そこに線路があるかぎり

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【群馬県】宝川温泉汪泉閣に宿泊 渓流沿いの大露天風呂での雪見風呂を満喫し 無料送迎サービスを利用してスキーも楽しむ(2024年)

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群馬県宝川温泉は、渓流に沿って広がる大きな露天風呂が有名な温泉場です。冬は雪が多く降る地域なので雪見露天風呂も楽しめ、また近くにはスキー場もあって、温泉とスキーという冬の楽しみを満喫することができます。公共交通機関と無料送迎サービスを利用し、雪道の運転の心配もない、週末1泊2日温泉スキー旅行を楽しみました。

宝川温泉について

宝川温泉群馬県の山深く、新潟県との県境にもほど近い利根川上流部にあります。汪泉閣という宿が一軒だけある小さな温泉地ですが、この汪泉閣には渓流に沿った巨大な露天風呂が混浴3つ、女性専用1つの計4つもあるそれなりに規模の大きな旅館で、このお風呂を目的として多くの旅行者が訪れます。

宝川温泉へのアクセス

公共交通機関を利用する場合、JR上越新幹線上毛高原(じょうもうこうげん)駅、またはJR上越線の水上(みなかみ)駅が宝川温泉の玄関口です。

無料送迎バス利用の場合(宿泊者限定、予約定員制)

上越新幹線 上毛高原駅から

上毛高原駅 13:00発 汪泉閣 13:45着
(東京11:40発⇒上毛高原12:43着 とき319号より接続)

上毛高原駅 15:00発 汪泉閣 15:45着
(東京13:40発⇒上毛高原14:43着 とき323号より接続)

上越線 水上駅から

水上駅 15:15発 汪泉閣 15:40着
(高崎13:03発⇒水上14:15着 普通列車より接続)

帰路の送り便(水上駅経由 上毛高原駅行き)

汪泉閣 9:30発(12/1~3/31は9:15発) 水上駅10:00頃着 上毛高原駅 10:30頃着

路線バス利用の場合

上越新幹線 上毛高原駅から

上毛高原駅から水上駅行きバスに乗り水上駅へ(約20分、620円)
水上駅から 湯の小屋温泉行きバスに乗り宝川入口で下車(約30分、1150円)
宝川入口から汪泉閣の無料送迎車あり。

上越線 水上駅から

水上駅から 湯の小屋温泉行きバスに乗り宝川入口で下車(約30分、1150円)
宝川入口から汪泉閣の無料送迎車あり。

上越線水上駅は、かつては上野からの特急「水上」が毎日数本運転されていましたが、今は「水上」は臨時列車として年に数回運転される程度なので、基本的には水上に行くには普通列車を利用するしかありません。

車の場合

車を利用する場合は、関越自動車道水上ICから約18㎞、30分ほどです。

2階建てグリーン車に乗って群馬名物鳥めしの昼食を

宝川温泉汪泉閣のチェックインは14:00なので、上毛高原発13:00の無料送迎バスに乗ることにしました。宿は楽天トラベルで予約しましたが、宿泊予約時のコメント欄に13:00の無料送迎バス利用希望であることを記入し、念のため宿泊3日ほど前に電話でも確認したところ、すでに予約がきちんと入っているようでした。

上毛高原は新幹線単独駅で、在来線の駅はないので、必然的に新幹線で向かうことになります。上毛高原13:00のバスに乗るには、東京を11:40に出る新幹線に乗ればいいですが、ちょうど子供が2階建てグリーン車に乗りたがっていたこともあり、高崎までは在来線を利用し、高崎から1駅だけ新幹線を利用することにしました。
上野を9:30に出る高崎線快速アーバン高崎行き(小田原始発の上野東京ライン)に乗れば高崎には11:13に着くので、早めの昼食を食べて、高崎12:28の上越新幹線とき319号に乗って上毛高原13:43着というプランにしました。

2階建てグリーン車の旅を楽しみ、高崎に着いた快速アーバングリーン車利用には、乗車券のほかにグリーン券の購入が必要です。グリーン券は大人子供同額ですが、2024年3月16日の料金改定前は、休日はホリデー料金として割安で利用でき、上野~高崎間のグリーン券は1回800円でした。また、JREポイント600ポイントでもグリーン券に引き換えることができ、なかなかお得に利用できました。

高崎には1時間少々の滞在。駅ビル、モントレーで群馬の名物、登利平で鳥めしを。
11時半前というピーク前の時間なので空いているかと思いきや、4-5組の待ちが発生していました。時間が心配ではありましたが、幸い15分ほどの待ちで入ることができました。なお、同じフロアのスパゲティ屋さんには大行列ができており、とても気になりました。次回、時間があるときの課題としたいと思います。

