そこに線路があるかぎり

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【京都府】雨の日ならではの車窓風景 幻想的な渓谷の眺めが美しい 嵯峨野観光鉄道トロッコ列車の旅〔トロッコ亀岡~トロッコ嵯峨/嵯峨野観光鉄道〕(2022年)

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京都盆地の西のはずれ、景勝地として知られる嵐山から、美しい渓谷に沿って走るトロッコ列車が出ています。嵯峨野観光鉄道というその路線は、四季折々の美しい景色を楽しめることで観光客の人気を集めており、特に新緑や紅葉の時期には大変な賑わいを見せるそうです。
トロッコ列車というと、外の風を感じることができる開放的な車両であることが最大の特徴であり魅力であるわけですが、反対にその特徴ゆえに天候の影響を受けやすいのことが難点ともいえます。せっかく人気の嵯峨野観光鉄道トロッコ列車を予約したのに、あいにく天気は雨、というときは、キャンセルしたほうがいいのか、濡れる覚悟で乗ったほうがいいのか、誰もが迷うところかと思いますが、そんな雨の嵯峨野トロッコ列車に乗ってみると、車両を選べば雨でもまったく濡れることはなく、むしろ雨ならではの幻想的な景色を楽しむことができ、雨を狙って乗るのもアリなのでは?と思えるほどでした。2022年10月、そんな雨の嵯峨野トロッコに乗ったときのことをご紹介します。

嵯峨野観光鉄道 トロッコ列車について

廃線を復活させた嵯峨野観光鉄道

トロッコ列車が走る嵯峨野観光鉄道の線路は、もともとは国鉄JR西日本山陰本線の線路でした。川に沿ってカーブが続くこの区間は、保津川の渓谷に沿って走る風光明媚な景色が楽しめる区間として知られていましたが、その反面、川に沿ってカーブが続く線路は列車のスピードアップを阻むものでもありました。そこで国鉄は、山陰本線の嵯峨~馬堀間にいくつものトンネルと鉄橋で直線的に走る新しい線路の建設をすすめます。JR発足後の1989年、この区間が複線の新しい線路に切り替えられ、翌年には電化も完成、山陰本線の近代化が図られました。なお、この区間を含む山陰本線の京都~園部間には1988年から「嵯峨野線」という愛称が付けられています。
そして使用されなくなった旧線は景色が良かったことから、そのまま放棄するのではなく観光振興に活用することが検討され、1990年11月に嵯峨野観光鉄道株式会社が設立、翌1991年4月から観光トロッコ列車の営業が始まりました。なお、嵯峨野観光鉄道株式会社はJR西日本が100%の株式を保有しており、線路自体の所有もJR西日本のままです。嵯峨野観光鉄道は、線路をJRから借りて列車を運行する会社というわけです。

このように路線の一部を新しい線路に切り替えたあとの、残った旧線跡の活用法として、レールの上をサイクリングできるレールバイクというものもあります。

sokonisenro.net

嵯峨野トロッコ列車の車両について 

嵯峨野観光鉄道トロッコ列車、通称嵯峨野トロッコ列車ディーゼル機関車1両と客車5両からなる6両編成で、乗客が乗ることができる客車5両のうち4両は窓がついた車両、1両は窓がなく開放感のある「ザ・リッチ」や「リッチ号」と呼ばれる車両(車体には「ザ・リッチ」と書かれていますが、案内などでは「リッチ号」と書かれていることが多いです)になっています。客車はすべて国鉄の無蓋貨車(屋根がなく、貨物をバラ積みできる貨車)からの改造車です。
ディーゼル機関車トロッコ嵯峨寄りに連結されており、トロッコ亀岡行きは機関車が後ろから客車を押して、トロッコ嵯峨行きは機関車が前で客車を引っ張って運転されます。
なお、嵯峨野トロッコの車両はこの1本だけしかなく、この1本がひたすら行ったり来たりして全列車の運行をまかなっています。

