そこに線路があるかぎり

鉄道旅も、そのほかの旅も。子供と出かけた休日のこと、まち歩き、山歩き、グルメ、温泉、観光情報。国内・海外 紀行ブログ。

【ハワイ】ハワイアンレールウェイの旅 ~ オアフ島の新旧鉄道を乗り継いで 歴史ある路線のトロッコ列車で海を見に行く【アメリカ合衆国】(2023年)

スポンサーリンク

ハワイ、オアフ島の鉄道と言えば、2023年6月にホノルル郊外に開業したスカイラインが話題ですが、オアフ島には100年以上昔に開業した古い鉄道がありました。最盛期にはホノルルから西海岸をたどりオアフ島北部のカフク Kahuku までと、ホノルルから内陸部の ワヒアワ Wahiawa 北部までの路線網があったオアフ島の鉄道ですが、1947年に営業を終了した後も一部の区間のレールが残されていて、2023年の今でも、保存鉄道として乗ることができます。
2023年8月、この古い保存鉄道と最新のスカイラインを乗り継いで、ハワイの鉄道の歴史を感じる1日を過ごしてみました。

オアフ島の保存鉄道 ハワイアンレールウェイ Hawaiian Railway 

オアフ島には、ハワイ鉄道協会 Hawaiian Railway Society という、保存鉄道を運営している非営利団体があります。(この記事では、この団体及びこの団体が運営する鉄道路線、運行列車のことを、ハワイアンレールウェイと記載します。)
ハワイアンレールウェイでは、1947年に廃止されたオアフ島の鉄道のうち、島の南西部の約10.5㎞区間を再整備し、観光用のトロッコ列車を走らせていて、乗車券を購入すれば誰でも乗ることができます。原則として水、土、日の週3日に計5本の列車が運転されており、出発地で乗車し、路線を往復して出発地に戻ってくる往復乗車の遊覧鉄道で、全体の所要時間はおよそ2時間。往復約90分の鉄道乗車と、途中約30分の「アイスクリーム停車」をあわせた2時間となっています。アイスクリーム停車はアイスクリーム店の前でしばらく停車するというだけで、購入するかどうかは各自の自由です。買いたい人だけお店に行って、ふつうにお金を払ってアイスクリームを買う、という形になっています。
なお、週5便のうち日曜の1便だけはアイスクリーム停車がないとのことなので、その分所要時間も短く、往復90分程度の旅程になるのかと思われます。

The Hawaiian Railway Society - Oahu, Hawaii

運行時刻と料金

ハワイアンレールウェイの列車の運行時刻と料金は下記のとおり。

運行時刻

水曜日: 1:00pm 発
土曜日: 12:00発、3:00pm発
日曜日: 1:00pm発、3:00pm発

計 週5便

サンクスギビング期間と12月25日を除く毎週運行。
・途中のアイスクリーム店前で約30分の停車あり。(日曜 1:00pm発を除く)
・所要約2時間(日曜 1:00pm発は、おそらく1時間半程度)

乗車料金

大人 USD18.00
子供(2歳~12歳)およびシニア(62歳以上) USD13.00 

・上記は往復分の乗車料金。
・乗車料金にアイスクリーム代は含まれない。
・全席自由席。

チケット購入と予約について

乗車のチケットは、出発時刻の2時間前から乗車場所にあるハワイアンレールウェイのオフィスで発売されます。公式サイトによれば、予約は推奨するが必須ではないとのこと。1列車の定員は180名、満席になればそこでチケット販売停止になるということだと思いますので、乗車する予定が決まっている場合は、念のため事前に予約しておいたほうが良さそうです。

ウェブサイトの案内によれば、チケットの予約は電話で受け付けるとのこと。もし電話に出なかった場合は留守電にメッセージを残すようにと案内されています。

予約をしてもしなくても、支払いはオフィスでのチケット購入時に行います。購入時はクレジットカード対応可です。

アクセス

ハワイアンレールウェイはオアフ島南西部、エヴァビーチ Ewa Beachという町にあり、ホノルルからは車で約40分、公共交通機関なら1時間~1時間半ほど。
あまりアクセスの良い場所ではないので、できれば車利用が便利ですが、ホノルルから公共交通機関利用で訪れる場合は下記のようなルートがあります。

