そこに線路があるかぎり

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【北海道】函館山からの大パノラマを楽しみ 山麓の異国情緒あふれる町並みを歩く あの人気探偵アニメ映画の舞台にもなった函館の旅(2024年)

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函館にはみどころがたくさんありますが、そんな中でも特に有名な名所のひとつが函館山です。ここから見る夜景は、神戸の摩耶山からの夜景、長崎の稲佐山からの夜景と共に日本三大夜景のひとつに数えられ、100万ドルの夜景とも言われています。
せっかく函館に来たのでその有名な夜景を見てみたいとも思いましたが、旅の疲れもあるので夜はゆっくりホテルで過ごすことにし、函館山には昼間に行くことに。ロープウェイで上ってみると、函館の町を一望する昼間ならではの大パノラマが楽しめました。函館山からの展望を楽しんだ後は、函館山山麓の異国情緒あふれる町並みを散歩。そして最後に旧青函連絡船摩周丸を見学し、函館1日観光をしめくくりました。

市電に乗って函館山ロープウェイ

宿泊していたホテルラビスタ函館ベイから函館山ロープウェイに向かいます。
ホテルからロープウェイまでは歩いても行けますが、せっかくなので市電に乗って行きたいと思います。

市電には1日乗車券があり、大人600円、小児300円です。市電の運賃は初乗りで210円なので、3回以上乗車するなら1日乗車券がお得です。1日乗車券には、紙版、スマホ版があり、紙版は指定のホテルやコンビニなどで売っていますが、残念ながらラビスタでは販売していませんでした。
市電のお得なきっぷは、利用開始から24時間使える24時間券大人900円小児450円や、市電・函館バス1日乗車券、2日乗車券などもあります。

お得な乗車券(函館市電) | 函館市 (city.hakodate.hokkaido.jp)

乗車券の販売場所(函館市電) | 函館市 (city.hakodate.hokkaido.jp)

ホテル近くのセブンイレブン函館市電の1日乗車券を購入し、市電の魚市場通電停へ。乗車する前に1日乗車券の利用日をコインで削るのを忘れずに。

魚市場通から市電に乗り、十字街で下車。となりの停留所なのですぐ着いてしまいますが、ふだん路面電車に乗る機会のない生活をしていると、路面電車というだけで子供も喜びます。

十字街は、谷地頭(やちがしら)方面と函館どっく前方面に、市電の路線が分岐するところ。交差点には何やら不思議な建造物が。

「操車塔」と言い、分岐する市電の進路をコントロールするタワーとして使われていたものだそうです。

十字街の電停から、函館どつく前方面の線路がある道を進み、丸いドームが印象的な旧丸井今井呉服店函館支店のある交差点を左へ曲がります。

曲がった道は函館山方面に続く坂道になっており、ここを登るのかー、と少しうんざりしますが、がんばってしばらく登って行くと、ロープウェイが見えてきました。

起伏にとんだ町並みに、お寺の屋根と教会の尖塔が見えます。

ロープウェイ駅に到着。十字街電停からは約600m、歩いて10分ほどですが、上り坂が続くので結構体力を奪われます。

ロープウェイの乗車料金は往復で大人1800円、小人900円。冬季以外はバスで山頂まで登ることもできます。
なお、ロープウェイにはスプリングスマイルデーというイベントがあり、2024年は3月24日と25日の開催だったのですが、この日は午前10時から午後2時まで、大人往復500円、小学生以下無料という破格の価格でロープウェイに乗ることができるとのこと。一応毎年開催されているイベントらしいので、次の春に函館旅行を計画されている方はスマイルデーの日程をチェックしてみてはいかがでしょうか。

ロープウェイは基本15分間隔での運行となっていますが、混雑時には増便されます。
駅の発車案内モニターには、次の便の発車時刻のほか、現在の山頂の視界状況や、夜景になる時刻の案内もありました。

ロープウェイの山麓駅までですでに結構坂を登って来たので、ここからでもそれなりに函館の展望を楽しむことができます。

ロープウェイで標高334mの函館山

ゴンドラは125人乗りという大型のもの。

ロープウェイの所要時間は3分です。

下り便とすれ違い。

ロープウェイ車内からの眺めもいいです。青森県がうっすらと見えました。

山頂駅に到着。ロープウェイの車内から見える景色も、すでに絶景です。

ロープウェイの山頂駅の屋上が展望台になっています。

少しずつ高さの違う展望台が組み合わさっています。

海に挟まれた函館の町が一望できます。もともとはこの函館山は島でしたが、砂が堆積して陸続きになりました。こうした地形をトンボロといい、函館の町はそこに発展しました。

函館山展望台から 港や空港 駅も一望

目の前に広がるのは函館どっく。修繕中の船が見えます。その奥の向こう岸には白い大きな船が停泊していて、その右のほうにも白い大きな船の姿が見えます。

どっくに入渠中の白い船津軽海峡フェリーでした。ちょうどタグで押されているようです。

奥に見えた白い船津軽海峡フェリー。ここが津軽海峡フェリーの函館ターミナルです。

右のほうに見えた白い船青函フェリー津軽海峡フェリー青函フェリーも、どちらも青森との間を結んでいます。青森港は両社同じ港を使用していますが、函館の港の位置は違います。