これが窓付きの通常車両。このタイプの車両が4両あります。

車内は木製の椅子がボックスシートになっています。窓が大きいので通路側に座っていても景色が良く見えます。

1両だけあるリッチ車両。窓もなく、腰板部分も格子状に抜けているので、解放感抜群です。

なんとリッチ車両の座席部分はグレーチングになっており、どこまでも開放的な車両です。この車両に乗れば渓谷の風との一体感が味わえることでしょう。

機関車は国鉄の汎用型ディーゼル機関車DE10型。かつては日本全国どこでも見ることができましたが、最近はJRではだいぶ数が減っています。

嵯峨野トロッコ列車の運転区間と所要時間

嵯峨野トロッコ列車トロッコ嵯峨駅からトロッコ亀岡駅の7.3㎞を結んでいて、標準所要時間は下りトロッコ亀岡行きが23分、上りトロッコ嵯峨行きが26分です。(下り臨時便の81号は28分、上り定期最終便の16号は24分、上り臨時便の82号は29分)
途中にはトロッコ嵐山トロッコ保津峡の2駅があり、これらの駅で下車したり乗車したりすることもできます。トロッコ嵯峨駅はJR嵯峨野線嵯峨嵐山駅の目の前にあり、乗り換えも便利です。トロッコ亀岡駅はJR嵯峨野線馬堀駅から徒歩10分ほどのところにありますので、片道をトロッコ、片道をJRという形で往復することもできるほか、トロッコ亀岡駅からバスで11分のところにある乗船場から乗ることができる保津川下りの船旅と組み合わせ、行きはトロッコ、帰りは保津川下りというコースも人気があります。

トロッコ亀岡駅~保津川下り乗船場への連絡バス | 京阪京都交通株式会社 (keihankyotokotsu.jp)

ようこそ保津川下りホームページへ(保津川遊船企業組合) (hozugawakudari.jp)

嵯峨野トロッコの料金

嵯峨野トロッコは全席指定です。乗車運賃(座席指定料金込み)は1乗車大人880円、子供440円です。1乗車あたりの運賃なので、途中駅から乗ったり、途中駅で降りたりしても、1回乗るごとにこの運賃がかかります。この乗車運賃は普通車両、リッチ号とも同じ金額です。リッチ号という名前なので特別料金がかかるのかと思ってしまいがちですが、運賃は普通車両と変わりません。
子供と幼児の扱いは、子供運賃が必要なのは6歳以上12歳未満(小学生)で、6歳未満は、大人・子供を問わず、運賃を払っている人1人につき1人の幼児までは無料で乗ることができます。ただし、無料で乗車した場合は指定席の確保がされないので、幼児も1席を確保したい場合は子供運賃を支払って乗車券を購入しましょう。

嵯峨野トロッコの予約方法 

乗車券(座席指定込)は、乗車の1か月前の午前10時から発売され、JR西日本の一部の駅(下記)や主な旅行会社で直接購入することができます。

【嵯峨野トロッコの乗車券が購入できる駅】

京都駅、亀岡駅二条駅嵯峨嵐山駅稲荷駅新大阪駅大阪駅鶴橋駅京橋駅新今宮駅JR難波駅天王寺駅奈良駅関西空港駅三ノ宮駅

また、JR西日本のネット予約サービス e5489 (イーゴヨヤク)でも購入することができます。会員登録が必要ですが、別にJR西日本の管内に住んでいる必要はないので、全国どこからでもネット購入できます。予約画面では列車名が「嵯峨野1号」「嵯峨野リッチ1号」のように、通常の嵯峨野号と別に嵯峨野リッチ号があるかのように見えますが、これらは同じ列車の車両が違うだけです。窓付きの通常座席を希望の場合は「嵯峨野x号」という列車名を、窓なしのリッチ車両を希望の場合は「嵯峨野リッチx号」という列車名を選択しましょう。くりかえしますが、リッチ号も普通車両も、運賃は同じです。
e5489 で購入した場合、トロッコ列車乗車までにJR西日本みどりの窓口や指定券発売機などできっぷを発券する必要がある点が要注意です。発券は嵯峨野トロッコの駅ではできず、JR西日本の駅で行わなければならないので、トロッコの駅に向かう前に忘れずに発券するようにしましょう。

