栃木県足利市にある足利学校は日本最古の学校と言われています。起源は奈良時代の国学の遺制説、平安時代の小野篁説、鎌倉時代の足利義兼説など諸説あるようですが、いずれにしてもとても長い歴史があることには変わりありません。2025年2月、そんな長い歴史を持つ日本最古の学校を訪れてみました。
栃木の名産 いちご販売店に寄り道
せっかく足利を訪れるなら、ちょうどシーズンでもある、栃木の名産いちごを食べたいので、観光マップを見て足利近くのイチゴ農園の販売店さんを訪れました。
店頭で試食をさせて頂くと、東京で食べるイチゴとはまったく別もののおいしいイチゴに驚きを隠せません。おみやげをたくさん買い、イチゴの香りで満たされた車でいざ足利学校へ。
足利市街にある足利学校
足利学校は足利市の市街地にあります。JR両毛線足利駅から歩いて10分ほど、東武伊勢崎線の足利市駅からも歩いて15分ほどなので、鉄道でのアクセスもよい場所です。東京から行く場合は、浅草からの東武特急りょうもう号を利用すれば、足利市まで直通で1時間20分ほどです。
車の場合は、太平記館の無料駐車場に駐車して、足利学校まで徒歩5分ほど。
駐車場から足利学校に向かう途中の歩道橋からは、足利学校が良く見えます。
なお、歩道橋の下には横断歩道もあるので、わざわざ歩道橋を通らなくても、太平記館から足利学校に行くことができます。歩道橋に登ったのは、足利学校を上から見るためです。
歩道橋から足利学校沿いの道を進み、突き当りを左へ、そしてまた次の突き当りを右に行くと足利学校の入り口、「入徳門」があります。
ここを入ると、右側にチケット売り場があります。
足利学校 参観料
一般 480円
高校生 240円
小中学生(市外)120円
交通系電子マネー利用可
受付時間
4月~9月 午前9時から午後4時30分
10月~3月 午前9時から午後4時
歴史を感じるさまざまな建物が
チケットを買い、進んだ先には「学校門」があります。
学校門の手前には稲荷神社が。学問のご利益があるそうです。
学校門を入るとすぐ左手に、遺蹟図書館があります。ここは足利学校が廃校になったのちに開設された、書物を継承し後世に引き継ぐべく建てられた建物。現在の建物は1915年(大正4年)に建てられたものだそうで、市重要文化財に指定されています。
靴を脱いで中に入ってみると、図書館ではなく、刀剣などが展示される展示スペースとなっていました。ここを訪れるまで知りませんでしたが、足利学校ではかつて刀が作られており、中でも安土桃山時代に造られた山姥切国広という刀は、名刀として知られているのだとか。
遺蹟図書館を出て左、ちょうど学校門から入ってまっすぐ突き当たったところにあるのが孔子廟です。
1668年、徳川幕府四代将軍家綱の時代に、中国明時代の聖廟を模して造営されたものだそうです。
復元された方丈と庫裡
足利学校でひときわ目立つ茅葺の建物が方丈です。隣接する庫裡や庭園などとともに、1990年に復元されたものだそうです。
方丈は講義や学習が行われたところで、つまり足利学校の学校機能の中心といえるもの。たくさんの人が縁側でひとやすみしていました。
方丈には、庫裡から中に入ることができます。縁側へは、ここから入って建物内からアクセスします。
入口には「宥座の器」がありました。これは「ゆうざのき」と読み、孔子が弟子たちに「満ちて覆らないものはない」と教えたものだとか。ぶら下げられた器に傍らのひしゃくで水を入れていくと、中が空だと傾いていた器が、ほどよい量の水が入るとバランスよくとどまり、さらに水を入れると器はまた傾いて、中の水がすっかりこぼれて空っぽになってしまうというもの。
方丈の縁側の前には南庭園、その反対側には北庭園がつくられています。
北庭園ごしに孔子廟が見えました。
一通り方丈の中を見学し、外に出ます。
庫裡の前に建つ衆寮は、学生が勉強したり、生活したりしていたところ。ここも1990年に復元されたものだそうです。
いまでは考えられない学習環境に、学ぶという事に対する姿勢について考えさせられます。
閉門時間が近づくと、方丈からも人影がなくなりました。
足利氏の氏寺 鑁阿寺は日本100名城のひとつ
もう日も暮れかけていますが、足利学校を後にして、鑁阿寺に向かいます。鑁阿寺は、ばんなじ、と読み、足利学校の斜め裏あたりに位置しますが、足利学校の出入り口が鑁阿寺とは反対側にあるため、町の中を歩いて行きます。
足利学校のレトロな街並み。足利学校から鑁阿寺へは歩いて5分くらいです。
鑁阿寺は1197年に足利良兼によって建立されました。もともとここは足利氏館だったところで、日本100名城のひとつにも数えられています。
かつての城跡とあって、周囲には濠が。屋根付きの橋を渡って境内に入ります。
本堂は国宝に指定されています。
本堂の他にも、国指定重要文化財の一切経堂や、天然記念物の大銀杏など、みどころがたくさんあります。
夕食は佐野ラーメン
やはりここまで来たら食べておきたいのが佐野ラーメンです。
今回は「麺や大山」さんを訪問。佐野市の中では北部にあり、足利学校からは車で30分かからないくらいのところでした。駐車場も完備しています。
営業時間はお昼の部11:00~14:30と、夜の部17:00~20:00に分かれていて、到着したときは夜の部が始まってそれほど時間が経っていない頃でしたが、お店の前の待合ベンチには10人くらいの人が待っていました。
30分ほど並んで食べたラーメンは、佐野ラーメンらしいスープと麺、そしてとろとろのチャーシューが口にとろける、大変おいしいラーメンでした。(写真はチャーシューめんとワンタンめん)
2025年1月