言うも、「まあそういわずに見るだけでも」と勧められ、確かに土産も買いたいと思っていたところでもあったので、インドっぽい適当な土産物をいくつか買って車に戻ると、ドライバーは「もう買ったのか?欲しいものがなかったか?別の土産物屋に行くか?」と、この人はもしかして土産を買うために車を出しているつもりなのではないかと思うほど土産物屋に連れて行きたがるので、とにかく土産物屋以外の場所を指定しようと、「ビーチに行ってくれ」と依頼しました。持ち合わせていた数少ない観光情報として、チェンナイには街の中に広いビーチがあるということは知っていました。

世界で2番目に長いビーチ?

やって来たのはマリーナビーチ。駐車場に入り、ここで待っているから、というドライバーと別れて砂浜に足を進めてみるとなかなか幅の広いビーチで、海などは見えません。地図を見てみると砂浜の幅は300m以上もあるようで、300mといえば東京メトロ丸ノ内線新宿駅新宿三丁目駅の間の距離と同じ、つまり新宿駅を出て伊勢丹までがずっと砂浜と考えると、なかなか広いビーチであると感じます。そしてこのビーチは世界で2番目に長いビーチとのこと(世界一はバングラデシュとか)。ただ、ビーチの長さと言ってもどこからどこまでを測るのかあいまいですし、砂浜として続いていても途中で名前が変わったら?途中に川が流れ込んでいてビーチが途切れたら?など、要件定義が難しそうな 状況がいろいろ考えられますし、地図を見る限りではそれほど長いビーチにも見えませんので、個人的には「?」とは思います。

砂浜には馬が。この広いビーチを馬で走ったら気持ちがよさそうです。f:id:nikonikotrain:20210215012921j:plain

f:id:nikonikotrain:20210215012737j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215012915j:plain

屋台もたくさん出ていて、いろいろなものを売っています。黄色いビニールシートが張られた海の家(?)には、微妙な感じのキャラクターも。
f:id:nikonikotrain:20160117162538j:plain

f:id:nikonikotrain:20210215012744j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215012910j:plain

道を歩くより何倍も体力を使う歩きにくい砂の上を苦労して歩き、やっとのことで波打ち際にたどり着くと、たくさんの人々で賑わっていました。意外なことに水着を着てガッツリ泳いでいる人はおらず、みんな服を着たまま、波と戯れています。砂浜をずっと先まで目でたどると港湾のクレーンが見え、ここが都市のビーチであることを感じさせます。

f:id:nikonikotrain:20160117162029j:plain

f:id:nikonikotrain:20210215012852j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215012833j:plain

水はそれほどきれいではなさそうですが、大都市にこれほどの規模の砂浜があるとは市民の憩いの場として大いに価値のあることだと思います。

サントメ大聖堂は白亜の教会

 マリーナビーチに沿って走る道を南に進むと、左窓に続いていたビーチが街並みに変わり、やがて白亜の教会が見えてきます。ここがサントメ大聖堂です。キリストの12使徒のひとり、聖トーマスの墓に隣接して建てられた教会で、16世紀にポルトガル人によって作られたとのこと。現在の建物は1893年にイギリスによって再建されたものだそうです。インドでキリスト教会とは意外な感じがしますが、日本の外務省のウェブサイトに載っていた2011年のインド国勢調査による宗教の比率では、キリスト教徒が2.3%だったそうです。ヒンドゥー教79.8%、イスラム教14.2%のトップ2と比べると大きな差がありますが、インド南部はキリスト教徒が多く、チェンナイのあるタミルナードゥ州のキリスト教比率は、インド全体の数字の倍近くになるのだとか。
外観は真っ白で美しく、南国の教会らしい感じがします。

f:id:nikonikotrain:20210215013010j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215013023j:plain

中に入ってみると教会らしい厳かな雰囲気で、信者の方が熱心に祈りをささげていました。

f:id:nikonikotrain:20210215011334j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215011335j:plain

にぎわいの旧市街ジョージタウン

サントメ大聖堂を見て車に戻ると、ドライバーが「次はどこに行きたいか、もっと土産を買ったほうがいのではないか」と、またもや土産屋を勧めてくるので「土産はいいから旧市街に連れて行ってくれ」と頼みました。ホテルのレセプションで申し込んだ車だったので、おまかせでめぼしい観光名所を巡ってくれるのかと思っていましたが、いちいち行先を指定しなければならないようです。これだったらあらかじめどういう観光地があるか予習しておくべきでした。
チェンナイではジョージタウンという地区が旧市街にあたるようです。車を降りるとまず目に入ったレンガ造りの西洋建築はマドラス高等裁判所で、インドでもコルカタにあるものに次いで、2番目に古い高等裁判所とのこと。マドラスは1996年のチェンナイに改称される前のこの街の呼び名です。

f:id:nikonikotrain:20210215011353j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215013030j:plain