予約がない場合、当日券も発売されます。当日券用に枠が残してあるのか、それとも予約で売れなかった分を当日券としているのかはわかりませんが、当日の朝からトロッコ保津峡駅を除く各駅で、その日の全列車分の当日券が発売されるそうです。嵯峨野観光鉄道のウェブサイトで当日券の空席状況を見ることができますので、事前に確認したほうがよいでしょう。

トロッコ列車乗車券・購入方法について | 嵯峨野観光鉄道 (sagano-kanko.co.jp)

運休日に注意

嵯峨野トロッコ号には運休日があります。繁忙期や祝日を除く毎週水曜日と、1月と2月のまるまる2か月間は運転がありません。乗車を計画されている方はご注意ください。

嵯峨野トロッコ列車へのアクセス

始発のトロッコ嵯峨駅は、JR嵯峨野線(正式名称は山陰本線)の嵯峨嵐山駅に隣接しています。京都から嵯峨嵐山までは、普通列車で17分、快速なら11分、1時間に普通3本、快速1本程度の頻度で運転があります。また、京福電鉄嵐電嵯峨駅からは徒歩5分ほど、阪急電鉄の嵐山駅からも徒歩20分ほどの距離にあり、比較的交通の便は良いところにあります。

一方、終点のトロッコ亀岡駅は、JR嵯峨野線の馬堀(うまほり)駅から徒歩10分ほどのところにあります。馬堀は普通列車しか停まらない駅ですが、京都から25分ほどで到着します。普通列車の運転本数は1時間に3本が基本ですが、その3本のうち1本が途中の嵯峨嵐山止まりになってしまう時間帯もあり、このときは馬堀まで来る列車は1時間に2本となってしまいます。
なお、ややこしいことですが、JR嵯峨野線には亀岡駅があり、あたかもこの駅がトロッコ亀岡駅への乗換駅のような勘違いをしがちですが、トロッコ亀岡駅の最寄りはJRの亀岡駅のひとつ手前の馬堀駅です。トロッコ亀岡から嵯峨野トロッコに乗ろうとしている方は気をつけてください。

雨の嵯峨野トロッコに乗る

嵯峨野トロッコにはずっと乗りたいと思っていましたが、その機会を持てた日はあいにくの雨。さすがに雨の日は空いているかと思いきや、ネットで空席情報を見ると、週末とあってか混雑している模様です。時間の都合上、乗ることができるのは夕方の便だけだったので、トロッコ嵯峨発の下り列車か、その折り返しのトロッコ亀岡発の上り列車か、その両方かを迷いましたが、上り列車のほうが多少空いているようだったので、トロッコ亀岡発の上り列車に乗ることにしました。

京都からJR嵯峨野線普通列車で25分 馬堀駅

トロッコ亀岡駅はJR嵯峨野線馬堀駅からおよそ600m離れたところにあり、徒歩10分ほどかかります。馬堀は京都から普通列車で25分。快速は停まりません。
JR嵯峨野線の乗り場は京都駅の大阪よりの外れにあり、他の路線のホームとは少し離れています。京都駅での乗り換えには思いのほか時間がかかる可能性があるので、乗り換えには時間の余裕を持ったほうが無難です。
京都から乗った園部行の普通列車は、嵯峨嵐山を出ると一気に山の中に入って行きました。嵯峨嵐山から保津峡を挟んで馬堀までの3駅間で嵯峨野線保津川の谷を5回も渡りますが、そのうち3回は川と一緒に嵯峨野トロッコの線路も跨ぎます。また、さらにそのうちの1回は橋の上にある保津峡駅がある場所で、つまり保津峡駅のホームは保津川の渓谷と嵯峨野トロッコを見下ろすことができる絶景スポットになっています。

トンネルを出て保津川を渡り、またトンネルに飛び込む、ということが繰り返されます。直線的に敷かれた新線を走る列車のスピードは速く、線路付け替えによるスピードアップ効果を実感します。

11月も半ばを過ぎれば、このあたりの木々も色づいてくるのでしょうか。

馬堀駅に到着。神奈川県の京急線には馬堀海岸と書いて「まぼりかいがん」と読む駅があるので、京急ユーザーはつい「まぼり」と呼んでしまいがちですが、ここは「うまほり」駅です。