・バス E系統 Country Express Ewa Beach 行きに乗車
  Fort Weaver Rd + Geiger Rd で下車(ホノルルから約45分)
  徒歩5分のGeiger Rd + Launahele Stから41系統 Kapolei Transit Center 行きに乗り
  約4分のRoosevelt Ave + Philippine Seaで下車。

  または、E系統でFort Weaver Rd + Laulaunui Stで下車(ホノルルから約36分)
  44系統 Ewa Village 行きに乗り約9分、Philippine Sea + Renton Rdで下車。

スカイライン East Kapolei駅から徒歩約40分 
 または、Ho'AE'AE West Loch 駅からバス44系統 Ewa Village 行きに乗り継ぎ

ハワイアンレールウェイに乗る

予約を入れるも…

せっかくオアフ島を訪れるからにはハワイアンレールウェイに乗ってみたいと思い、滞在予定期間中に予定のとれそうな水曜 1:00pm の便を予約してみることにしました。予定を決めたのが日曜の夜だったため、月曜午前に予約電話をしてみましたが、留守電だったため、乗車希望日、希望便、名前、人数、そしてこちらの携帯電話番号をメッセージで残しました。火曜になり、本当に予約できているか心配だったので再度電話してみましたが相変わらずの留守電。そこで、ウェブサイトに記載されていた問い合わせ用メールアドレス宛に、きのう留守電メッセージを残しているけれど念のためメールでも送ります、と断りを入れたうえで、予約希望内容をメールしてみました。
水曜、乗車希望日当日になっても特にメール返信や電話連絡もなく、不安になりながらも、とりあえずハワイアンレールウェイを目指すことに。ウェブサイトではチケットは乗車2時間前から発売との案内があったので、2時間前の11時を過ぎて少ししたタイミングで電話をしてみると相変わらずの留守電。念のため再度掛けてみると、ようやく係の女性が電話口に出て話をすることができました。留守電とメールに連絡は入れているんですが予約がちゃんとできているかわからなくて…と言いながら名乗ると「ああ、ちゃんと入ってますよ」との返事。予約ができていることがわかり一安心です。
おそらく、毎日オフィスを開けているわけでもなく、また対応できる人数も少ないため、なかなか電話も通じないのではないかと思います。このゆるさに、何とも言えぬのんびり感と微笑ましさを感じ、ますます乗るのが楽しみになりました。

オアフ島の新旧鉄道を乗り継げる?

せっかくホノルルを離れて西へ行くので、同じ方角にあるオアフ島最新の鉄道、スカイラインに乗って、新旧オアフ島の鉄道の乗りくらべができないかと地図を見てみると、スカイラインの西側の終点 Kuaraka'i East Kapolei駅からハワイアンレールウェイまで直線距離で1.5㎞ほどしかありません。Google Map によれば徒歩で40分少々とのことなので、ここを歩いて新旧オアフの鉄道の乗り継ぎ旅とすることにしましょう!

スカイラインの終点 Kualaka'i East Kapolei からハワイアンレールウェイへ歩く

ホノルルからバスとスカイラインを乗り継いで、スカイラインの西側の終点、イーストカポレイ駅へ。スカイライン乗車については、こちらの記事でご紹介しています。

sokonisenro.net

アロハスタジアムから20分ほどのハワイ最新の鉄道の旅を楽しみ、やってきた Kualaka'i East Kapolei 駅。駅のまわりにはお店などもなく、殺風景なところです。

