そこに線路があるかぎり

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【ルーマニア】ルーマニア最大の港湾都市 コンスタンツァの旧市街のんびり散歩 (2016年)

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首都ブカレストから東に200㎞ほどのところにあるコンスタンツァは、黒海に面したルーマニア最大の港湾都市です。2016年8月から9月にかけて、このコンスタンツァに滞在し、町を歩いてみました。港を中心に栄えたこの町は、人口が30万人を超える都市ですが、街角から海が見える旧市街の風情が魅力的でした。

小さな半島部に広がるコンスタンツァの旧市街

コンスタンツァの港に接して、少し海に突き出たような半島状になった場所がありますが、このあたりがコンスタンツァの旧市街です。北東部にビーチ、南西部はコンスタンツァの港湾が広がる、海に挟まれた狭いエリアなので、1時間もあればぐるっと一回りできる手ごろな広さながら、町並み、教会、海など、バラエティに富んだ風景を楽しむことができました。

旧市街北東部にあるビーチ。市内から歩いて気軽に訪れることができます。このあたりの市街地は高台の上に広がっていて、海へは崖につくられた階段を下って行きます。海は黒海です。

海を見下ろす崖の上に建つ円筒形の建物が目を引きます。

ギリシャ正教の白い教会が青空に映えます。

坂の多い町なので、立体的な景色を楽しむことができます。

海が見える路地の風景が魅力

ぶらぶら歩いていると、ところどころに、覗きこんでみたくなる街角の小さな路地がありました。

古い建物に挟まれた細い路地、ツタのように建物にまとわるぶどうの木、意匠を凝らした街灯と、路地の向こうにわずかに見える海が、何とも言えない味わい深い風景をつくっています。

テラス席のあるレストランが見えてくると、半島中央部の広場に出ます。

このときは特設コースが設けられ、ボブスレーイベントが開催中。真夏の海辺の町でボブスレーとは、なかなかおもしろいものです。

広場の少し先からはヨットハーバーが見下ろせました。

海沿いに堂々と建つカジノ跡

尖塔が印象的なモスクがあるかと思えばその隣には近代的なガラス張りのビルがあったり、ヨーロッパ調の重厚な建物の先に通信用の鉄塔が見えたり、バラエティ豊かな建造物を眺めながら徐々に坂を下り、半島の先の海べりに向かって歩いて行きます。

海際まで来ると、アイスクリームの移動販売車が人気を集めていました。確かにアイスクリームを食べたくなるような、暑い夏の日です。

半島先端部の海沿いは公園になっていて、海岸線には遊歩道が整備されています。釣りを楽しむ人たちの姿も多いです。

少し歩くと、海に突き出して建つ堂々とした建造物が目に飛び込んできます。コンスタンツァを代表する象徴的な建物のひとつ、旧カジノです。ビーチやヨットハーバー、そしてカジノと、リゾート地らしさを感じる施設が多いコンスタンツァ。残念ながらこのカジノはすでにとうの昔にその役割を終えているそうですが、この美しい建築は大切に守られ保存されています。

近づいてみると、歴史と風格を感じる堂々たる存在感に圧倒されます。

カジノの先にはルーマニア正教の大聖堂がありました。ピンクゴールドのような、かわいらしくも落ち着きのある素敵な色合いの建物です。

正教会を過ぎると、そこはコンスタンツァ港の入り口。

港に沿って高台に続く道を歩くと、港の中が見えてきました。荷役をする大きなクレーン、船からバトンタッチして貨物を陸送する鉄道貨車などがあり、ここが物流の一大拠点であることを感じます。

港を見下ろしながら高台を歩きます。オレンジの屋根の建物は博物館。

飛行機の音がしたので見上げると、広告フラッグを牽くセスナが低空飛行で飛んでいきました。

旧市街を抜けた市役所前あたりの道路。街路樹の根元付近が白く塗られています。これは虫除けのためと聞いたことがありますが、どのような効果で、どのような虫に効くのかはよくわかりません。

団地が続く高台の縁の市街地を歩いてみました。

このあたりからも港の中がよく見通せます。巨大な建物や荷役のクレーンなどが沢山見えました。

夕暮れの風景もまた美しいコンスタンツァ

夕暮れから夜にかけて、コンスタンツァの旧市街地は、昼間とはまた違った表情を見せてくれます。

オヴィディウ広場に面して建つ博物館。

涼しくなった夏の夕暮れの広場は、多くの人で賑わっています。

テラス席レストランストリートもこの賑わい。

おいしいルーマニアの料理を堪能。

博物館の建物も夜の空に浮かび上がり、美しいです。

この時は広場には大型モニターが設置され、映画観賞会が行われていました。

路上にはストリートミュージシャン

夜の賑わいはまだまだ続きます。

喧騒の広場から離れると、静かで落ち着いた夜のひとときが始まります。ヨットハーバーの夜景がきれいでした。

街灯に照らされた街角の古い建物も、とても味わい深いものです。

小さいエリアながら変化に富んだ景色が楽しめ、散歩の醍醐味が味わえるコンスタンツァ。昼間はビーチでのんびり、夜は静かな夜の街を散歩するなど、ゆったりとした過ごし方ができる、すてきな町でした。

 

2016年8、9月