改札口を出ると、トロッコ亀岡駅の案内がありました。

小さな駅舎の馬堀駅トロッコ亀岡駅は、馬堀駅を出て左に行き、線路沿いの道を歩いて行きます。

 

案内看板もしっかりあります。

つきあたりを左に曲がり、嵯峨野線の線路をくぐって反対側へ。駅への案内とともに、ネット予約サービスのe5489で予約した人でまだ発券していない人はJRの馬堀駅でチケット発券するよう注意書きがあります。トロッコ亀岡駅ではe5489の発券ができないので、せっかく予約したのにトロッコに乗れない!ということにならないように気をつけなければいけません。

線路をくぐったら右へ。ずいぶんと鄙びな風景になりますが、前方に見える茶色い建物がトロッコ亀岡駅です。とにかくJRの線路に沿って歩けばいいので、道順は簡単です。

トロッコ亀岡駅から嵯峨野トロッコに乗る

トロッコ亀岡駅の入口。乗り場は2階にあります。

待合室にはたくさんのお客さんが列車を待っていました。観光バスでやってきた団体の方が多いようです。
ここのきっぷうりばでの乗車券購入には、交通系ICカードは使えるものの、クレジットカードは使えません。

改札口の上には編成と座席表がありました。ここで自分の指定席の車両と座席を確認しておきましょう。

ホーム1面、線路1本だけの駅です。横には嵯峨野線の線路があります。

この車止めの先にも線路を延ばし、馬堀駅まで延ばしてくれたら便利なのですが。。。向こうに見える高層マンションのあたりが馬堀駅でしょうか。

トロッコ亀岡駅の横を、嵯峨野線の列車が高速で通過していきました。

線路の向こう側にはたくさんの狸の置物が飾ってありました。

木々の向こうからトロッコ列車がやってきました。

ハロウィンのヘッドマークがついていました。車体塗装の下半分の山吹色の色合いがカボチャを思わせます。

雨にもかかわらず、解放感あふれるリッチ車両にもお客さんが乗っていたのにはびっくりです。リッチ車両は傘の使用は禁止だそうなので、カッパを着ている方が多かったです。

折り返し時間は短く、5分しかありません。あわただしく子供と列車の記念写真を撮って、いそいで車内に入りました。

ほどなくしてトロッコ嵯峨に向けて発車です。駅員さんによるお見送りが元気いっぱいです。

保津川の渓谷美を存分に楽しむ

トロッコ亀岡を発車するとすぐに、左から川の流れが近づいてきます。これからトロッコの旅を共にする、保津川です。保津川は何度も名前が変わる川で、上流部では上桂川大堰川(おおいがわ)などと呼ばれ、このあたりでは保津川、そして嵐山あたりからは桂川と呼ばれ、やがて淀川となって大阪湾にそそぎます。

貨車を改造したトロッコは、裸電球が車内を照らします。

窓についたツマミをもって窓を開閉することができます。

現在の嵯峨野線の線路の下をくぐります。

景色のよい区間では、徐行や一時停止のサービスもありました。

 

遠く嵯峨野線の線路が見えます。こんな直角に交わって、さらにそこからずいぶんと遠くまでやってきていることを考えると、直線的に短距離を行く新線に対し、いかに旧線が遠回りしていたかがわかります。

また嵯峨野線の橋が見えてきました。2度目の交差です。

雨と霧のおかげで幽玄な雰囲気となっている峡谷。こういう風景も峡谷には似合います。

トロッコ保津峡駅に到着しました。見ていた限りでは、ここで降りた人も、ここで乗る人もいなかったようでした。

保津峡駅は旧山陰本線時代はホーム2面に線路2本という行き違いができる駅でしたが、トロッコになって片方の線路は埋められて線路は1線だけになりました。駅舎はごく小さく、しかも駅舎を出るとすぐに吊り橋がかかっていて、駅の出入りにはこの吊り橋を使うという、今でいう秘境駅のような駅でした。現在の嵯峨野線保津峡駅までは歩いて15分程度かかるそうです。

保津川を渡り対岸へ 川の眺めが長く楽しめるのはどちら側の席?

