江戸川区には、江戸川区自然動物園という区営の動物園があります。入場料は無料と聞き、はたしてどの程度楽しめるのだろうかと思いつつ行ってみると、無料とは思えない、とても充実した展示に大満足でした。動物を見た後は隣接する行船公園を散歩。池を中心とした庭園を歩き、遊具で思いっきり遊び、子供も大満足の休日となりました。そんな江戸川区自然動物園と行船公園をご紹介します。
行船公園の中にある江戸川区自然動物園
江戸川区自然動物園は、行船(ぎょうせん)公園という公園の中にあります。行船公園は、昭和8年に地元の田中源氏が寄付した土地に造られた公園で、田中氏の屋号であった「行船」にちなみ「行船公園」と名付けられました。昭和58年に自然動物園が開園、平成元年に池を囲む「築山池泉廻遊式」に日本庭園である「平成庭園」が開園しました。
行船公園 - 自然動物園 - 公益財団法人 えどがわ環境財団 (edogawa-kankyozaidan.jp)
最寄り駅は東京メトロ東西線 西葛西駅
行船公園へのアクセスは、電車なら東京メトロ東西線の西葛西駅から徒歩15分または都営地下鉄新宿線の船堀駅から徒歩20分。西葛西または葛西から都営バスで宇喜田バス停へ、または、船堀や新小岩から都営バスで北葛西2丁目バス停で降りれば、公園までは徒歩数分です。
今回は西葛西から歩いて行くことにしました。西葛西は、高田馬場から約30分、大手町から約15分ほどです。快速は停車しないので、各駅停車を利用しましょう。
東西線は南砂町の先で地上に出て、長い鉄橋で荒川と中川を渡ります。いままでトンネルの壁しか見えなかった車窓に、解放感溢れる川の風景が広がって、気持ちのいい区間です。
スカイツリーも見えます。
鉄橋を渡ると西葛西に到着。地下鉄ですが、東西線のここから先はすべての駅が地上にあり、終点の西船橋を除いては高架駅になっています。
改札口を出たら左の出口へ。きれいに整備された駅前広場が広がっています。
イオン葛西店の前の葛西橋通りとの交差点を渡れば、行船公園まではあと少し。
公園に入るとすぐに、自然動物園の南門があります。
江戸川自然動物園の営業時間
行船公園はいつでも開いていますが、江戸川自然動物園の開園時間は以下のとおり。
<3月~10月>
平日 午前10:00~午後4:30
土・日・祝日 午前 9:30~午後4:30
<11月~2月>
平日 午前10:00~午後4:00
土・日・祝日 午前 9:30~午後4:00
休園日: 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月30日~1月1日)
自然動物園内の地図はこんな感じ。西葛西駅から来ると、地図の右側の南門から入るのが近いです。
江戸川自然動物園の動物たち
まずはリスザルがお出迎え
南門から入ってまず最初に見えるのがコモンリスザル。ちいさく、やんちゃなリスザルは何とも愛らしく、見入ってしまいます。
解説板や動物クイズもある
展示スペースの前には解説板があるだけではなく、動物クイズもあったりして、幅広くその動物のことを知ることができます。動物クイズはツマミがついた開閉式になっていて、小さな子供は開けて見ずにはいられない仕様です。動物はもちろんのこと、人間の子供の習性もバッチリ把握されている、素晴らしい動物園です。
色とりどりの鳥たち
コウノトリとショウジョウトキ。割といろいろな動物園で見ることができる鳥だと思いますが、ショウジョウトキの赤さには、いつも見入ってしまいます。
頭の上のカンムリが何とも高貴な雰囲気を醸し出すオウギバト。
日本にたった16頭しかいないオオアリクイ
オオアリクイは、日本ではここ江戸川自然動物園のほか、ズーラシア(神奈川県)、日本平動物園(静岡県)、東山動植物園(愛知県)、王子動物園(兵庫)、こどもの国(沖縄県)の計6園に、計16頭しかいないそう。それぞれの動物園が飼育しているオオアリクイを貸し借りしながら子孫繁栄の作戦がすすめられているそう。
こうして系統図があると、各動物園が連携して繁殖に取り組んでいることがよくわかります。
2022年11月に、ここ江戸川自然動物園で生まれたアモちゃんは、2023年9月25日にズーラシアにお引越ししたとのこと。いずれズーラシアでも繁殖が成功するといいですね。
シュッと細い鼻先と、モフモフしたしっぽ、上半身と下半身で特徴が全然違うのがアリクイの面白いところです。
チューブを疾走するリス
ニホンリスのおりには、外側に張り出した細いチューブ状の部分があります。
ときどきここを、目にもとまらぬ速さでリスが疾走していきます。リスの足の速さに驚くと共に、次はいつ走って来るかと、ワクワクしながらチューブを注視してしまいます。
プレーリードッグやワラビー、クモザル
オグロプレーリードッグ。
穴から出てきてちょっと泥がついているのもまた良いです。
この座り姿!