駅を出たら目の前の大通りを左へ。広い通りですが車もそれほど走っていません。向こう岸は壁の向こうに住宅地が見えますが、こちら側は荒野が続いています。

左側には荒野に浮かぶ高架駅といった風情のイーストカポレイ駅が見えました。駅前の道をまっすぐ歩いてきただけですが、道がカーブしていたため駅がこの角度で見えます。

このあたりは空港へのアプローチルートになっているようで、着陸機を何機か見かけました。

イーストカポレイ駅から15分ほど歩いたところで、大きな交差点があります。十字路のようですが、直進する道は Ka Makana Ali'iというショッピングモールの駐車場に続く道です。

ハワイアンレールウェイへは、この交差点で左に曲がるのですが、ちょっとショッピングモールに寄ってみることにします。

映画館や飲食店などがそろっていますが、モールにはあまり人影はありません。ちょうどお昼時ではあるのですが。

モールの駐車場の奥に行くと、ハワイアンレールウェイの車両が見えました。地図で見ると、このモールとハワイアンレールは隣り合っているので、もしかしたらショートカットできる道があるのではないかと一縷の望みをかけてやって来たのですが、目の前には枯れ野原が続くばかり。

この枯れ野原には踏み跡のようなものもあったので、ハワイアンレールウェイまで行けなくはないのかもしれませんが、明確な道ではないため行くのはあきらめ、ここは元の交差点に戻っておとなしく普通のルートを歩くことにします。

炎天下を歩いて喉が渇いていたので、モールから道路に出るすぐ手前にあるタコベルでコーラをタコスをつまみ、ふたたび道路を歩き始めます。

モールを出て交差点を右へ。イーストカポレイから来た視点で見ると、交差点を左へ曲がったことになります。先ほどまでの道と違い、この道には街路樹があり、少し景色の雰囲気が変わります。

