どういうきっかけか、岩手に興味を持った子供のリクエストで、冬の岩手1泊2日旅行に行くことにしました。岩手と一言で言っても、岩手は北海道に次ぐ広さの都道府県、たくさんの魅力的なスポットがあります。どこに行こうかと迷いましたが、私が行ってみたいと思っていた温泉がある花巻に泊まることにして、その周辺の観光地を訪れてみることにしました。
花巻へは東北新幹線で
花巻市は、県庁所在地の盛岡市の南にあります。東北新幹線で行くと盛岡のひとつ手前の新花巻が花巻市への玄関口となりますが、古くからの市街は、在来線の東北本線の花巻駅周辺で、新花巻から花巻へはローカル線の釜石線で2駅です。
今回の旅行では駅レンタカーを利用しようと思いますが、あいにく駅レンタカーは新花巻の両隣、北上か盛岡にしかなかったため、北上駅の駅レンタカーを予約しました。北上から花巻へは東北本線で2駅の距離です。
乗車する新幹線は、東京8:45発のやまびこ53号。この列車は、やまびこ号でありながら、E5系10両に、こまち用のE6系7両もつないだ17両編成で、ぜんぶの車両がやまびこ号として終点の盛岡まで運転されます。面白いのは、E6系のグリーン車を除く6両すべてが自由席になっていること。E5系の東京寄り3両も自由席があり、E6系側の6両とあわせると9両も自由席が設定されています。旅行の日程を決めたときに、すでに朝の東北新幹線下りの北上までの指定席で、家族4人がまとまって座れる席が残っていなかったため、自由席を利用することにしたのですが、自由席が多いやまびこ53号ならば、着席のチャンスも多いだろうと期待していました。E6系は車両が小型なのでE5系よりも1両あたりの座席数は断然少ないですが、それでも9両という自由席は多いです。こまち号では全席指定のE6系に自由席として乗れるのもいいチャンスです。
こまち号用E6系の「やまびこ」「自由席」表示。
荒川を渡り東京都から埼玉県へ。富士山が見えました。
那須塩原のあたりから車窓に雪が見え始め、福島県では一面の雪景色に。
宮城に入ると青空が広がりました。
東京からおよそ3時間で北上に到着。定刻では11:45着の予定でしたが、この日は東北新幹線のダイヤが乱れており、東京出発時点から遅れが生じていたため、12時過ぎの到着となりました。
やまびこ53号のE5系は、ディズニーのラッピング車両、マジカルジャーニー新幹線でした。このラッピング編成は1本だけしかなく、毎日充当される列車が違います。基本的に前日になると翌日の充当列車が発表されるので、あらかじめ狙って乗ることは難しいのです。実は、東京駅で入線したときにマジカルジャーニー新幹線であることに気づいたのですが、すでにE6系側の自由席列に並んでいたため、はるか先のE5系側の自由席に移動することができず乗車はあきらめたのですが、特別な車内チャイム、アナと雪の女王の「ありのままに」はE6系側にも流れたので、マジカルジャーニー新幹線の乗車気分も味わえました。
昼食は「注文の多い料理店」で
花巻出身の有名人と言えば、何といっても宮沢賢治でしょう。花巻には宮沢賢治にちなんだ観光スポットがいくつもありますが、そのうちの1つ、山猫軒で昼食をとることにしました。山猫軒までは北上駅から車で30分ほど。
山猫軒とは、宮沢賢治の童話「注文の多い料理店」に出てくるレストランの名前です。
童話のなかのフレーズがあちこちに。
山猫軒の建物に入るとまずそこは土産物店になっていて、その奥にレストランの入り口があります。
レストランのドアの横には、「香水」「しお」「クリーム」が。注文の多い料理店を読んでいれば、その意味がわかります。
レストランに入ると大きな山猫がお出迎え。
メニューは郷土料理や定番の定食、洋食など。
早池峰山と新花巻駅を臨む展望台
山猫軒の横は展望台になっています。
雪を頂いた早池峰山、そして東北新幹線と釜石線が交差する新花巻駅が見えました。私たちは北上から来ましたが、ここは新花巻から近いです。
釜石線の上り列車がやってきました。1両編成、白い車体とあって、雪景色の中では目立ちません。
新幹線もやってきました。すごいスピードで雪原の高架線を走り去ります。
宮沢賢治記念館へ
昼食のあとは、山猫軒の近くにある宮沢賢治記念館へ。
ここでは宮沢賢治についていろいろと知ることができます。
花巻東高校であのメジャーリーガーのモニュメント
宮沢賢治記念館をあとに、花巻東高校に寄ってみました。ここは言わずと知れた、大谷翔平選手や菊池雄星選手の母校です。
一面の雪に覆われた野球グラウンド。
バックネット裏には、2人のメジャーリーガーを記念したモニュメントがあります。
向かって左側は2021年に菊池選手と大谷選手がメジャーリーグのオールスターゲームに同時選出されたことを記念するもの。右側は、両選手が2023年に同時2桁勝利を達成したことを記念するもの。これからもどんどん看板が増えて欲しいものです。
駆け足でしたが、昔と今の花巻ゆかりの有名人にまつわるスポットを巡り、短いながらも楽しいひとときを過ごしました。
2025年2月