そこに線路があるかぎり

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白とピンクの花が彩る信州の春 「一目十万本」あんずの里お花見散歩 【千曲市/長野県】(2019年)

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峠の釜めしで有名な碓氷峠を越えて長野市へ向かう途中にある千曲市は、あんずの一大産地だそうで、市のウェブサイトによればあんずの栽培面積、収穫量とも、長野県の半分近くを占めるのだとか。あんずは峠の釜めしにも入っていますが、整腸作用があるそうです。
千曲市の森・倉科地区は、市内でも特にあんず生産が盛んなところで、「あんずの里」と呼ばれています。春になると「一目十万本」と言われるほど、見渡す限りあんずの花が咲き誇る風景が見事なのだそうです。これは一度見てみたいと、2019年春の1泊2日旅行の目的地をここに決めました。 

千曲市「あんずの里」へのアクセス

長野市の南10㎞ほどのところにある千曲市は、鉄道はしなの鉄道線JR東日本篠ノ井線が、高速道路は上信越自動車道と長野自動車道が通っており、交通も便利なところです。特に高速道路は、東京と名古屋を結ぶ中央道から分かれた長野道と、東京と新潟を結ぶ関越道から分かれた上信越道が合流する更埴ジャンクションがあり、要衝の地となっています。
あんずの里へのアクセスは以下のとおりです。
<鉄道>
しなの鉄道屋代駅からタクシーで10分、または徒歩で55分。
春のあんずまつり開催中の土日には屋代駅からのシャトルバスもあり。所要10分。
<車>
長野自動車道 更埴インターで高速道路を下りておよそ10分。

鉄道でも車でもなかなかアクセスしやすいですが、今回は宿泊地への移動も考え、車で出かけることにしました。

練馬インターから更埴インターまでは関越道~上信越道を通って198.4㎞、途中休憩をしながら3時間ほどのドライブです。中央道経由でも、永福インターから更埴インターまでは211.3㎞と、それほど距離は変わりません。(中央道の起点は高井戸ですが、高井戸インターから中央道下りに入ることはできないので、最寄りの永福インターからの距離としました)

 更埴インターから千曲方面の案内に従って国道18号線に入り、住宅街を左折してあんず街道を走ると、あんずの花に染まる山肌が見えてきました。駐車場は地区内に何か所かありますが、駐車可能台数が多いのは、150台の森運動広場と、105台の窪山展望公園の2か所で、このうちあんずの里の奥に位置し、傾斜地の上にあって展望がよさそうな、窪山展望公園の駐車場に車を停めることにしました。どの駐車場でも、駐車協力金は普通車500円です。  

雪を頂く山に見下ろされて咲くあんずの花

窪山展望公園はその名の通り展望がよく、土を盛ってまわりより少し高くなった展望台もあり、あんずの里を見渡すことができました。山並みの向こうにはまだ雪を頂いた山も見えます。昼下がりの暖かな日差しの中、まだ浅いながらも着実に歩んできている春を感じながら景色を眺めるのは良いものです。

このあたりのあんずは、元禄時代に伊予宇和島藩主・伊達宗利公の娘の豊姫が松代藩主・真田幸道公に輿入れした際に、故郷を懐かしんで持ち込んだ種がルーツだそうです。松代はここから北東に5㎞ほどのところにある城下町です。 

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観光客で賑わうあんずまつり

この日は第64回あんずまつりの期間中(2018年3月30日~4月14日)でした。開催予定期間中でも、花が散ってしまえばまつりは終了してしまうそうですが、観光局のウェブサイトであんずの花の開花状況が定期的に公開されるので、それをチェックしていれば、行ってみたけどもう花が散ってまつりも終わっていた、などということもありません。なお、2021年のあんずまつりは3月27日から開催予定とのこと。

 第66回 あんずまつり開催 2021年3月27日~ | 信州千曲観光局 (chikuma-kanko.com)

土曜日の昼過ぎでしたが、駐車場は満車というわけではないながらも、次々に車が出たり入ったりしています。あたりの道にもたくさんの観光客が歩いているのが見え、あんずまつりの賑わいを感じます。

 観光案内の方にいただいた地図を見ながら駐車場から歩き始めると、あちこちにテントが出ていて、地元の農家の皆さんがあんずをはじめとした農産物などを販売していました。 ほら、食べてごらん、と、セミドライのスライスりんごをひと掴み下さったりするので、こんなにたくさん試食をさせてもらっていいものかと恐縮しながらも、温かなお心意気に感謝し、信州の味覚を楽しませて頂きました。りんごは言わずと知れた信州の特産品のひとつですが、りんごの産地として長野と共に知られる青森は、あんずについても長野と並ぶ一大産地だそうで、日本のあんずの生産量は、長野と青森がほぼ半々ずつとなっています。

アンズ(杏)の産地 栽培面積 収穫量 出荷量 輸入量 輸出量|果物統計 グラフ (kudamononavi.com)