枯れ野原の向こうにハワイアンレールウェイの車両が見えました。ここも、このまま野原を突っ切りたくなりますが、がまんしてこのまま道路を歩きます。

モールから10分ほどで最初の交差点に。ここを右に曲がります。

ここからは歩道のない片側1車線分程度の広さの道になるので、行き交う車には充分注意しなければなりません。

先ほどまでの道よりも、なんとなく治安の面では1ランク落ちるような雰囲気を感じたので、気を引き締めて歩きます。

5分ほど歩くと、左手に線路跡が。オアフ鉄道の線路跡に違いありません。これは東方向(ホノルル方向)を見たところ。ゲートの先は草むしてレールも見えません。

反対の西方向はレールが見えています。この先にハワイアンレールウェイがあるはずです。

道路が左に分かれ、線路を横切っています。ハワイアンレールウェイはこの踏切を渡った右側です。

踏切から東方向を見たところ。左側に見える道を、奥から手前に向かって歩いてきました。

踏切から西方向を見ると、向こうからトロッコ車両がゆっくりと近づいてきました。

奥につながれた機関車に推されてゆっくり走ってくる列車。

ちょうどこの踏切のすぐ横がハワイアンレールウェイの乗り場のようですが、踏切から直接入ってはいけません。

列車は踏切のすぐ手前で停車。乗客の乗車開始にはまだ時間があるようで、添乗していた係の人たちも列車が停まるといなくなりました。

6両の客車と1両の機関車からなる7両編成。

チケット購入したら模型列車や保存車両を見学しよう

踏切を渡り100メートルほど行くと、右側にハワイアンレールウェイの入り口がありました。

こちらがチケットオフィス。ここで乗車券を購入します。

お土産店も兼ねたチケットオフィス。ここで名前を告げ、予約をしていることを伝えてチケットを購入。クレジットカード利用も可能でした。

乗車するのは13:00発の列車。乗車開始は発車10分前の12:50です。

このフェンスがホームへの入り口。列車は自由席なので、希望の席に座りたければ早めにこの前に並んでおいた方がよいでしょう。

チケットオフィスの隣には模型展示室があります。

見学できるのは出発前の時間だけ。

中には鉄道模型のレイアウトが。大人も子供も楽しそうに見ています。

敷地内には保存車両も展示されており、出発までの待ち時間に見学しているとあっという間に時間が過ぎていきます。

1943年にはオアフ島にはこれだけの路線があったそう。これから乗車するのは、この地図の左下あたりの部分です。

12:50、フェンスが開き、乗車開始です。ゲートでチケットを見せてホームへ。ゲートが開いてまっさきに埋まったのが最後尾の車両でした。最後尾なら去りゆくレールを見ることができますし、帰路は後ろから機関車が捺す形となるので、先頭の前面展望が楽しめるはず。私も空いていれば最後尾に乗ろうと思っていましたが、やはり一番人気のようです。本気で最後尾車両を狙いたければ、早い時間からゲートの前で並んでおいた方がよさそうです。

最後尾車両以外は、ゲート近くの車両から席が埋まって行くようでした。私は最後尾がだめなら先頭車両、ということで、機関車のすぐ後ろの海側の席を確保。

今日の列車を牽引する423号ディーゼル機関車

これから走って行く線路。道床も薄く、草だらけですが、列車が走る現役の線路と思うと頼もしく見えます。

出発時間になりました。各車両とも中央部に外向きのベンチシートがしつらえられていますが、私の乗った先頭車両は海側のシートがすべて埋まり、山側は誰も座っていない状況でした。今日は満席ではないようなので、結果として予約なしの飛び込みでも乗車できたでしょう。

ハワイアンレールウェイ 海側の車窓風景

すぐ目の前のディーゼルカーの唸りが大きくなり、列車はゆっくりと動き出しました。目の前に見える機関車のボンネット部分にエンジンがあるので、最前部の席はエンジンの熱気をまともに浴びて熱いです。ここは席の選択を失敗したと、早くも後悔。幸い、山側の席はすべて空いていますので、熱さに耐えられなくなったら、山側の少々後ろよりの席に移動すればいいでしょう。

発車するとすぐに左側に広がるヤードには、たくさんの貨車が停まっています。この路線の現役時代に使われていた車両でしょう。

少し走ると踏切がありました。驚いたことに遮断機、警報機とも電動で、週に3日、計5往復の列車しか走らない保存鉄道にもかかわらず立派な設備です。裏を返せば、ここまでの投資をする価値があると判断された鉄道であるともいえ、嬉しくも思えます。

列車は、リゾートではない、飾らないハワイの日常風景の中を走って行きます。

列車のスピードが落ちると、次の踏切が見えてきました。ここは遮断機がない踏切のようです。機関車に添乗していた係員さんが道路に降りて車をとめると、列車はゆっくりと踏切を通過していきます。係員さんたちも機関車に戻ります。

ポイントを渡る音がして、左側にもう1本の線路が出現しました。この路線は単線なので、昔は列車行き違いに使われていた駅か信号場の跡かもしれませんが、現在は1本の編成が行ったり来たりするだけなので行き違いは必要ありません。この線路には使用済の貨車が置かれていました。

