スマホにモバイルPASMOを入れたら、オートチャージの設定をしておけば、残額を気にすることなく利用することができます。ただ、モバイルPASMOへのオートチャージができるクレジットカードは関東私鉄が発行する10種類のみ。持っていなければ新規につくるしかありませんが、どのクレジットカードをつくればよいかが悩ましいところ。
そこで今回は、モバイルPASMOにオートチャージできるクレジットカードの特徴を比べてみました。
なお、モバイル端末で利用できるSuica、PASMOは、Android用が「モバイルSuica」「モバイルPASMO」、Apple用が 「Apple PayのSuica」「Apple PayのPASMO」と呼ばれていますが、この記事では特に記載のない限り、Android用、Apple用を総称して「モバイルSuica」「モバイルPASMO」と呼びます。
モバイルPASMOにオートチャージできるクレジットカード
下記の10種類のカードです。
1.京急プレミアポイントカード(京急電鉄)
2.TOKYU CARD(東急電鉄)
3.OPクレジットカード(小田急電鉄)
4.京王パスポートカード(京王電鉄)
5.SEIBU PRINCE CLUBカード セゾン(西武鉄道)
6.東武カード(東武鉄道)
7.京成カード(京成電鉄)
8.Tokyo Metro To Me Card(東京メトロ)
9.相鉄カード(相模鉄道)
10.横浜交通 hama-eco card(横浜市交通局)
PASMO オートチャージ サービスのお申し込み|モバイルPASMO
モバイルPASMOオートチャージ用クレジットカードを比較
PASMOにオートチャージができる各クレジットカードの特徴を比較してみましょう。
いろいろなバリエーションがあるカードについては、年会費がもっとも安く、もっとも標準的なバージョンのカードの情報を記載しています。
1.京急電鉄のクレジットカード「京急プレミアポイントカード」
標準的なカード : 京急プレミアポイントカードシルバー(UCブランド)
年会費 : 無料
ブランド : VISA,Master
入会申込 : Webで可能
<たまるポイント=京急プレミアポイント>
200円につき1ポイント(0.5%)
クレジットカード利用
・京急プレミアポイント加盟店 100円につき1ポイント
・加盟店以外 200円につき1ポイント
クレジットカード利用以外のポイント取得
・PASMO利用 (京急プレミアポイントwebサイトで会員登録要)
京急の駅ナカポイント対象施設で1回の買い物200円(税込)につき1ポイント
京急の駅構内の対象飲料自販機で1回の買い物90円(税込)につき1ポイント
たまったポイント利用の主な方法
・PASMOへのチャージは不可。(2024年4月5日以降は可能に)
・ポイント券(500ポイント単位。500円=500ポイント)へ引き換えて、京急プレミアポイント加盟店での買い物に利用。(2024年4月5日以降は1ポイント1円としてそのまま利用可能に)
・ANAマイルに交換 1000ポイント⇒400マイル
2.東急電鉄のクレジットカード「TOKYU CARD」
標準的なカード : TOKYU CARD ClubQ JMB
年会費 : 初年度無料、2年目以降年1,100円(税込)
ブランド : VISA,Master
入会申込 : Webで可能
<たまるポイント=TOKYU POINT>
1% (クレジットカード利用で貯まる0.5%分のプレミアムポイントと、「電車とバスで貯まるTOKYU POINT」0.5%の合計1%)
クレジットカード利用
・「ご利用代金Web明細サービス」登録ありの場合、200円につき2ポイント(1%)
・PASMO定期券購入で1%
・東急百貨店での買い物で3%(食品、レストラン、サービス施設は1%)
・東急ストア、プレッセでの買い物で200円(税抜)につき3ポイント(1.5%)
・東急プラザでの買い物で100円(税抜)につき3ポイント(3%)
・その他、東急系のショッピングセンターで3%など
・また、上記基本ポイント付保の他、回数、商品、日時によりポイントアップもあり。
クレジットカード利用以外のポイント取得
・PASMO利用のポイント
乗車自体ではTokyu Point はたまらない。
東急線に乗車した場合(東急線の自動改札を出た場合)「のるる」が貯まる。
「のるる」はTokyu Point とは別のポイント制度。たまった「のるる」はオリジナルグッズ等への景品交換にのみ利用可。
たまったポイント利用の主な方法
・PASMOへのチャージ可。
・東急グループの加盟店で1ポイント1円として利用。
・JALマイルに交換 2000ポイント⇒1000マイル
など。
3.小田急電鉄のクレジットカード「OPカード(小田急ポイントカード)」
標準的なカード : OPクレジット
年会費 : 初年度無料。2年目以降は前年度に1度でもクレジット払いの利用があれば無料。(クレジット払いの利用がない場合は550円/年)