トロッコ保津峡を出てトンネルをくぐると、列車は保津川を渡り反対の岸に。いままで進行左側に見えていた川が進行右側に見えるようになりました。嵯峨野トロッコ列車はコースの途中で1度だけ保津川を渡るので、右側に座っていても左側に座っていても、どちらでも川の景色が楽しめます。嵯峨から乗っても亀岡から乗っても、最初に川が見えるのは進行左側、途中で川を渡り、そこからは進行右側に川が見えるようになります。

線路際にもみじが植えられているところが多くありました。ライトアップの設備もあり、紅葉のシーズンにはさぞかしきれいなのだろうと思います。その反面、線路と川の間にこのように紅葉が植えられている区間が意外に多くあり、せっかくの渓谷美が良く見えなくなってしまっているところも多いという事は残念にも思います。

3たび、嵯峨野線をくぐります。

対岸に見えるのは星のや京都です。川の上を船に乗ってアクセスするというこの旅館、いつか行ってみたいものです。

星のやを過ぎてトンネルに入ると列車は減速、トンネルの中で止まってしまいました。ここがトロッコ嵐山駅で、うしろの車両はトンネル内にかかり、ホームが非常用と思しき幅が狭いものしかないので、乗降は前方の車両からとのことでした。

川の景色は左右どちら側も楽しめましたが、やはり最初に見えていた側のほうが川沿いの区間が長く、渓谷の景色も良かったと思います。もし座席指定の際に座席が選べるなら、トロッコ嵯峨から出る下り列車では右側、トロッコ亀岡から出る上り列車では左側のほうが、より渓谷の景色が楽しめるかと思います。

JR嵯峨野線を逆走して終着トロッコ嵯峨

トロッコ嵐山で数分間停車ののち、最後のひと区間トロッコ嵯峨へ。

右側の複線が現在の嵯峨野線です。

トロッコ嵐山を出ると、JR嵯峨野線の下り線に合流します。ここから終点のトロッコ嵯峨まではJRに乗り入れる形になるのですが、嵯峨野トロッコの線路が交わっているのはJRの下り線だけなので、そこを右側通行で逆走してトロッコ嵯峨まで向かうことになります。わずか1㎞とはいえ、この乗り入れがあることで嵯峨野トロッコのダイヤには大きな制約が生まれてしまっています。

有名な嵐山の竹林の道の踏切を過ぎ、終点トロッコ嵯峨に到着。

すぐ横にJR嵯峨嵐山駅のホームが見えます。

ハロウィンヘッドマークの色遣いが、車体のカラーリングとマッチしています。

山吹色部分に入っている黒い文様は、アールデコ調のデザインとのこと。

トロッコ亀岡駅では機関車がホームからはみ出して停まっていたので、機関車の顔が見えたのは初めてです。

札差の青地に白い星のマークは、かつてブルートレイン牽引の機関車に付けられていたマークかと思います。嵯峨野トロッコの線路だった山陰本線の旧線にはかつて、寝台特急出雲が走っていました。

列車は折り返し停車時間6分であわただしくまたトロッコ亀岡に向けて出発しました。

トロッコ嵯峨駅は嵯峨野トロッコの拠点駅で、建物も広々としていました。

駅前広場から見たトロッコ嵯峨駅(左)とJR嵯峨嵐山駅(右)。すぐ隣に位置していますが、雨をよける屋根などがあれば、雨にぬれずに乗り換えることができるのですが…

JRのホームからみたトロッコ嵯峨駅

帰りの伊丹空港でたこ焼き。

初めて乗った嵯峨野トロッコ列車ですが、想像以上の景色の良さに驚かされました。乗り心地も現代の新型車両にはない無骨なもので、渓谷の景色とあいまって冒険心をくすぐられ、この列車が人気である理由がわかった気がします。夕方、しかも雨の中の乗車でしたが、雨の渓谷の風景もまた幻想的で美しく、大変満足のいくものでした。また季節を変え、天気を変え、そして暖かい晴れた日にはリッチ号に、と、何度も乗ってみたくなる魅力にあふれた嵯峨野トロッコ列車の旅でした。

 

2022年10月