少し行くと単線に戻ります。

3か所目の踏切。ここも遮断機と警報機が完備されていました。

そしてその次の踏切は遮断機、警報機なし。

車窓には枯れ色の荒野が続きます。せっかく海側の席に座りましたが、いまのところ海はまったく見えません。

山側の景色を見てみると、枯れ野原の向こうに山が見えていました。このあたりは山側のほうが景色がいいかもしれません。

荒野の向こうにわずかに海が見えました。

列車は水分の少なそうな荒野の中をゆっくりと走ります。

緑豊かなコオリナリゾートを走る

発車して30分ほど、ブーゲンビリアの鮮やかなピンク色と、緑に覆われたゴルフ場が見えてきました。コオリナリゾートです。

いままで枯れ色の景色が続いたので、ゴルフ場の緑がより美しく感じられます。

 >

列車は、コオリナリゾートの中を走ります。時系列的に考えると、線路がリゾートを貫いたわけではなく、線路のまわりにリゾートが開発された、ということになりますが。

踏切の街路樹の向こうにリゾートホテルが見えます。

踏切を通過すると、ふたたび枯れ色の風景になりました。向こうにはコオリナのリゾートホテルが。

ほどなくしてまたゴルフ場の中へ。

ゴルフをプレーするすぐそばに列車が走ります。プレーの気が散るかもしれませんが、これだけ間近に列車を見ることができるゴルフ場もあまりないのではと思います。

リゾート内にも踏切はあります。

線路に並行に走る道路の街路樹、路側帯の芝生の緑にほっとします。

海側は街路樹、山側がゴルフ場と、緑に囲まれた中を走ります。やはり緑の多い景色は落ち着くなあ、と思いましたが、考えてみればここまで見た景色のほとんどは枯れ色の世界。むしろそれがいまのハワイの自然な風景であり、この緑の景色は人間によって造られた景色であることに気がつきました。

山側に見えたリゾート内のアイスクリームショップとスターバックス。帰路にはこの付近でしばらく停車し、この店でアイスクリームを買うことができます。

リゾート内には意外と踏切が多いですが、どれも遮断機も警報器もない踏切でした。ここに見えるホテルは、ディズニーが運営するアラウニ・ディズニー・バケーションヴィラ。

緑豊かなリゾート地の風景が続きます。

いよいよ海沿いの区間

コオリナリゾートを抜けると、左側に海が見えてきました。

海岸に沿って、美しい景色の中を走ります。

この区間こそがハワイアンレールウェイの最大の見せ場です。

海岸線を走る区間は意外に短く、列車は海から少し離れると駐車場があり、ここがカヘ・ポイント・ビーチパークという海岸でした。ここはシュノーケルスポットとして人気があるそうです。

駐車場への入り口の踏切がこの路線最後の踏切。

カヘ・ポイント・ビーチパークを過ぎると、右側に発電所が見えてきました。

発電所からの排水出口。こういった場所は、排水の温度が高いため魚が集まりやすいそうなので、シュノーケリングもたくさんの魚が見られて楽しいに違いありません。

発電所前で折り返し

列車はスピードを緩めて停車。ここが折り返しポイントのようです。乗車してから45分、あっという間でした。

この先にも線路が続いています。この先の線路にも列車が走る日は来るのでしょうか。

機関車に添乗していた踏切遮断係の人たちは、復路の最前部となる往路の最後尾車両に移動。

3分ほどの停車ののち、機関車のライトが点灯して列車は反対向きに走り始めました。往路では機関車が先頭で列車を引っ張っていましたが、復路では、機関車が後ろから列車を押して運転します。

再びの海岸線区間

3分ほどの走行で列車は海岸線を離れ、ふたたびコオリナリゾートへ。

前を見れば緑豊かなリゾート地。

振り返れば茶色い大地に続く線路。

30分間のアイスクリーム停車

アイスクリーム屋さん近くで停車。乗客はここでアイスクリームを買いに行くことができます。もちろん、アイスクリームを買わなくてもいいですし、別のものを買っても構いません。

リゾート地の中に続く線路。その脇を通って、乗客たちがアイスクリーム店に向かいます。

100人以上の乗客がいっせいに訪れるので当然アイスクリーム屋さんも混雑します。順番を待つのが嫌だったので、私は隣のスターバックスでフラペチーノを買うことにしました。

フニャフニャと曲がった線路ですが、踏面が銀色に輝く、現役の線路であることが頼もしく見えます。

緑の中に佇むトロッコ列車は、なかなか絵になると思います。

車内はこのように中央部に背中合わせのベンチが設置されています。

機関車が大きく警笛を鳴らすと、まもなく出発です。ふたたび乗車地点に向けてトロッコ列車の旅がはじまります。

ここからは往路とは反対側の座席、山側に座りました。

山側では、山がずっと車窓の友に。

午後のひととき、冷たくて甘いものでおなかが満たされると、機関車のディーゼルエンジンの音も子守唄のように聞こえて、うつらうつらしてしまいました。
このあたりは登り勾配で列車のスピードもより一層遅いので、眠気が誘われます。トロッコ列車ならではの、車内を吹き抜ける風にあたってまどろむのも良いものです。