この店舗限定の「いろ鳥どりランチ」1000円を頂きました。サクサクの鳥かつ丼と、炭火の香りが香ばしい鳥めしが1度に味わえるお得なセット。

高崎モントレー店 │ 上州御用 鳥めし本舗 登利平 | 上州御用 鳥めし本舗 登利平 (torihei.co.jp)

上越新幹線上毛高原

意外とあっという間に時間が過ぎてしまい、あわてて高崎の新幹線乗り場に行くと、とき319号がちょうど到着するところでした。列車は満席で、すでにデッキにも立客がいるほどの盛況ぶり。上毛高原までは1駅、15分ほどなので、デッキに立っていくことにします。

雪が多い地域らしく、大きな屋根に覆われて薄暗い上毛高原駅に到着。

改札を出たところにコンビニ NewDays があり、また、立ち食いそばやもあった上毛高原駅。買い物や飲食の需要は満たすことができます。

上毛高原駅から送迎バスに乗って宝川温泉

駅を出ると、ロータリーに宝川温泉汪泉閣の送迎のマイクロバスが停まっていました。ドライバーさんに名前を告げて乗り込みます。車内はほぼ満席の盛況でした。
送迎バスから見た上毛高原駅。駅前に停まっているのは路線バスの関越交通です。

今年は暖冬ということもあってか、上毛高原駅付近には雪はありませんでしたが、利根川を渡る橋の上では遠くに雪をかぶった山を見ることができました。

バスに揺られること45分ほど、林の向こうに汪泉閣の建物が見えてきました。

バスは宝川を渡って宿の玄関へ。玄関があるのは近代的なつくりの「東館」です。

送迎バスに乗って来た人が順番にチェックインをします。バスでは外国人のお客さんが多いことに驚きましたが、フロントにも外国の方が何名かいらっしゃいました。流ちょうな日本語を話されるので驚きましたが、日本人客の対応も問題ありません。

チェックイン後は、ロビーで好きな柄、サイズの浴衣と、湯浴み着を選びます。混浴露天風呂の入浴は湯浴み着を着るルールになっているので、混浴に慣れていない方でも安心です。湯浴み着は滞在中ずっと同じものを使います。浴場の脱衣場には脱水機が備え付けられています。

部屋は東館にありました。本館、第一別館は趣あるレトロな木造の建屋ですが、東館はいちばん新しく鉄筋コンクリート造り。といっても、昭和41年の建築らしいので、それなりにレトロさも感じます。

ウェルカム茶菓子は宝川せんべいと柚餅子。

窓からは宿の建物群が見えます。右手に見えるのが本館で、ここからは見えませんが、本館のさらに奥に第一別館があります。眼下に流れる川を挟んだ向こう側の斜面にあるのは日帰り入浴の受付や、従業員宿舎などでしょうか。

川の水は澄んでいます。

宝川温泉は豊富な湯量に恵まれた温泉です。

建物の配置はこのようになっています。東館からは、本館を通って吊り橋を渡り、露天風呂に向かいます。右下に露天風呂の配置図がありますが、露天風呂の位置はこの図でいうと右上の露天風呂→と書かれた右のあたりです。宝川の左岸にまず魔訶の湯があり、その奥に般若の湯、さらに奥に女性専用の摩耶の湯があります。般若の湯の先には吊り橋があり、それを渡った右岸に子宝の湯があります。

宝川温泉の大露天風呂を楽しむ

少し部屋で休んだら、さっそく大露天風呂へ。東館からは本館を通り抜けて行きます。

渡り廊下で本館に入ると、レトロで味わい深い風合いの廊下が続いていました。

サンダルに履き替えて外に出ます。

出口には露天風呂の温度の案内がありました。チェックインのときにも言われましたが、子宝の湯は湯音が低く、冬季の入浴には適さないそうです。ただ、入ってはいけないというわけではないっとのことだったので、ぬるかろうが冷たかろうが、入る気はまんまんでした。26.5度という温度を見て、これくらいならいけるだろう、という変な安心感が。

本館を出ると吊り橋があります。この吊り橋のあたりまでなら写真撮影もOKですが、お風呂では撮影はしないでください、とチェックインのときに注意がありました。

吊り橋からみた本館。昭和30年築の木造です。

こちらは第一別館。昭和11年築だそうですので、長い歴史がありますが、ここに泊ることもできます。

吊り橋を渡って振りかえったところ。

この坂を降りて行った先に露天風呂があります。

大盛況の露天風呂はやっぱり最高 山にはサルの姿も

坂を降りてゆくとまず魔訶の湯が見えてきます。魔訶の湯の先に脱衣場があるので、ここで浴衣から湯浴み着に着替え。脱衣場の陰に隠れわかりにくかったですが、かけ湯も備えられているので、体を流してから露天風呂へ。