高等裁判所から大通りを渡ると、アジアらしい雑多な感じの街並みが広がっていました。

f:id:nikonikotrain:20210215013210j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215013150j:plain

オートリクシャーもたくさん走り回っていたり、屋台が並んでいたり、旧市街らしい活気があります。

f:id:nikonikotrain:20210215013118j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215013109j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215013055j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215013036j:plain

しばらく旧市街の街歩きを楽しみ車に戻ると、相変わらずドライバーから次の目的地を聞かれますが、特にもう具体的な場所のアイディアもありません。まだチャーター時間は余っていましたが、ドライバーに聞いてもおすすめの観光地の提案もなかったので、熱い中歩いて疲れてきましたし、もうホテルに戻ってくれ、と依頼しました。ふと、デリーにいたときからあまりストリート牛を見てないことを思い出し、「チェンナイには牛はいないのか」と聞いてみると「牛なんてどこにでもいる」との答え。「でもどこにも見当たらないじゃないか」と言うと「昼間は暑いから寝ている」と言われ、なんだか適当にごまかされているような気がしていると、「ほら!」とドライバーが指さす先には、ロータリーの植え込みで草を食べる牛が!
犬とにらみ合ったと思えばまた草を食べ始め、丸い植え込みの中をグルグル。

f:id:nikonikotrain:20210215013249j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215013235j:plain

何のモニュメントかわかりませんが、青く丸い何かの後ろに回り込んだ牛がカタツムリのようで、でんでんウシウシかたつむり、と思わず口ずさみたくなります。

f:id:nikonikotrain:20210215013257j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215013311j:plain

 結局そのあとは、せっかく時間も余っているし絨毯でも見ていけ、と強引に絨毯屋に連れていかれ、興味のない絨毯を見せられ、店主のセールストークの相手で疲れが1.5倍くらい増されてからホテルに帰りました。

港を臨むビルの上から古い街並みを見下ろす

市内観光をした翌々日、仕事で訪れた会社が所在していたのはジョージタウンの近く。ビルの窓から、チェンナイ港に停泊しているクルーズ船が見えます。

f:id:nikonikotrain:20210215013629j:plain

港と反対側に広がるアジアらしい雑多な街並みがいい感じです。

f:id:nikonikotrain:20210215013617j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215013739j:plain

路地を行き交う人たち。

f:id:nikonikotrain:20210215013733j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215013804j:plain

見下ろした隣の家の軒先には牛が。

f:id:nikonikotrain:20210215013728j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215013722j:plain

この牛は飼われているようです。

f:id:nikonikotrain:20210215013817j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215013812j:plain

ストリート牛はあまり見られず残念でしたが、牛が市民の身近な存在であることが感じられたインド滞在でした。

さて、1週間ほどのインド滞在でしたが、3日目くらいからおなかの調子がよくありませんでした。滞在していたホテルは外資系の有名な名前のところだったので心配はないかと思いましたが、あとになって、高級ホテルでも洗面やシャワーの水であたることもあるようなので、念のため歯磨きにもペットボトルの水を使ったほうが良いという話も聞きました。私は水道水でガシガシ歯磨きをしていたので、それも原因かもしれませんが、庶民的な食堂で食べた昼食や、仕事先で出して頂いた庶民的な食堂のテイクアウトと思われる昼食、そして昼食とともに出された「そこの道端で売っているおいしいフレッシュいちごジュースを買ってきたよ、さあ、おいしいから飲んでみて!」と勧められ断りづらくて飲み干したジュースなど、疑わしいものの心当たりもたくさんありました。
おなかの調子が悪く、トイレから100メートル以上離れると不安を覚える状況で帰路につきましたが、乗り継ぎ地香港の空港ラウンジの食事がたいへんおいしく、腹の具合のことなど脳みその片隅に追いやり夢中で食べてしまいました。

f:id:nikonikotrain:20210215012637j:plain
f:id:nikonikotrain:20210215011354j:plain

 おなかの調子は帰国してからもしばらく悪く、1週間ほどの滞在だったにもかかわらず、回復するまでに帰国から2週間ほどかかりました。

 

2016年1月