そこに線路があるかぎり

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【ハンガリー】湖にプカプカ浮かんで温泉入浴 夢の超巨大露天風呂 ヘーヴィーズの温泉湖(2014年)

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東欧のハンガリーは温泉大国として知られており、首都ブダペストを始め、国内いたるところに数多くの温泉が湧いています。それらの温泉地では日本とは一味違った、ヨーロッパらしい風景や建物の中で温泉を楽しむことができ、また、その場所ならではの特徴的な温泉保養施設もあり、ぜひ一度巡ってみたいと思っていました。
2014年のGWにその機会をつくることができ、ハンガリーに5泊し国内各地の温泉を楽しみましたが、その中からまずは湖自体が温泉という、ヘーヴィーズの温泉湖をご紹介します。

ブダペストからヘーヴィーズまでは車で約2時間

日本から飛行機をヘルシンキで乗り継ぎ、ハンガリーブダペストへやって来ました。
到着はもう夕方だったのでその日は空港でレンタカーを借りてブダペスト市内に泊まり、翌日さっそくヘーヴィーズに向かいます。
ヘーヴィーズはブダペストの南西、ハンガリー最大の湖で湖岸にリゾートが点在するバラトン湖の西端、ケストヘイという町の郊外にあります。ブダペストからは直線距離でおよそ160㎞、車でおよそ2時間という場所です。
当初はブダペストからまっすぐヘーヴィーズに向かおうと考えていましたが、ルートからそう遠くないところに世界的に有名な磁器の産地であるヘレンドがあり、工房を見学できるとのことだったので、立ち寄ってみることにしました。

磁器の里ヘレンドに寄り道 工房見学と優雅なティータイム

ブダペストからヘレンドまでは車で1時間30分ほどです。

工房、博物館とショップ、喫茶室が道路を挟んで建っています。
こちらは工房。古くから使われていそうな建物です。

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道路を渡った新しい建物がショップと喫茶で、建物の前の広場にはライオン像や胸像が。

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工房、博物館見学と喫茶がセットになったチケットを購入し、展示された数々の美しい作品と、それらがどのように生み出されるかの工程を見学します。工房ツアーは、たまたま空いていたからかもともとそういう仕様なのか、専属のガイドさんがついて工房内を順次説明しながら回ってくださり、実際に作業をされている方の様子を見ながら、美しい磁器ができる工程をわかりやすく、興味深く拝見することができました。プレゼント、と頂いた小さな素焼きのバラの花は、とても素敵なおみやげとなりました。

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見学のあとは、道路の反対側の喫茶室でのティータイムです。

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とても素敵な雰囲気のカフェには、いたるところにヘレンドの美しい磁器が。

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つい今しがた、どのような過程で造られるのかを見たばかりのヘレンドの磁器に囲まれ、美しいカップでいただくティータイムは、とても優雅で贅沢なひと時でした。

湖自体が温泉 夢の巨大露天風呂 ヘーヴィーズの温泉湖

ヘレンドを出て途中昼食を食べ、バラトン湖岸のさわやかなドライブを楽しんでヘーヴィーズに到着。ホテルにチェックインして身支度を整えたら、さっそく温泉湖に入浴に向かいます。
ヘーヴィーズの温泉湖は面積わずか0.047km2ほどで、湖底から温泉が湧いているため湖自体が温かく、夢の巨大露天風呂のような状態になっています。とはいえ水深は最大で約38m、水温も暖かい時期で33℃程度らしいので、露天風呂に入浴というイメージではありません。

湖上には温泉入浴のための建物が建てられています。

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※湖と周辺の写真は、到着日午後と翌日午前に撮影したものを混ぜて使用しています。

湖岸は美しく整備された公園になっていて、花と新緑がとてもきれい。

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湖岸にある入浴施設の入り口。ここで入浴料を支払い、水着に着替えて入浴します。

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湖の中央に建つ建物が温泉湖入浴の基地

早く温泉湖にダイブしたい気持ちを抑えながら通路を通り、湖の中央の建物に向かいます。ここがこの温泉湖入浴の中心であり基地となっていて、ぽっかりと空いた空間には水面が見えています。あたかも内湯のようですが、ここは湖の中心、足がつくはずもなく、みんな浮かんだり、壁やバーにつかまって入浴しています。
水は外とつながっていますが、水面から建物床の間はガラスの壁で外と仕切られているため外気が入ってきません。わずかに硫黄の匂いを感じる湖水は外よりも断然温かく、源泉からのお湯が上がってくる場所なのか、ところどころにあった温かいスポットでは水温は体温よりも高いのではないかと思われ、入浴らしさを感じることができました。