ブランド : JCB,VISA,Master
入会申込 : Webで可能
<たまるポイント=小田急ポイント>
200円につき1ポイント(0.5%)(クレジット利用ポイントとして)
クレジットカード利用
・200円につき1ポイント(0.5%)
クレジットカード利用以外のポイント取得
小田急ONE(オーネ)サイトで「小田急おでかけポイント」にPASMOを登録し、同一月内に同一運賃区間の自動改札機での入出場を伴うPASMOによる定期券区間外乗車した場合
2回目から0.5%
7回目から4%
11回目から8%
26回目から12%
・小田急ポイントサービス加盟店での買い物時、カード提示で1%など
たまったポイント利用の主な方法
・PASMOへのチャージ可。
・特急券の購入ポイント積み立て(ロマンスカー@クラブ)
・小田急ポイント加盟店での買い物に利用(1ポイント=>1円)
・ポイント交換商品と交換
4.京王電鉄のクレジットカード「京王パスポートカード」
標準的なカード : 京王パスポートVISAカード
年会費 : 初年度無料。2年目以降は前年度に1度でもクレジット払いの利用があれば無料。(クレジット払いの利用がない場合は262円/年)
ブランド : VISA
入会申込 : Webで可能
<たまるポイント=京王ポイント、Vポイント>
0.5%相当のVポイント(クレジット利用ポイントとして)
クレジットカード利用
・200円につきVポイントが1ポイント(0.5%)
・定期券購入で京王ポイント0.5%とVポイント0.5%相当
クレジットカード利用以外のポイント取得
・PASMO利用の乗車ポイント「京王トレインポイント」
自動改札機での入出場を伴うPASMOによる定期券区間外乗車が対象。
同一月内同一運賃区間利用
5回から8回の乗車で1%
9回から16回の乗車で4%
17回から24回の乗車で8%
25回から32回の乗車で12%
33回以上の乗車で14%
(子供は1回目の乗車から50%)
・京王の電子マネー加盟店、自動販売機でのPASMO利用で0.5%。
・京王ポイントサービス対象店で0.5%~10%
たまったポイント利用の主な方法
「京王トレインポイント」
・京王ポイントに交換(1京王トレインポイント⇒1.1京王ポイント)または
・PASMOにチャージ(1京王トレインポイント⇒1円)チャージにはセブン銀行ATMを利用。(駅の券売機等では不可)
「京王ポイント」
・加盟店での買い物に利用(1ポイント=>1円)
・ポイント交換商品と交換
「Vポイント」
・Vポイントとして利用
・Vポイント1ポイント= 京王ポイント1ポイントに交換可。
5.西武鉄道のクレジットカード「SEIBU PRINCE CLUBカードセゾン」
標準的なカード : SEIBU PRINCE CLUBカードセゾン
年会費 : 無料
ブランド : VISA、Master、JCB
入会申込 : Webで可能
<たまるポイント=SEIBU Smile Point、永久不滅ポイント>
1000円で永久不滅ポイント1ポイント(0.1%)(クレジット利用ポイントとして)
クレジットカード利用
・1か月の利用1000円につき永久不滅ポイントが1ポイント(0.1%)
・定期券購入でSEIBU Smile Point と永久不滅ポイント0.1%
クレジットカード利用以外のポイント取得
・PASMO利用の乗車ポイント「乗車ポイントサービス」
「リピートプラス」(2023年4月1日から1年間)
同一月内に西武線の同一運賃区間利用 5回目から5%、8回目から7%、16回目から12%(スマホのPASMOの場合。カードPASMOの場合は上記よりそれぞれ3%減)
定期券区間内の乗車、企画乗車券としての乗車、また、池袋駅・高田馬場駅・西武新宿駅を平日朝 7:30~8:30に出場する乗車は対象外。
・西武プリンスクラブ加盟店での利用110円(税込)につきSEIBU Smile Point 1ポイント。
たまったポイント利用の主な方法
「SEIBU Smile Point」
・PASMOにチャージ 1ポイント=>1円。
1回あたりのチャージ金額は 100 ポイント以上 5,000 ポイント以内
1ポイント単位、月1回まで。セブン銀行で可。
・加盟店での買い物に利用(1ポイント=>1円)
・ポイント交換商品と交換
「永久不滅ポイント」
・SEIBU Smile Point への交換
・期間限定の特選アイテムと交換
6.東武鉄道のクレジットカード「東武カード」
標準的なカード : 東武カード
年会費 : 無料
ブランド : VISA、Master、JCB
入会申込 : Webで可能
<たまるポイント=TOBU POINT>
1%
クレジットカード利用
・東武鉄道チケットレスサービス(特急などの座席指定券購入)で5%
・定期券購入(モバイル端末で購入した、東武鉄道の駅が発駅のもの)1%
・1回のクレジット利用額が1000円以上の場合に0.5%