アイスクリーム屋さん前を発車して35分ほどで乗車した地点に戻って来て、ハワイアンレールウェイの旅も終了。

乗客を降ろした列車は、車庫に向けて引き揚げて行きました。

車庫の中も見学できるようになっているので、帰りがけに少し見ていくことにしました。

限定日にだけ走るパーラーカー。これも乗ってみたいです。

帰りはバスとスカイラインを乗り継いで

さて、帰り道はバスとスカイラインを乗り継いで帰りたいと思います。

ハワイアンレールウェイのすぐ目の前の道を渡ったところにある Philippne Sea + Renton Rd バス停でバスを待ちます。

乗車するのは44系統のバス。これでスカイラインのHo'AE'AE駅に行き、そこからスカイラインアロハスタジアムへ、さらにバスに乗り換えてワイキキへ、というルートです。乗り換えは多いですが、乗り継ぎさえ良ければ、このルートがいちばん早い気がします。バスもスカイラインも1回3ドル均一と、1回の乗車の場合は運賃が高く感じますが、Suica のような Holo Card を持っていれば、最初の乗車から2時間半の間ならバスもスカイラインも何度乗り継いでも最初に払った3ドルだけで乗ることができるので、長く乗れば乗るほどお得になります。私はこの日は7.50ドルで1日乗り放題の券を買っていたのですが、ワイキキからハワイアンレールウェイまでは片道2時間半もかかりませんので、往復するだけなら計6ドルで済んだはず。

少々遅れてバスがやってきました。

乗車して20分少々でスカイラインの Ho'AE'AE 駅に到着。バス停のすぐ後ろにスカイラインの改札口があり、乗り換えば非常に便利です。バスは折り返しエヴァビーチ行になるようです。

East Bound (東行き)アロハスタジアム行に乗車。スカイラインは10分間隔の運転です。

右窓に真珠湾を眺めながら、列車はアロハスタジアムを目指します。昔のオアフ鉄道もこのあたりを通ってホノルルに向かっていたようなので、スカイラインは時代を超えて生まれ変わったオアフ鉄道とも言うことができるでしょう。

車庫。

車庫にはループ線があり、編成をまるごと方向転換できるようです。

高速道路を跨ぐと、ホノルル都心方面から郊外に向かう車線は、帰宅の車で混雑していました。

最後の停車駅 KALAUAO。ホームから真珠湾が見えます。

右側通行で走って来ましたが、KALAUAOを出るとすぐに渡り線を渡り、左側の線路に転線しました。

真珠湾が良く見えます。

最後の1駅間は左側車線を走り、左窓に大きなスタジアムが見えると、終点のアロハスタジアム駅に到着。

いまはここが終点ですが、この先の建設工事も進んでいます。終点方向をみても線路が続いていて、あまり終点らしくない光景が広がっています。

ここからはA系統 ハワイ大学マノア校行きのバスに乗車。これに乗れば、ホノルル都心、そしてワイキキの近くまで行くことができます。

バスは建設中のスカイラインのルートの近くを走ります。次の開業予定区間では、ホノルルの玄関口、ダニエル・K・イノウエ国際空港の前に駅ができることになっているので、利便性がかなり上がりそうです。もっとも、現在のところスカイラインは大きな荷物の持ち込みができないルールになっているので、大荷物の空港利用客がスカイラインに乗れるようになるのか、というところが気になりますが。

せっかくバスの1日券を持っているので、市内でバスを下車し、有名なカメハメハ大王像を見に行きました。

オアフ島最新の鉄道で訪れた古い鉄道、ハワイアンレールウェイ。トロッコ列車にのんびり揺られ、吹き抜けるハワイの風を浴びながら、リゾート地や海岸線の美しい景色を楽しむ列車の旅は、とても良いものでした。ワイキキから公共交通機関でも訪れることができるハワイアンレールウェイは、ハワイ旅行の思い出をより印象深いものにしてくれました。

 

2023年8月