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内湯の周辺にはデッキチェアもあり、ゆっくり休むこともできます。

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構内のいろいろなところに本日の水温が掲示されています。このときは屋内が水温34℃、室温26℃、屋外が水温30℃、気温16℃でした。とはいえ、この時期のヨーロッパは昼の日差しの下ではかなり暖かくなるので、体感では気温は20℃以上はありそうでした。

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入浴というより遊泳? 湖水に浮かんで温泉を楽しむ

建物を出るとデッキがあり、デッキチェアーで日光を浴びながら休むことができます。

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中央の建物やこのデッキから階段が水面に伸びていて、湖水に泳ぎ出すことができます。湖面にはつかまり棒が設けられていて、足がつかない湖での入浴には必要不可欠な休憩スポットとなっています。

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とても入浴には見えない温泉入浴風景。

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足のつかない湖面でずっと立ち泳ぎしているのも疲れるので、多くの人が浮き輪を使ってのんびりと浮かんでいます。空気で膨らます普通の浮き輪を持っている人もいましたが、ウレタン素材の太い棒をくるりと輪にして交点を止めた、この施設で借りることができる独特の浮き輪を使っている人が多かったです。私もそれを使ってみましたが、かさばらない割に浮力は充分で、なかなか使い勝手が良かったです。ときどき留め具が外れて輪っかから棒になってしまい、立ち泳ぎしながらそれを直したりすることもあるので、泳ぎに自信がない方は、きちんとした浮き輪を持って行ったほうがいいかもしれません。

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湖面はどこでも好きなところに行くことができたので、中央の建物のまわりをぐるっと泳いでみたり、つかまり棒につかまってゆっくり景色を楽しんだりしているうちに、あっという間に時間が過ぎてゆきます。

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睡蓮が生えてポイントがあり、水面に浮かぶ睡蓮の花をすぐ目の前に見ることもできます。ただ、泳ぐときに睡蓮の茎が体に絡まないよう注意が必要ですが。

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温泉湖とはいえ水温は温水プールくらいのものなので、陽が傾き始め気温が少し下がってくると、水から上がって外気に触れると寒さを感じます。最後に「内湯」で温まってからホテルに戻ることにしました。

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湯上りに湖岸を散歩。さほど時間がかからずに一周まわることができました。

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夕食のハンガリー風鯉こくでスタミナもバッチリ

夕食はふらりと入ったレストランで。大きな湖の近くという土地柄を考えると地のものと思われる鯉のスープを頼んでみると、どっしりとした鯉の切り身が入った濃厚なパプリカ味のスープでとてもおいしく、まるでハンガリー風鯉こくといったところ。添えられたピリ辛パプリカパウダーを掛けると味変も楽しめます。パプリカはハンガリーの名産品です。メインのフライも添えられた玉ねぎと振りかけられたパプリカパウダーでさっぱりとした味わいでおいしく頂きました。温泉でくつろぎ、スタミナ食とも言われる鯉を食べ、長旅の疲れも癒された感じがします。

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ヘーヴィーズの町を散歩

ホテルでゆっくり休んだ翌朝は、ホテルの周辺を散歩。
温泉湖を中心としたリゾート地らしく、小さいながらもきれいに整備された町です。

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街角には温泉湖のミニチュアのオブジェが。

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ヘーヴィーズをあとに

ヘーヴィーズは1泊だけの滞在だったので、2日目は午前中はひきつづき温泉湖を楽しみ、お昼ご飯を食べてからヘーヴィーズを後にしました。
田舎道で車を走らせていると、並走する線路に列車が。

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一面の菜の花畑。春の菜の花と夏のひまわり、ヨーロッパでよく目にする一面の花畑の風景は大好きです。

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高速道路を走っていると、突然の大雨。

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そして雨あがりに見えた二重の虹。

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短い滞在でしたが、解放感にあふれ最高に気持ちのいい温泉入浴体験ができたヘーヴィーズは、また機会を作ってぜひ訪れたいと思える、とても素敵な場所でした。


2014年4月