ひんやりとした空気の中、あたたかい露天風呂に入るのは最高です。まだ日帰り入浴のお客さんがいる時間帯なので、露天風呂には人が多かったですが、それが気にならないほどの大きなお風呂で快適です。湯船の中には、ところどころ木の板で仕切りがあり、温度の高い源泉がむやみに拡散しないようになっていて、湯温が高めに保たれるゾーンが確保されているので、最初は温かいゾーンで、体が暖まったら温めゾーンへ、というように移動しながら長湯が楽しめます。

それにしても、外国の方が多いです。ざっとみたところ、半分以上の入浴客が外国の方のよう。海外人気の高い温泉であることを感じます。

湯温が低い子宝の湯にもチャレンジしました。広い浴槽は上部に建屋がある部分と、何もない部分がありますが、ここも湯の中に木の仕切りがあるおかげで、建屋の下のあたりは入浴ができるくらいの温かさです。このあたりには何人か入っている人もいました。その反面、木の仕切りを越えてオープンエアーゾーンに踏み出すとお湯はかなりぬるく、とても浸かっていられる温度ではないので、人の姿もありませんでした。私は気合で少し入ってみましたが、すぐに温かいゾーンに戻りました。

さて、風呂巡りを楽しむ中で、般若の湯に入っていると、対岸の斜面にニホンザルの姿がありました。サルは斜面を歩き、子宝の湯の建屋の裏に消えていきましたが、温泉に入りながらサルを見られるとは、楽しいひとときでした。

なお、今回は風呂に入りながらサルを見ましたが、サルが風呂に入っているところが見られる温泉はこちら。

sokonisenro.net

露天風呂をひととおり楽しんだら宿泊棟に戻ります。吊り橋や本館から、露天風呂の一部が見えました。左側の上屋のところが魔訶の湯、その向こうの緑の屋根が脱衣場で、その向こうに般若の湯があります。右側の建屋の下に広がるのが低温の子宝の湯。

湯舟と川はこの近さです。

と、吊り橋の上にサルがいるのに気がつきました。さきほど風呂から見えたサルかどうかはわかりませんが、サルは橋の欄干から建屋の庇に飛び移り、屋根の向こうに消えていきました。

宝川温泉汪泉閣の夕食 子供の食事も充実

夕食は食堂で。私は部屋食があまり好きではないので、食堂での食事というスタイルはウェルカムです。

豆乳鍋には宝川印の平うどんが。

朴葉味噌には牛肉と舞茸も。

イワナの唐揚げは、頭からしっぽまで食べられます。

子供食はこんな感じでした。ハンバーグ、エビフライ、ポテト、ピラフ、カレーなど、子供の好きなものの詰め合わせ。紙袋にはお菓子が入っていて、子供もウキウキです。

落ち着いた雰囲気の夜の露天風呂と内湯をはしご

夕食後も露天風呂を楽しみました。日帰り客がいないので、さきほどとはうって変わった落ち着いた雰囲気で、くつろげました。

露天風呂には洗い場がないので、帰りがけに内湯に寄って体を洗います。内湯は湯舟1つだけのシンプルなものでしたが、湯舟も大きく、室内にもかかわらず大きな岩がありったので、岩陰で落ち着いて入ることができました。

無料送迎を乗り継いでほうだいぎスキー場へ

翌朝は朝風呂を楽しんでから朝食へ。紙だけが乗った陶板は、鮭などのあたため用。

子供の朝食はこんな感じでした。

さて、今日はスキーに行きます。目指すほうだいぎスキー場は、宝川入口バス停への路線バスの到着に合わせ、宝川入口発9:01と11:18の無料シャトルバスが出ています。汪泉閣も路線バスへの乗り継ぎのため、宝川入口まで送迎車があります。これらを乗り継いで、宝川温泉からほうだいぎスキー場まで無料で行くことができます。
チェックイン時に「明日はほうだいぎスキー場に行きたいのですが…」というと、「それでしたら8:45発に出る宝川入口までの送迎車に乗ってください」と案内を受けました。

朝食を食べたらチェックアウトし、車の時間までロビーでゆっくりします。窓が大きく開放的なロビー。左手にはお土産店もあり、出発までの時間を飽きずに過ごせます。

ロビーの窓から見た宝川。

8:45に出発する宿の送迎車に乗ったのはわれわれ家族だけでした。5分ほどで宝川入口バス停に到着。目の前にバンが停まっていて、これがスキー場の送迎車とのこと。旅館からスキー場に連絡が行っていたようで、スキー場の送迎車の方にもスムーズに迎えて頂きました。水上からの路線バスの到着を待ってから出発するのかと思いきや、我々が乗り込むと車はすぐに出発。「バスのお客さんを待たなくていいのですか?」と尋ねると、我々を降ろしたらもう一度バス停に行くとのこと。申し訳ないやら、有難いやらです。