この青函フェリーには、2014年1月に寝台特急「あけぼの」で青森に行ったときに乗船しました。函館の港から五稜郭駅まで、雪の中を歩いたのが懐かしいです。

sokonisenro.net

青森と函館を結ぶ航路として忘れてならないのが青函連絡船国鉄時代に開設された鉄道連絡船で、JRに引き継がれましたが、青函トンネルの開業後ほどなくして航路廃止となりました。現在は青森に八甲田丸、函館に摩周丸が保存されていて、見学もできるので、あとで行ってみたいと思います。
鉄道連絡船らしく、函館港のターミナルは函館駅に直結していました。

宿泊したホテル、ラビスタ函館ベイも良く見えます。

北海道新幹線新函館北斗まで開業して、本州とを結ぶ特急列車の乗り入れはなくなってしまいましたが、函館と札幌を結ぶ特急「北斗」や普通列車函館駅に出入りするのも見えます。

函館山から函館駅を見たその先には、五稜郭タワーが見えました。函館山函館駅五稜郭タワーが一直線上にならんでいるのがわかります。

さすがに星形の城郭までは見えませんでした。

視線を右に移せば、遠く函館空港も見えます。

だいぶ小さいですが、離陸する飛行機の姿も見ることができました。

みどころいっぱいの展望

視線を手前にやれば、山麓の町並みが見えます。お寺の大きな黒い屋根のすぐ手前に協会が建ち並ぶ、おもしろい景観です。

黒い屋根の東本願寺、手前には函館聖ヨハネ教会。

赤い屋根のカトリック元町教会と水色の屋根の函館ハリストス正教会

町を縫って走る市電の姿も。

函館どつく方面は背の低い建物が多いですが、カラフルで見ていて楽しくなります。

函館湾には多くの船が行き交います。

北海道新幹線ビュースポットがありました。確かにはるか向こう岸に新幹線の高架が続いているのが見えますが、新幹線の本数が少ないのでなかなか見るチャンスも少ないかと思います。

新幹線が走る陸地の上には、うっすら駒ケ岳が見えました。

ロープウェイ駅の屋上の展望台から降りると、函館山の碑が。

山頂にはロープウェイ駅のほかに、TV局の電波塔も建っています。

電波等の向こうには山並みが続き、その先には津軽海峡が広がっています。

広い駐車場もありました。冬季は閉鎖されていますが、麓から山頂までは道路があります。

函館山麓の異国情緒あふれる町並みを歩く

山頂展望台からの展望を満喫し、ふたたびロープウェイに乗って山麓駅へ。

津軽海峡

山麓駅到着前に、さきほど山頂から見えた教会群に続く道が見えました。ロープウェイを降りたら、少し歩いてみたいと思います。

ロープウェイ駅前の南部坂。この坂を降りずに、山麓を伝う道を歩いて行きます。

教会が見えてきました。

ちょっと西洋風の木造建築と、壁のはがれた土蔵が並びます。

ヨハネ教会。

その先にカトリック元町教会。

ハリストス正教会

函館の坂の風景として有名な八幡坂。

レトロながら異国情緒を感じる町並み。

旧函館公会堂を見学

ひときわ目を引く洋風建築が目前に現れました。旧函館区公会堂です。

公会堂から坂をおりて電車通りまで来ました。このすぐ先に末広町電停があるので、そこから市電に乗って函館駅前へ。

かつて活躍した青函連絡船 摩周丸を見る

函館駅の裏手に、摩周丸が係留されています。かつて青函連絡船が現役の頃は、駅から連絡通路が続いていましたが、いまは海沿いに高架道路ができたこともあって、駅とのつながりはあまり感じられません。

車両甲板の入り口にはレールが。駅から続く線路がここから船内に入り、貨車をそのまま積み込んでいました。

搭乗橋を渡って船内へ。

赤い国鉄のマークが目を引きます。

船内には連絡船を知ることができる展示があります。

船の操舵室にも入ることができます。たくさんならんだスイッチ類に触ることができ、子供には楽しいようです。

通信室ではモールス信号を鳴らすこともできました。

摩周丸を見学した後は、チェックアウト後も荷物を預かっていただいていたラビスタに戻り、荷物をひきとって函館駅へ。空港行きのバスを待つターミナルから、ずらりと並んだ室外機が圧巻のホテルが見えました。

飛行機に乗る前にレストランで夕食を。

函館山からの大パノラマと、山麓の異国情緒あふれる町並み、そして青函連絡船を楽しんだ函館の1日は、函館の町の魅力を存分に味わう事のできる、充実した日となりました。

なお、この旅行の時は知らなかったのですが、2024年春に公開されたアニメ映画、名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)が、函館を舞台にしたお話だったため、旅行の思い出もフレッシュなうちに、家族で見に行ってみました。
五稜郭を始め、函館旅行で訪れた場所が次々と映画に登場し、子供もとても喜んでいました。映画を見た方はぜひ函館を訪れてみてはいかがでしょうか。

 

2024年3月