そこに線路があるかぎり

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〈あの頃あの路線〉 カラフルな車両が走る5.7㎞のミニ私鉄 流鉄流山線の終着駅 流山駅の風景【流鉄流山線/千葉県】(2014年)

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JR常磐線各駅停車の馬橋(まばし)から流山までを結ぶ流鉄(りゅうてつ)流山線という路線があります。馬橋から流山まで起終点を含み全6駅、わずか5.7㎞の短い路線を2両編成の電車が行き来するミニ鉄道ですが、1916年(大正5年)開業という100年以上の歴史を持つ路線であり、現在所有する5本の電車は西武鉄道の中古車両ながらすべての編成の色が違うという、なかなか面白い路線です。
2014年6月、流山線に乗って終点の流山駅を訪れてみました。

5つの鉄道路線が走る流山市 子育てしやすい街として人気

流山線全6駅のうち半分の3駅がある千葉県流山市には流鉄流山線のほか、つくばエクスプレス東武野田線、JR武蔵野線、JR常磐線の5つの鉄道路線が通っています(JR常磐線には駅は無し)。流山線はJR常磐線に接続して、流山と東京方面の旅客輸送を担ってきましたが、2005年につくばエクスプレスが開業し流山市内に3つの駅が設置されると、流山市内から秋葉原まで乗り換えなしで結ばれることになり、東京へのアクセスが飛躍的に向上しました。つくばエクスプレス沿線には新しい街ができ、行政が子育て支援の政策に力を入れた結果、「子育てしやすい街」として若いファミリー層に人気の街となっているそうです。

白みりんの輸送から始まった流鉄

流鉄流山線は、流山の特産品、白みりんの輸送を主な目的として開業したそうです。従来は赤みがかった色が普通だったみりんに対し、流山で造られるみりんは透明で、「白みりん」と称され人気を博していたそうです。やがて沿線の宅地開発が進み、貨物輸送から旅客輸送へと比重が移り、今日では流山線は旅客輸送専業の鉄道となっています。

流鉄という会社名はいかにも略称のようですが、正式に流鉄株式会社というのが会社の名前です。この会社は1913年の設立から何度も名前を変えていて、その変遷は以下のとおりです。

1913年 流山軽便鉄道株式会社(路線開業は1916年)
1922年 流山鉄道株式会社
1951年 流山電気鉄道株式会社
1967年 流山電鉄株式会社
1971年 総武流山電鉄株式会社
2008年 流鉄株式会社
こうして見てみると、会社名の変遷はあれどおそらく長い間「流鉄」の愛称で呼ばれていたのだろうと想像され、流鉄株式会社という名前も地域で親しまれているものなのでしょう。

流山線に乗って流山へ

流山線の始発駅、馬橋は常磐線各駅停車で松戸から2つ目の駅です。常磐線各駅停車東京メトロ千代田線と直通しているので、馬橋からは大手町や日比谷、霞が関、表参道など都心まで乗り換えなしで行くことができますが、各駅停車なので時間がかかるのが残念です。馬橋から大手町までの所要時間は30分少々といったところ。流山市内の南流山からつくばエクスプレスの快速に乗れば秋葉原まで乗り換えなしで20分少々ということを考えると、流山線常磐線各駅停車を乗り継いで都心に行くルートは苦戦を強いられそう。

右に見えるホームが常磐線各駅停車のホーム、その手前の線路が常磐快速線のもの。
JR馬橋駅から跨線橋を渡って着いた流山線のホームはどこかのんびりとした雰囲気です。

流山線は住宅街やわずかに残る農村的な風景の中を走って行きます。
以下、紺色の「青空」号と、オレンジの3両編成の「流星」号の写真は2009年5月に撮影したものです。2014年当時、すでにこれらの車両は廃車されて存在しませんでした。

流山線は全線単線です。途中の小金城趾だけが交換可能駅で、ここで列車の行き違いが行われます。


馬橋から流山の所要時間はおよそ12分、景色を楽しんでいるうちに、あっという間に到着します。

車庫を併設した流山駅でカラフルな車両たちに出会う

流山駅は古くからの流山の市街地の中にあります。駅の裏手には流山市役所、そして駅近くには今もみりんの製造を続ける流山キッコーマンの工場、また、この地で終焉を迎えた新選組にまつわる史跡などもあり、この流山駅から流山の歴史をめぐる散策をしてみるのも楽しそうです。
東に1.2㎞ほどのところにはつくばエクスプレス流山セントラルパーク駅があり、つくばエクスプレス開業後、流山駅の利用者も減少したであろうことは想像に難くありません。

駅の裏手は丘になっていて、この上に流山市役所があります。

流山駅はホーム1面の両側に乗り場がある構造ですが、いちばん列車本数の多い平日の朝以外は1つのホームしか使われていないようで、使われないホームには赤い「あかぎ」が留置されていました。流山線の車両は2両編成が全部で5本、それぞれの編成に愛称がつけられ、車体の色も異なっています。
この日走っていたのは水色の「流馬」と黄緑の「若葉」でした。

休む「あかぎ」に見送られ、ここまで乗ってきた「流馬」が馬橋に向けて出発して行きます。

流山駅の奥には車庫があり、2本の列車が休んでいました。

黄色の「なの花」と、オレンジの「流星」です。

駅の外に出てみました。歴史が感じられる駅舎がなんとも味わい深いです。駅前は狭いながらもロータリーがあり、客待ちのタクシーも停まっていました。

駅前からは駅裏手の市役所方面につながる跨線橋があって、この上からは流山駅の構内を見渡すことができます。ちょうど馬橋からやってきた「若葉」が到着しました。

駅構内を見通せる踏切近くからは、4色の電車が並んでいるところが見えました。

「若葉」が馬橋へ向けて出発して行きます。

「若葉」が出発してしばらくすると「流馬」が戻って来ました。

そしてまた馬橋へ向けて発車する「流馬」。

車庫にならぶ黄色とオレンジは、JR中央緩行線快速線の電車のよう。「あかぎ」以外の4本は、黄緑、水色、黄色、オレンジと、JRの通勤電車のカラーリングにも通じるものがあります。また、黄色はこの車両の元の活躍場所、西武鉄道時代のカラーリングをほうふつとさせます。

流山駅に戻って来ました。

やってきた「若葉」に乗って帰路につきます。

2両編成の電車が行き交う流鉄流山線は、都心から1時間とかからない場所にありながら、のんびりとした雰囲気と、カラフルな車両が楽しさを与えてくれる、素敵なミニ私鉄です。

なお、2022年7月現在、この記事で紹介した水色の「流馬」はピンクに塗り替えられて「さくら」に、オレンジの「流星」は白帯と前面窓まわりの黒が水色に変更されています。また、赤の「あかぎ」と黄色の「なの花」がペアを入れかえ、赤+黄色の2両編成が2本となっており、その色の組み合わせから「オムライス電車」と呼ばれ人気となっています。

 

2014年6月(一部写真 2009年5月)