ほうだいぎスキー場へのアクセス

無料シャトルバス
上毛高原駅水上駅~ほうだいぎスキー場(上牧駅、水紀行館、松乃井にも停車)
2023年12月29日から2024年3月20日までの土日祝日、年末年始の運行
予約優先(スキー場サイトよりネット予約可)

往路1便 
上毛高原駅8:15-上牧駅8:25-水紀行館8:35-松乃井8:45-水上駅8:55-ほうだいぎ9:40
往路2便
上毛高原駅10:55-上牧駅11:05-水紀行館11:15-松乃井11:25-水上駅11:35-ほうだいぎ12:20

復路1便
ほうだいぎ13:35-水上駅14:20-松乃井14:30-水紀行館14:40-上牧駅14:50-上毛高原駅15:00
復路2便
ほうだいぎ16:40-水上駅17:25-松乃井17:35-水紀行館17:45-上牧駅17:55-上毛高原駅18:05

路線バスと無料連絡シャトルバス

往路

水上駅8:32(関越交通 湯の小屋温泉行き 1300円)宝川入口9:01
宝川入口9:01(スキー場無料連絡シャトルバス)ほうだいぎ 

水上駅10:49(関越交通 湯の小屋温泉行き 1300円)宝川入口11:18
宝川入口11:18(スキー場無料連絡シャトルバス)ほうだいぎ

復路

ほうだいぎ11:50(スキー場無料連絡シャトルバス)宝川入口
宝川入口12:04(関越交通 水上駅行き 1300円)水上駅12:39

ほうだいぎ14:30(スキー場無料連絡シャトルバス)宝川入口
宝川入口14:47(関越交通 水上駅行き 1300円)水上駅15:22

ほうだいぎ16:40(スキー場無料連絡シャトルバス)宝川入口
宝川入口16:59(関越交通 水上駅行き 1300円)水上駅17:34

車の場合

関越自動車道水上インターより19㎞、約30分

広い緩斜面が多く 初心者も安心なほうだいぎスキー場

送迎車同士の乗り継ぎもスムーズで、宝川温泉を出て15分ほどでほうだいぎスキー場に到着。昔は漢字で宝台樹と表記されていましたが、いまはひらがな書きになったようです。
今回、子供は初めてのスキーでしたが、訪れたほうだいぎスキー場は緩斜面も多く、初心者にも練習しやすかったです。

レンタルスキーショップの向かい側には、ゆるやかな斜面とスノーエスカレーターがあって、初心者の練習にはうってつけ。

エスカレーターは500円で一日乗り放題です。

一日練習し子供もそれなりになってきたので、最後にリフトにチャレンジ。広いゲレンデ、緩やかな斜面で、初心者でも楽しく滑り降りてくることができました。

ほうだいぎスキー場からは無料送迎バスで水上駅へ。この先、バスは新幹線の上毛高原まで行くのですが、水上駅の先は何カ所か立ち寄りながら上毛高原へ行くので時間がかかり、また新幹線も指定席が満席だったので、水上から在来線で高崎へ行くことにしました。

大型バスが使用されていた、ほうだいぎスキー場の無料送迎バス。

水上駅前には土産物店がならんでいますが、夕方だからか、ほとんど閉まっていました。できれば電車に乗る前に土産物でも買おうかと思っていたのですが、残念ながらそれもできません。

唯一営業中だったのがうどん屋さん。

新潟県からやってきた水上止まりの上越線普通列車が2番線に到着。2両編成ですが、お客さんでいっぱいでした。越後湯沢や越後中里や岩原などスキー場の多い場所を通って来る列車らしく、ほとんどがスキー客のようでした。

やがて高崎方面からの水上止まりの普通列車も到着。この列車が折り返し高崎行になります。新潟方面からの列車の乗客はほとんどが高崎方面に乗り継ぎますので、ホームは人でいっぱいになっていましたが、高崎行は4両編成だったので、余裕をもって座ることができました。

一度行ってみたいと思っていた宝川温泉を訪れ、スキーも楽しめた群馬旅行。車を利用すると雪国の運転が心配、という場合でも、うまく宿とスキー場の無料送迎を利用することで、便利に移動が可能となっています。東京からも近くアクセスも良好で、充実した楽しい旅となりました。

 

2024年2月