そこに線路があるかぎり

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【新潟県】185系特急車両で雪国の温泉へ 子宝の湯として知られる栃尾又温泉 ぬる湯のラジウム温泉を長湯で楽しむ(2014年)

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新潟県栃尾又温泉は魚沼市の山懐にひっそりと湧く温泉で、約36度と体温と同じくらいの温度のぬるい湯に1時間以上もじっくりと浸かる長湯が、古くから伝わるこの温泉の入浴方法だそうです。霊験あらたかな湯は子宝の湯としても知られ、温泉地にある薬師堂は子宝祈願の地としても知られています。
2014年2月、この栃尾又温泉を訪れました。

特急草津号と普通列車を乗り継ぎ 上越国境を超える

栃尾又温泉への玄関口は、上越新幹線浦佐駅上越線小出駅で、浦佐からは宿の送迎車、小出からは路線バスでアクセスすることができます。上越新幹線を使えば東京から浦佐まで1時間30分ほどなので非常に便利ですが、それではあまりに早すぎてつまらないので、上野から在来線で小出を目指すことにしました。小出は上越線の駅で、上越新幹線開業前の上越線特急「とき」も停まる列車がある主要駅ですが、新幹線の駅は小出には造られず、現在小出駅には特急列車は通っていません。しかし、群馬県の渋川までなら上野からの在来線特急「草津」が走っているので、まずはこの列車で北を目指すことにしました。
9:00発 特急草津31号万座・鹿沢口行は上野駅地上ホーム14番線からの出発です。この当時草津号には、赤、グレー、黄色のアクセントがあしらわれた185系特急車両が使われていました。2022年2月現在、185系はほとんどの車両が引退しており、草津号も651系車両での運転となっています。また、行先も万座・鹿沢口まで行く便は設定されておらず、手前の長野原草津口が終点となっているので、車両も行先も、いまでは見られない、懐かしのシーンです。

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群馬県の渋川までは上野からおよそ1時間40分ほど。草津号はここから吾妻線に入ります。

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渋川からは後続の普通列車に乗り換え。列車を待っていると、反対方面の普通列車がやってきました。

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渋川から水上までは普通列車でおよそ40分ほどです。水上で再び普通列車に乗り換えて新潟県に入り、小出に着いたのは13時過ぎだったので、駅前の食堂でへぎそばとソースカツ丼の昼食。

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小出から栃尾又温泉までは路線バスで30分ほどですが、本数が少ないです。待ち時間が長いということは、それだけ温泉を楽しむ時間が短くなってしまうので、ここはタクシーに乗ることにしました。時間が惜しいなら初めから新幹線で来ればよかったのですが。。。

山懐に佇む栃尾又温泉

国道から細い道に入り少し進むと、栃尾又温泉に到着しました。小出駅からはタクシーで20分ほどでした。このとき宿泊したのは自在館さん。

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廊下にはお茶の葉の香炉が焚かれ、仄かないい香りが漂っています。
窓からは雪が積もった渓流が見えました。

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ロビーには温泉の説明が。とても有難い温泉であるようです。

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さっそくお風呂に入ってみると、最初はかなりぬるく感じるものの、じっと入っていると知らぬ間にウトウトし、あっという間に1時間ほどが経過していました。加温された上がり湯で体を温めてから風呂を上がります。ぬる湯の長湯、とても気持ちが良いです。(浴室写真は入浴時間外に撮影)

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館内には貸切風呂もあり、半露天となっている湯舟からは雪景色が楽しめました。

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宿泊したのは新館でしたが、旧館のほうも見学させて頂きました。古き湯治場の雰囲気を残す旧館の趣、素晴らしいです。

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自在館のすぐとなりに薬師堂がありました。「子持杉」や「夫婦欅」というご神木があり、子宝祈願で訪れる方も多いそうです。奉納されているのはキューピーさんたち。

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お湯が良く、趣があり、料理やおもてなしも素晴らしく、とても幸せな時間を過ごさせて頂きました。

栃尾又温泉|新潟の観光スポット|【公式】新潟県のおすすめ観光・旅行情報!にいがた観光ナビ (niigata-kankou.or.jp)

上越国境を超える臨時快速「シーハイル」

チェックアウト後、宿のバスで浦佐駅まで送っていただきました。帰りもやはり、新幹線でさっと帰ってしまうのはもったいないと思い、普通列車で石打駅へ。

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石打駅を出発する上越線普通列車

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この日は臨時快速「シーハイル」が運転されていました。スキー客をターゲットとしたこの列車、185系特急車両が使われていますが、種別は快速なので乗車券だけで乗ることができます。指定券を購入すれば指定席も利用できます。
ホームから見える留置線は、雪国らしく壁も屋根もついた屋内型のものでした。そこに停まっていた185系が出てきます。

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いったん駅の外れの引き上げ線に入り、向きを変えて身をくねらせながら、上りホームに入って来ます。

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来るときに乗った草津号とは色違いの、緑とオレンジのブロック塗装は、ふだんは伊豆方面の踊り子号に使われている車両。温暖な伊豆に行く列車のイメージと雪景色の組み合わせが新鮮です。

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夕方の列車なので、上越国境を超えるころには外も真っ暗になってしまいました。
終点の大宮に到着すると、隣のホームには新前橋行きの特急「あかぎ」がやってきて、色違いの185系が並びます。

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草津や伊豆へ行く列車に使われ、温泉特急のイメージがある185系に乗って訪れた雪国の温泉は、宿の風格や味わい、温泉の素晴らしさと相まって、とても良い週末旅行となりました。


2014年2月