ベネットアカクビワラビー。みな同じ方向を見ながら座っているのがかわいい。
カンガルー類のだらけた姿が好きです。
ジェフロイクモザル。茶色い毛の個体と黒い毛の個体がいました。クモザルは、尻尾も手足のように使って移動します。尻尾だけでぶら下がることもできるそう。
アオダイショウ。つぶらな瞳に、ときどき舌をチロチロ出しているのが愛らしく思えます。
江戸川名産 金魚も展示されている水生コーナー
自然動物園の中央部には、水槽が並ぶ水生コーナーがありました。
中でも、江戸川が一大産地となっている金魚の展示は、地元特産品紹介であると同時に、見て鮮やかで、一見の価値ありと思います。
江戸川区は、愛知の弥冨と奈良の大和郡山とともに、金魚の三大産地に数えられています。
他にも身近な池や川に生息する魚たちが展示されていました。個人的には、こういう飾らない地味で身近な魚たちは大好きです。
江戸の味覚、マハゼもいました。
水生コーナーは小さいながら、非常に楽しめました。
夕方には動物たちの行進が
水生コーナーを出ると、「ふれあいコーナー」の動物たちが通るので道を空けて頂けますか、と係の方に言われ、端に寄って様子を見ていると、むこうから動物たちが歩いてきました。
ヤギや羊が通り過ぎると、今度はアヒルがやってきました。一所懸命ヨチヨチと走る個体や、バサバサ羽ばたいて低空飛行で来る個体もいて、見ていて飽きません。
ケースに入れられたモルモットたちも。
ふれあいコーナーは平日だけの実施
ふれあいコーナーは、小動物や羊、ヤギなどと触れ合えるコーナーですが、現在のところ平日のみ開催とのこと。私が江戸川自然動物園を訪れたのは週末だったので、ふれあいコーナーはやっていないはずでしたが、ではさきほどの動物たちは何だったのでしょうか?ふれあいコーナーに行ってみると、係の方々が清掃をされていました。おそらく、ふれあいはできないけど、ふれあいコーナーにはさきほどの動物たちがいて、柵越しに見ることができたのかと思います。この場所で見られなかったのは残念ですが、くしくも動物たちのパレードに遭遇できたのはラッキーでした。
仲睦まじく泳ぐオタリア
アシカの仲間オタリアは、2頭が仲良く水の中を行ったり来たり。
親ザルにぶら下がる子ザルも ブラウンケナガクモザル
さきほどもクモザルがいましたが、今度は少し種類の違うクモザルです。
ここにはたくさんの頭数がいて、にぎやかです。
手足と尻尾を器用に使ってロープを渡って行きます。
子ザルを背負うサルも。
愛嬌あるフンボルトペンギン
入口横にサービスセンターがあり、ここでグッズなどを買うことができます。
花壇の花にスズメガの仲間。ホバリングしながら長いストローを延ばし、蜜を吸っています。
行船公園で遊ぶ
動物園を出たら、行船公園の遊具で遊びました。
ジャンボスライダーと名付けられた、大きな石の滑り台は大人気。
ちいさな家や、鉄棒などもありました。
自然動物園の入り口には桜の木があるので、春にはお花見が楽しめそうです。
自然動物園から北に行くと、左側に水生池、つり池の2つの池があります。つり池では、その名の通り釣りも楽しめるそうです。(釣り竿などの道具は持参)
池を中心とした日本庭園 平成庭園を散歩する
水生池、つり池の向かい側には、日本庭園「平成庭園」があります。
大きな池を中心とした、きれいに整備された庭園です。
場所によって庭園はさまざまな表情を見せてくれます。
庭園の先には野球場があります。
その野球場の反対側には草原ゾーンがあって、その隣にまた遊具が。
さまざまな動物を見て、庭園を散歩して、遊具で遊んで、いろいろな楽しみ方ができる行船公園と江戸川自然動物園は、電車にのってわざわざ出かける価値のある、楽しい公園でした。
帰り道にはイオンに寄って、サーティワンアイスクリームを食べ、子供も満足の一日を過ごせたようです。
2023年10月