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 移り変わる景色を楽しみながら あんずの里を散策

 散策は特に決まったルートがあるわけでもないので、あんず畑の中には入らない、という基本的なルールを守れば、時間と体力の許す限り、好きな道を好きなように歩けばいいだけです。
まずは駐車場を出て右手の斜面に登って行く道を進んでみました。少し歩くと、ひときわ大きなあんずの木が見えてきますが、これは樹齢300年の在来種のあんずの木だそうで、もしかすると、宇和島のお姫様が持ってきた種から出た木なのかもしれません。古木の風格を醸しながらも、若い者にはまだ負けん、とばかりに枝いっぱいに花をつけるさまは見事です。

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古木をしばし眺め、ふたたび日当たりのいい斜面に続く道を歩いてゆきます。

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ピンクの花が多く咲くエリアがありました。これもあんずの花だそうですが、品種が違うそうです。ピンクもまた景色に映え、美しいものです。

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斜面に続く道を登り、左に折れて今度は下り、あんずの花に囲まれたのどかな里を、思いのまま歩きます。

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花の色や咲き具合の違い、アップダウンするにつれて変わる景色の見え方、歩くごとに移り変わる風景が楽しいです。

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 山懐にたたずむ茅葺屋根のお寺、観龍寺。小さいながらも風格を感じる、趣のある本堂です。ここには桜の木があり、花が咲き始めていましたが、満開になるまではまだ何日かかかりそうです。境内はよく手入れされていて、気持ちよく拝観させて頂きました。 

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観龍寺から里に下りてきました。あんずの花に囲まれた家の縁側でのんびりお茶でも飲みながら午後のひとときを過ごしてみたい。

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だいぶ歩いて喉も乾いたので、あんず茶屋で冷たい飲み物で喉を潤して再び歩き始めると、日も傾いてきていて、あんずの里はまた少し違った表情を見せてくれます。 

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最後はあんずの里スケッチパークで干しアンズなどのお土産を購入して駐車場に戻りました。お土産を売っていた地元の方から、あんずの実がなったころにもまた遊びに来てみて、とお誘い頂きました。あんずの実がなるのは6月から7月ごろだそうですが、たわわに実ったあんずの実の様子も、ぜひ見てみたいものです。

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 気づいてみればあんずの里には4時間ほど滞在していました。美しい景色の中での散策は時間を忘れるほど楽しく、1日いても飽きなそうです。なお今回はベビーカーを押しながらの散策でしたが、道はほぼ舗装されており、不自由はありませんでした。

開湯は飛鳥時代 子宝の湯として知られる田沢温泉で鯉料理に舌鼓

この日の宿は、青木村にある田沢温泉にある和泉家旅館さんを予約しました。
あんずの里からは、車で1時間ほどです。
田沢温泉の開湯は飛鳥時代後半ともいわれており、昔から子宝の湯として、また、お乳の出がよくなる温泉として知られているそうです。
夕食には、甘露煮、洗い、唐揚げなど、佐久の鯉をつかったお料理が並びます。鯉料理好きとしては、これはうれしい!青木村は、佐久から約30㎞のところにあります。
鯉料理も妊婦に良いとか、お乳の出が良くなると言われる食べ物ですので、田沢温泉x鯉料理は、妊婦さんや産後のお母さんには最高の組み合わせかもしれません。

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小さいながら風情ある田沢温泉 共同浴場「有乳湯」は人気の浴場

翌朝、宿の周りを散策してみます。田沢温泉は数件の宿と1軒の共同浴場があるだけの温泉場で、非常にこじんまりとしていますが、この温泉のメインストリートである石畳の道の両側には風情のある建物が並んでいます。
いちばん目立つのが、登録有形文化財である木造3階建ての「ますや旅館」で、ここにはかつて島崎藤村が宿泊し、彼の泊まった部屋は「藤村の間」として現在も使われており、宿泊することもできるそうです。

 

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ますや旅館の先には、共同浴場「有乳湯(うちゆ)」があります。ここは地元の方にも人気のようで、ここに向かう地元ナンバーの車が何台も石畳の道を走って行きました。 
宿泊した和泉家旅館さんでは有乳湯の入浴券が頂けたので入りに行ってみると、地元の方と思しき方々で賑わっていました。中は内湯の湯舟が1つだけのシンプルなつくりでしたが、透明なお湯が惜しげもなくドバドバと湯舟に投入されていて、新鮮で気持ちのいいお湯を楽しめました。

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宿に戻って露天風呂に入り、湯上りには昨日あんずの里で購入したあんずドリンクを。よく冷えた甘酸っぱいあんずの味が湯上りの喉においしかったのですが、これを買うときに、「いやー、これ作ってるの千葉なんだよねー」と笑っていた店のおじさんの顔をふと思い出しました。

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風情ある佇まいと、豊富な湯量の新鮮な温泉が楽しめる田沢温泉は、ゆったりとしながらも充実した時間を過ごさせてくれる、素晴らしい温泉場でした。

田沢温泉・沓掛温泉 | 青木村役場 (vill.aoki.nagano.jp)


2019年4月