そこに線路があるかぎり

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鉛色の空の下 カスピ海を吹き抜ける寒風と打ちつける波  白い壁の港町【アクタウ/カザフスタン】(2017年)

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カスピ海に面したアクタウはカザフスタンの重要な港のひとつで、国内で生産された石油や穀物などがここから輸出されています。近年はパイプラインの整備がすすみタンカーでの石油輸出量が減っているそうですが、それでもまだ港を見ればタンカー用バースが多くあり、依然石油がアクタウ港の主要な取扱品目であることが感じられます。
このアクタウに仕事で訪れたのは2017年11月のこと。1か月弱の滞在中、空いた時間に町をぶらぶら歩いたときの写真をご紹介します。

白い壁の上に広がるアクタウの町

アクタウは人口18万人、広さ77㎞2の地方都市です。カザフスタン最大の都市、アルマトイ(ロシア語ではアルマアタ)で飛行機を乗り継ぎアクタウ空港に到着したのは夜でした。迎えの車に乗り空港を出ると街灯のほかは周囲に何も明かりのない寂しい道が続き少し不安にもなりますが、遠くに見えていた街灯りがだんだんと近づき、大きくなってくる安心感を覚えながら30分ほど乗ると、宿泊するホテルに到着しました。
翌日少し時間ができると、まずは何と言ってもカスピ海が見てみたいと思い、海岸を目指して歩きます。海沿いを走る道路を渡ると目の前に広がったカスピ海は、鉛色の空の下、波が岩に砕け、荒々しい冬の海の姿を見せていました。

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振り返ってみれば、今下りてきた崖の上に建つ建物が。アクは白、タウは壁の意だそうで、アクタウの町はその名のとおりこの壁のような乾いた崖の上に広がっています。

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町は、新しいビルは個性的なデザインのものもちらほら見かける一方で、画一的なアパートがずらりと建ち並ぶ、典型的な旧ソ連の町の風景も目立ちます。

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アクタウはかつては、シェフチェンコという名前の町でした。由来となった、詩人で画家のシェフチェンコさんの名を冠した公園には、シェフチェンコさんの銅像が。

 

 

 

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カスピ海の寒風吹きすさぶ遊園地

市の中心部を南に貫くメインストリートが下り斜面にぶつかり二手に分かれるところには観覧車がありました。海から斜面を駆けあがる寒風が容赦なく襲ってくるこの丘の上の観覧車は冬だからか営業はしていませんでしたが、下から見上げるとゴンドラは密閉型ではなくオープンエアーなタイプで、見るからに寒々しく、この寒さの中乗ったら頂上に着く前に凍えてしまいそうだ、と思います。

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観覧車の公園から海を見下ろす崖上の道を2㎞ほど北に向かったところの海沿いにも遊園地がありました。こちらも人気はなく、完全にシーズンオフの様相を呈しています。

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夕食を食べてホテルに帰る途中、火の灯る戦没者慰霊のモニュメントがありました。ロシア圏ではよくこのようなモニュメントを見かけますが、燃える火が、寒い夜に暖かな安らぎを与えてくれます。

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カスピ海名産 チョウザメを食べる

ホテル近くにあったハンバーガーショップはなかなかおいしく、滞在中何度も通いましたが、アクタウで最もおいしかった食べ物はチョウザメです。

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カスピ海キャビアの産地として知られますが、キャビアは魚卵で、その親がチョウザメです。
市内のシーフードレストランに行くと、水槽にチョウザメが泳いでいました。

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チョウザメは、外見がサメに似ていることからサメという名前が入っているだけで、生物分類上はサメとはまったく異なる魚だそうです。大昔から生息していた古代魚に分類され、国際自然保護連合レッドリストでは準絶滅危惧種に指定されているとのこと。そんな魚を食べてもいいのかと不安になりますが、シーフードレストランでは普通にメニューに載っています。
注文したのはチョウザメのスープとチョウザメのソテー。食べてみると、程よく脂がのりつつも身の締まったおいしい白身の魚でした。

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仕事先でも、オフィスの庭で炭焼きにしたチョウザメをふるまってくれました。香ばしくグリルされたチョウザメもまた絶品です。

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チョウザメは日本ではマイナーな食材ですが、日本国内でも養殖している地域があり、そこでは食べることもできるようです。カスピ海まで出向かずともチョウザメを味わうことができるとは嬉しいことで、いつか行ってみたいと思います。

 

2017年11月~12月