・TOBU POINT加盟店での利用で0.5%以上
クレジットカード利用以外のポイント取得
・PASMO利用の乗車ポイント「トブポマイル」
a)おでかけマイル
登録したモバイルPASMOで運賃を支払って東武線を利用すると3%
b)リピートマイル
同一月内に東武線の同一運賃区間利用
8回目から4%、16回目から8%、24回目から12%(カードPASMOもOK)
・その他
モバイルPASMOで駅構内の自動販売機や売店、駅ナカ店舗の利用
200円(税込)ごとに1ポイント(自動販売機は100円で1ポイント)
たまったポイント利用の主な方法
・トブポマイル:
PASMOにチャージ(トブポマイル) セブン銀行で可。
1マイル=>1円。月1回まで。
・TOBU POINT:
7.京成電鉄のクレジットカード「京成カード」
標準的なカード : 京成カード(オリコ)
年会費 : 初年度無料。1回以上の利用で翌年度も無料。利用無い場合は年1,375円(税込)
ブランド : Master
入会申込 : Webで可能
<たまるポイント=京成グループポイント(オリコ)>
200円につき1ポイント(0.5%)
クレジットカード利用
・定期券購入(京成電鉄、新京成電鉄、北総鉄道全線)200円で1ポイント
・バス定期券購入(京成バス等、系列バス会社の定期券)200円で2ポイント
・スカイライナー等特急券 200円で1ポイント
・高速バスチケット(成田空港京成バス) 200円で2ポイント
・帝都自動車交通等、系列のタクシー利用 200円で2ポイント
・加盟店での買い物利用 200円で2~3ポイント
クレジットカード利用以外のポイント取得
なし
たまったポイント利用の主な方法
ショッピングチケット500ポイント=500円券が発行される。
ショッピングチケットは加盟店での買い物に利用可。
駅の有人定期券発売所ではショッピングチケットでのPASMOチャージも可能。
8.東京メトロのクレジットカード「To Me CARD」
標準的なカード : To Me CARD (一般)
年会費 : 無料
ブランド : VISA、Master (UC)
入会申込 : Webで可能
<たまるポイント=メトロポイント(メトロポイントplusへの申し込みが必要)、UC永久不滅ポイント>
1000円につき5ポイント(0.5%)
クレジットカード利用
・乗車ポイント「メトロポイント」 定期券利用を除き、平日1乗車2ポイント、土休日1乗車6ポイント
・クレジットカード決済1000円につきUC永久不滅ポイント1ポイント
クレジットカード利用以外のポイント取得
・PASMO利用の乗車ポイント「メトロポイント」
メトロポイント
前月のランクスコアに基づく当月の会員ランクにより、当月の東京メトロの運賃支払い額に基づいたメトロポイントが貯まる。
レギュラー会員: なし
シルバー会員 : 東京メトロ利用金額の 2%
ゴールド会員 : 東京メトロ利用金額の 5%
プラチナ会員 : 東京メトロ利用金額の 10%
たまったポイント利用の主な方法
・PASMOにチャージ 10ポイント=>10円 10円単位でチャージ
駅のICチャージ専用機。カードタイプPASMOは多機能券売機でも可。
9.東京都交通局
東京都交通局はクレジットカード発行なし
モバイルPASMOオートチャージ どのクレジットカードをつくる?
それでは、どのカードを作ったらよいのでしょうか?カードを選ぶ基準はさまざまですが、特徴ごとにそれぞれのカードをみてみましょう。
年会費無料のカードは?
京急、西武、東武、東京メトロのカードが年会費無料です。
また、小田急、京王、京成も、初年度無料、1度でもカード利用があれば翌年度も無料となっていて、PASMOオートチャージを利用すればカード利用ありということになるので、オートチャージ利用さえ続けていれば、実質的にずっと会費も無料ということになります。
このように、ほとんどの会社のカードが無料で作れる中、東急だけは初年度無料、2年目からは1,100円(税込)の年会費がかかります。
モバイルPASMOオートチャージのポイント付与率が高いのは?
東急、東武がオートチャージでのポイント付与率が1.0%と、もっとも高くなっています。
オートチャージ以外のメリットがあるか?
ポイントは、オートチャージ以外に加盟店での買い物などでもたまります。自分の日常生活の中に加盟店があるかどうかというのは、カード選択のひとつの基準になるかと思います。
また、ポイントの有効期限、たまったポイントの活用の幅なども、カード選択の際の重要な要素になりえるでしょう。
各私鉄のポイントについては、この記事で紹介しています。
以上のように、Apple PayのPASMO、モバイルPASMOにオートチャージできる、東京の私鉄各社が発行するクレジットカードは、ほぼ実質無料でつくることができます。自分の利用しやすいカードをつくって、便利なオートチャージを利用しながらポイントもためて行きましょう。
2024年1月